二転三転で高額療養費の限度額引き上げは、今の国会では議論を先送りするような結末になりました。
しかし、引上げプレッシャーは消えたわけでなく、何度でも蒸し返してきそうな感じです。
私も11年前、悪性リンパ腫の治療において、この制度を活用させてもらったので、制度のありがたみは実感した者の一人です。
今はジェネリック(正確にはバイオシミラー)だと思いますが、リツキマシブという抗体医薬を静脈注射で投与してもらっていました。
確か、1回30数万円だったと思います(100%換算、患者負担はその3割)。都合8回投与されました。数百ミリグラムの「塩水」(にしか外見は見えない)が30万以上!
(しかし、おかげで完全寛解できました)
当時は今よりも限度額が低かった(今より少ない負担だった)と思います。私の場合はリツキマシブを8回、2週間に1回のペースだったと思います。
病院で会計する際、かかった医療費、その30%が限度額を超えると、自動的に病院側で計算し、私は限度額いっぱい以上の負担はなかった、そんな感じでした(本来は先に自腹で30%払って、健康組合に差額を請求すればバックしてもらえるが、登録すればこのように扱ってもらえるはず。11年前で忘れている部分もありますが)。
このおかげもあって、めでたく社会復帰できて、日本経済にも国の財政にも、ささやかながら恩返しをさせてもらっています。
制度のありがたみもよくわかっています。
一方、医療費が膨張する、というのも理解しています。特にキイトルーダ、オブジーボといった免疫治療や、さらに細胞治療あるいはダヴィンチのような手術ロボットや、レーザーアブレーション他の治療機器の価格はうなぎのぼりです。
日本の健康保険制度を前提とした場合、それこそ「財源」は限られており、どのように
分配するのか、は重要な問題です。
計算したことないのでよくわかりませんが、大雑把に見ても、高額先端医薬品・医療機器の導入コストが見直し削減した金額(慢性疾患の薬を処方から市販にしろとか)よりも大きくなると思います。したがって保険財政はそれほど改善しないでしょう。
したがって、段階的な引き上げはやむを得ないと思っています。
(しかし、そのプロセスはやはり、どのような患者にどのように保険を配分するのかを根本的に変える必要があると思います。税にしろ社会保障にしろ、現役世代に過度に負担がかかるこれまでの各制度が破綻をきたしている)
但し、この議論、私が疎かったのかもしれませんが、突然のように国会に出てきて、政治アピールの道具のように使う政府与党の姿勢に立腹してしまいました(もとより前政権、現政権は全く支持していませんが)。
人の命を単に総理のいすにしがみつきたい人のアピールの道具に使うな(下手なアピールだけど)。
ただし、消費税で社会保障を賄う、というのは筋違いだと思っています。
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