2015年2月11日水曜日

GPIFの株式投資についての雑感

アベノミクスにより?日本の年金基金も積極的に株式投資を行う、という方針が示されました(すでに方針ではなく実弾がぶちこまれていると思いますが)。

これについては賛否両論があります。私はどちらかと言えば、投資の専門家筋からよくない意見を言う人が目につく印象があります。これは意外でした。

大事な年金をリスクにさらすのはよくない、株価を公的資金で「操作」すれば必ず罰が当たるので将来が怖い、というのがざっくりとしたネガティブ派の意見です。

一方、肯定派の意見は、先進国の年金運用の割合は株式が圧倒的に多く、日本はまだまだ小さいので、これぐらいでも不十分だ、という意見や年金資金が株に流れると経営ガバナンスも正されて、企業経営にもプラスになる等の意見もあります。

 簡単に言えば、ネガティブ派は将来、株はまた暴落するものであり、今ピークかもしれない時期に「高値掴み」させられると、将来「倍返し」にあってしまう、という前提があるような気がします。一部金融業界に「公共工事」を提供するようなもので、ばらまきだという説もある。

肯定派は、日本経済は成長するし、日本企業も成長するし、株価は歴史的に安値だったので、これからは恩恵を受けるはずだ、というのが根っこにあるような気がします。

アメリカでも1970年代後半から80年代にかけて「エリサ法」Employee Retirement Income Security Act(従業員退職所得保障法)という法律ができて、従業員の退職金の保護を名目に受託者である年金基金が、最大限な運用責任を課されたことなどが要因となって、資金が株に流れ始めました。

ピーターリンチさんの初期のころは年々年金基金から資金がマゼラン・ファンドに流れ込んでいましたね。彼のパフォーマンスも要因ですが、こういった流れも大きかったのだと察しています。

 アメリカでは81年(マイケル・ジャクソンの「Beat It」が大ヒットした年です!!)に景気が底を打ってから、S&P500やダウ平均は10数倍になりましたね。
それまで米国株式市場は、「株式の死」と言われた暗黒の15年を過ごしていたと思います。

まあ、年金資金がアメリカ株式市場のすべてを変えた、とは言いませんが、インパクトは大きかったような気がしますし、レーガノミックスのいろんな規制緩和やITやバイオのイノベーションも相まって、アメリカ経済は復活しましたね。

日本で同じようなことが期待できるか、できないか、期待ではなく実行できるのか、等いろいろ議論されていますね。

ソニー等従来型のダメ企業では相変わらずイマイチな将来しか見えませんが、サービス業界の海外進出など良い兆候もたくさん見られますし、全体としては正しい方向に進んでいるんじゃないかと感じます。

やはり株式会社はGPIFの投資にかかわらず国際競争が激しくなっていますし、今までのように島国根性では通用しないことを経営者は理解していると思います。

問題なのは理解できても、しがらみ等で実行・解決できない点かもしれませんが

最近の成長企業は、あまり本業から離れた多角化をしないですし、本業でグローバル展開を図ろうとする良い兆候が見られます。

また、株主還元にもプロアクティブなのか、右に倣っているのか、分かりませんが比較的前向きな企業が増えてきたように思います。
日本経済や株式の将来を楽観するか、悲観するかでGPIFの株式運用積極化の評価が分かれてしまうような気がします。
もし、GPIFの株式運用に消極的なご意見があるのなら、「株でもうけたやつ」にねたみ嫉妬を抱いたり、「金持ち・格差社会は反対」などアンチョコなマスコミ理論に迎合するようなことは辞めてくださいね。

GPIFの株式投資がうまくいった場合の恩恵は、一般庶民に広くあまねくいきわたることになりますから。今回、国内・海外の株式、海外の再建に幅広に「アセットアロケーション」をセットしたので、大損するリスクはそう大きくはないような気もしますけど・・・。

ちなみにGPIFで運用されている資金は、過去の好景気の時に徴取し過ぎた余剰金です。

年金の基本的な仕組みは、現役世代(およびその勤務先!!!)から一定金額をカンパして、年金世代に仕送りする、仕送りの仲介業者が日本年金機構(だったか)ということになっています。

現役世代の仕送りが不足すると、GPIFから取り崩す、というロジックです。

最近のデフレ経済面化で、年金のデフレ調整を政府ができなかったので、おかしなことになっていますが、基本的には中長期な観点で徴収額と仕送り額を均衡させる仕組みになっています。

