配当貴族シリーズも、あと数社を残すのみ。今回は医療機器・理化学機器・試薬診断薬等のメーカーのベクトンディッキンソン(BDX)です。
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財務から
43年連続増配の優等生企業です。現在の株価はまあまあの水準だと思われます。メドトロニックス、アボットラボラトリーズなどと並んで有力医療機器メーカーの一社です。
医療機器と言っても、日本の場合はどうしても、画像診断に偏りがちです(テレビやカメラの技術を応用していきますので)。
もちろん診断も重要なのですが、肝心の治療に役立つ機器は米国勢の独壇場のようになっていますね。日本のテルモですら、ローカル企業の域を出ませんから。
さて、世界上位企業が多い米国医療機器業界はさらに、業界再編が進んでいます。先日も、アボットラボラトリーズがセントジュードメディカルを買収して、世間をあっと驚かせました(少なくとも私は驚いた)。強者連合です。
アメリカの病院が合従連衡で巨大化していくので、対病院交渉力を優位に保つためメーカー側も巨大化していく流れにあります。
こういった中、BDXも2015年にCare Fusionという企業を買収していますので、2011年から14年と15年の財務推移に連続性がありません。特に営業費用の中にRestructuring Cost$271MM、Purchase Accounting Cost $670MM(買収企業が繰延資産等を一括償却したような感じだと思います)が入っており、この他買収一時費用を合わせると、$2,177MMだった、と報告されています。
その場合、営業利益率は21%に達します。
そして、これらを調整すれば、EPSは$7.16のようです。
2016年度は売上高が為替中立ベースで4.5%~5.0%の成長、EPS(Adjusted)も$8.37~$8.44(+22%~23%)となっています。4月の決算を終わって、EPSのガイダンスは$8.50~$8.57に引き上げられました。統合は順調に進んでいる模様です。
どこまでこの、AdjustedなKPIを信じていいのか、よくわかりませんが、買収して規模も大きくなって、利益率も改善していく、ということを示唆しているのだと思います。
どんな商品を取り扱っているのかを以下の資料でご紹介。
約1.3兆円の売上高($8.5B+$3.8B)のうち、医療機器が9兆円、理化学機器が4兆円ちょっととなります。
医療機器のうち、$3.4Bは注射器など消耗品系、$2.1Bは診断系の管理システム、$1.0Bは糖尿病用の器具(インシュリンの自己注射など)、$0.9Bは呼吸器系診断機器、$2.1Bは医薬品システムとなっています。
ライフサイエンス(理化学機器)は実験機器、試薬機器などとなっています。
日本の場合、医療機器は厚労省の承認を得なければ販売できませんが、理化学機器系はそうではなかったと思います。
最後に株価推移
この企業も、連続増配株として、じっくり保有することがいいかと思います。ちょっと配当利回りが低いですが、買収でかなり借入金水準が高くなってしまいました。
向こう数年は大きな買い物ができないと思います。
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