日本株式市場がこれから長期的にどうなるのか、それは誰にもわかりませんが、あんまり投資していないくせにえらそうに言えませんが、個人的にはそこまで悲観していません。

理由は漠然としていますが、私も含めてみな日本に悲観的だから?とでも言っておきましょう。
ジョン・テンプルトン卿の言葉はこんなところでも生きそうな気がしています。

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2015年2月2日月曜日

Chevron(CVX)、2014年第4四半期決算コンファレンス、CEO John Watson メモなど


総投資額に占めるシェアが高いので、どうしても気になります。石油・天然ガスセクター

CVXCEOのテレカンのコメントメモランダム

業界の一般論として、世界経済が年率3%~4%で成長した場合、エネルギー需要は年率1%~2%の需要の増加が見込まれる。

このうち、石油が1%程度、天然ガスが2%程度の需要増加ペースだと思う。

 

一方、既存の油田・ガス田(Base Business)は、特に油田の場合、放っておくと年率15%の割合で減っていく。それを投資などで、なんとか年率3%~5%の減少に抑えている。Chevron2014年、3%以内の減少に抑えることができた。

 

したがって、油価が50ドル程度で推移した場合、とてもではないが大深海、シェール、オイルサンドなどでは採算が合わないので、おそらく誰も生産したくなくなるだろう。したがって、50ドルの油価が継続することは、“Unsustainableであると信じている

 

(つまり、需要が1%~2%増えるのに、Base Business3%も減っていくのであれば、継続的に埋蔵量の水準を維持するためには、新規の油田・ガス田は必ず必要になる。さもなければ、埋蔵量はジリ貧になる。そうなるとエネルギー資源の枯渇問題になる。したがって、新規の探索は必須であるが、今の油価だと、新規では、採算割れなので、だれもやらない。よっていつか油価は上がるという意味です。私が以前から楽観的に見ている根拠です)

 

Chevronでは、現在行っている新規プロジェクトには優先的に設備投資を行うが(GorgonWheatstoneLNGやメキシコ湾深海油田など)、2017年以降を見据えた投資(注:シェブロンでは2017年に生産量を今より+20%増加すると数年前から投資家にコミットメントしている。ありていに言えば中期計画の目標。)はペースダウンさせる(設備投資を対前年比▲13%とする。それでも310億ドル、約3.6兆円にも上ります!!)。

2015年は、FIDFinal Investment Decisionは昨年からの積み残しの1件以外)は、たぶんないと考えている)。

したがって、2017年以降の埋蔵量や生産量への影響があるかもしれない。これは他の石油会社も同じようなものだと思う。

 

といった内容でした(抄訳)。以下は私見です。

50ドルが“Unsustainable”である、という点はごもっともだと思います。

いずれ油価はリバウンドするだろうといった趣旨はFordでも、Dow Chemicalでも、Proctor & Gambleでもテレカンで似たり寄ったりのコメントがされていました(ポジショントークな人もいるかもしれませんが)。結局、シェール油田の生産調整が確認されたころに(2015年下半期ごろをイメージ)、油価底打ちだろう、といったコメントが多かった。

 

一方、シェールオイルの生産コストを下げるためには、穴に注入する水の再利用とケミカルのコストを引き下げることだと以前述べましたが、こういった点を改良したInnovationによって、さらにコストダウンされる可能性も否定できません。

但し、+1%~+2%、▲3%~▲5%の穴埋めをするためにはシェールだけでは無理です。

 

したがって、どこかで、100ドルとは言いませんが、ある程度落ち着くところに落ち着くのではないか、という印象を依然持っています。

 

結局は自分が最初に見通したイメージと遠くはなかったので、あとは事態を見守っていくこととします。

但し、みんな同じ景色を見ていそうだ、という点が落とし穴にならないか、まだ一抹の不安が残りますけど。

細かいことは3月の定例の全社アナリストミーティング(Investor’s Day)でまた話をするそうです。

 

個人的には、ホールド路線を再確認です。あまりにも売り込まれた場合は、他のPFとの整合性を考えた程度に、買い増しをしてもよいと勝手に思っています。

 

Chevronは一応オイルのスーパーメジャーと呼ばれていますが、Exxonと比較すると、規模は約半分程度です。

しかし、その辺はCVX経営陣もわきまえていて、あくまで効率重視、堅実経営を貫く社風でして(もちろんExxonも堅実ですがBPShellと比較すると規模は劣れど効率性はぐっと良い)、まあ何とか乗り切るでしょう。

とはいってもまだ数四半期は流動的な業績・株価が続くことを覚悟しています。

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2015年1月31日土曜日

1月の投資状況


出だしから躓いた、そんな感じです。

但し、ドル高による米企業の業績伸び悩み、はある程度想定されていたはずなんですけど。
EUで金融緩和(当然ドル高要因)とか言っているのに、株価が上昇していたりしていましたから、ちょうど良い調整という感じでしょうか。

ドルインデックスは気が付けば95まで上昇していました。2013年の年末は80.67ですから17.8%も上昇しています(当然ユーロが安くなっている)。

また、米国10年国債金利は1.67%で、これも2013年年末が2.99%だったことを考えると、相当な低金利です。

最近、物価が低下しているから金利が低下しているのか、金利が低下しているから物価が低下しているのか、よくわかりません。

シェール革命である程度ドル高になるかも、と思いましたが、ここまで来るとは、さすがにミスターマーケットですね。

1月の売買
売り トムソンロイター(全部)、NTT(一部)
買い ディアッジョ(新規)、トランザクション(新規)

配当状況


上記銘柄の入れ替えや円高などにより、今月は減ってしまいました。

1月の増配
Kinder MorganKMI) +3.5%、今年はまだ増配するはずです。

Black Rock BLK)  +13


12月に発表があったけど、見落としていたもの

MasterCard (MA)  +45% 元々少ないのであまり影響はない

AT&T     (T)   +2.3% ここ数年、増配率はインフレ率並み


ちょっと出費があるので、今年前半はまたじっとしているつもりです。

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2015年1月24日土曜日

原油価格の下落とその影響

私の保有するPFでエネルギー関連株はすべて原油と天然ガスにかかわっています。

Kinder Morgan Inc. ポートフォリオ1
Chevron        同5
Enbridge        同12
ポートフォリオ全体の約18%を占めています(12月末現在)

これらについて、当面の株価上昇を見込んでいないのは言うまでもありませんが、当面の業績が気になります。
いろんな(タダで読める)調査書などを見たところ、

l  WTI50ドルレベルならシェールオイルは採算に乗っているリグが半分ちょっとありそうだ。

l  一方、在来型はその半分程度ではないか(ロシアでは一部4ドル台というすごい数字もあった)。

l  採算とは損益分岐点で、損益分岐点とは、企業として利益が取れる水準。

l  シェールオイルは、リグの設置が承認されてから実際の生産まで5か月ほどタイムラグがある。アメリカでリグの数が減ってきたのは10月ごろ。したがって、実際の生産に影響が出始めるのは、2015年第二四半期だろう。

l  しかしながら、リグの数が3割ほど減っても、生産量は契約もあるので10%程度の減少にとどまるだろう。

l  これが30ドルを切るようなことがあると、世界的にリセッションになる。

l  ロシアもOPEC5060ドルレベルなら当面の減産の必要性がない。

l  一方、石油サービス関連のコストは確実に下がるので、悪い話ばかりでもない。

l  シェールオイルの採掘に使うケミカルや水の利用が高度化・効率化できれば、採掘コストはまだ下がるだろう(アメリカではこの頁岩を割くための化学品とリグから流す水の確保がコストのボトルネックとなっているので、改善のための対策が練られている)。

l  当面、石油関連投資は3割ほどカットが見込まれそうだ。このカットは今の生産には影響がないが、数年先(2018年ごろ?)には、供給量の低下となって表れてくるだろう。
l  したがって、劇的に原油価格が回復するとは見込みにくいが、シェールオイルの生産量がピークアウトし始める第2四半期あたり(以前にも書きましたが、アメリカのドライブシーズンに当たる)で、原油価格がボトムアウトあるいは底をつける形になるのではないか。
l  その後は、今投資を削った分が(埋蔵量の)ツケとなって、2017年~2019年ごろに顕在化し、7080ドルぐらいの価格を形成するのではないか。

マイナス面として
l  石油関連投資で雇用されていた人に、一定のリストラ圧力がかかってくる。

l  また、シェールガスの生産で、Liquid Richと言われる水分が多いガス田では、従来から天然ガスと天然ガス液【Natural Gas Liquid: NGL】を分離し、NGLからブタン、コンデンセートなどを更に分離して転売していた。これらブタン他は石油からも一定量が取れるが、石油より天然ガスの方が圧倒的にコストが安く生産出来ていたので、石油由来のものより価格競争力があった。

l  しかしながら、原油価格が大幅下落したので、これらの成分の価格競争力が失われ、シェールの天然ガス田も採算割れが出る可能性もある。

以下は私見
技術の進歩とは恐ろしいですね。シェールオイルの採算ポイントは60ドルとも70ドルともいわれていましたが、さらに20から30ドル以上も削減余地がありそうです。そんなに下がると、供給過剰の状況が修正されないんじゃないか? と思ってしまいました。

もっとも、もっと石油をガブ飲みするような方向性になれば別でしょうが、世界的に二酸化酸素排出抑制の動きがありますので、原油を非効率にじゃんじゃん使うってのは難しそう。新興国の経済成長による需要増に限定されそう。

一昔前まで、忌み嫌われていた中国の存在感がまたクローズアップされるかもしれませんね(ベネズエラなどの資源があっても、金がない国などに中国が援助を申し出て、政治力もコントロールするのではないかなど言われています)。

これは、天然ガスにも影響が及ぶような気がしました。原油価格連動性の今のLNG価格体系だと、LNGコストも大幅に下がってくるので、シェールガス由来のLNGを輸入するのと、従来通りカタール辺りから輸入するLNGも差がない(どころか、従来LNGのほうが面倒な投資も手続きもいらない)ので、またいろいろ変化がありそうです(すでに契約した分は引き取らざるを得ないけど)。

ロシアからの天然ガス輸入も、パイプラインは魅力が薄くなったかもしれない。


上記ポートフォリオの当面の不透明感としては、

カナダのオイルサンド由来の原油の動向。シェールオイルについては情報量も多いですが、オイルサンドはそれよりコスト高だったはず(これも最近、露天掘りから地上から水圧をかけて絞り出すような工法が主で、こっちの方がコストは安いそうだが)。

したがって、Enbridgeの業績が気になる。同社のビジネスはパイプライン通行料をもらうフィー・ビジネスなので価格とは連動しませんが、生産者が経営破たんするとかのリスク(そうすれば必然的に「通行量」が減るのでフィーも減る)。

さらに、Kinder Morganも基本的にフィー・ビジネスなので、資源価格が直接業績に影響を与えないが、現在投資が決まっているプロジェクトが本当に実行されるのか、という将来の成長リスクは拭えません(これも天然ガスプロジェクトが多いけど、1件デカいオイルサンドのカナダ西海岸への運搬というのがある)。

121日のテレカンでは、2015年については、DPS2ドルの原資を確保しているといっていました。その後、2016年~2020年までは、1バレル70ドルの前提で、毎年10%の増配は大丈夫だといっていました。

また、上述の様に、シェールガス田の採算悪化が及ぼす悪い意味での波及効果は気になります。
Richard Kinderさんの原油価格のイメージも、2016年以降は、6070ドルレベルに戻る、という楽観的なもの。
ちなみに、一部油田を持っていて、石油の生産もやっていますが、2015年は80%分価格をヘッジしているとのこと。
この原油安に、Bakkenで買収なんてやるもんだから、投資家は不安になりますね。

Chevronについては、前回見ました。

まあ、向こう数年の配当成長率の鈍化はやむないですね。

肝いりの巨大プロジェクト、西豪州のLNGプロジェクトである、GorgonWheatstoneが、高値掴みになる懸念が残念ですねえ。しかし、キャッシュフローの増加には確実に寄与するようですので、あとはじっくり配当をいただくこととする。

当面保有株を売却する予定はありませんが、WTI100ドルってのは、需要と供給と技術革新などを考えると、夢物語かもしれません。

(穿った見方をすれば、オバマさんの後の大統領が共和党出身者で、また中東で軍事行動を起こせば、ギュッと原油価格が上がりそうですが、イランはおとなしくなっているので、「敵」もいない)

願わくは、私もみなさんがおっしゃるように60ドル~70ドルぐらいに回復すれば、まあ、ナントカやっていけると思います。

サブプライムも、最初は皆楽観していたのですが、ふたを開けるとひどいことになっていたので、油断は禁物ですが、、、。

但し、東アジアを中心としたガスの需要増加路線は間違いないトレンドだと思っていますので(これらの国の成長率が鈍化したので、ちょっと落ち込むかもしれませんが)、天然ガス関連には依然強気です。


1年以上前から、原油価格は長期的に80ドル~90ドルぐらいかなあ、と思っていました(やや供給過剰)ので、100ドルは高いと感じていましたが、40ドル台まで下がるとは思っていませんでした。しかし、投資家が思っていないことが起こるのが、マーケットである、と改めて感じてしまいました。
しかし、想定外のことを想定して、用意するってのは、どうやってやるんだ?


石油、天然ガスセクターは依然ホールド路線を貫く予定です。長期投資は我慢の連続ですね。

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