楽天セミナーの看板セミナーともいえる竹中平蔵氏のセミナー。日本マクロ経済とその経済に影響を及ぼす政策が柱となっています。今回のセミナーレビューの最後です。
特に今回は、政策面とその政策の恩恵を受けそうな産業に投資したらどうだ(注:具体的な企業名は挙げていません)、といった投資家目線寄りの説明が多かった。
話しの組み立てや、わかりやすさは、「さすが」と唸らせる構成、プレゼン力でした。
彼の講演内容のテーマは3本
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まず、米経済:
まだ減税効果は続くと思う(1年から2年と言っていたので、19年3Qか4Qぐらいに、切れそう?)。したがって、消費関係について19年内は持続しそう。
日本経済は、消費税増税により影響を受けざるを得ないが、アメリカ経済が堅調である限り、まあ、最低限の成長はあるというニュアンスに自分なりに解釈しました。
消費増税に関しては、その是非や、「やっぱりやめた」と総理が判断するかしないか、という点には一切触れず、所与として分析しているようでした。
対中国の問題。
もはや貿易戦争ではない。きっかけは貿易戦争だったが。
これは
アメリカ型資本主義 VS 中国型国家資本主義
のイデオロギー対決であり、中国はアメリカを本気で怒らせてしまった。特に国家安全保障上、重要なIT技術に関してアメリカに対抗しようとしている点をアメリカは非常に問題視している。
トランプ大統領が勝手に「殿ご乱心」もどきで、好き勝手なことを言っているのではない。
比較的、良識のあるペンス副大統領の演説を聞くと、「対中宣戦布告」といってもおかしくない内容である。
(こんな感じです)
トランプ米政権、中国と「全面対決」宣言 (産経新聞18/10/5)
【オピニオン】米副大統領の「第2次冷戦」宣言 反中国の大規模キャンペーンを始めたトランプ政権 (ウオールストリートジャーナル 18/10/10)
日本は米中のはざまで距離感をうまくとらなければならない。安倍政権の外交政策の腕の見せ所になるだろう(G20が6月、大阪で開催されるのでそこが第一勝負)。
第4次産業革命の波に日本も乗り遅れないようにしよう
これは、もう竹中氏の現在のライフワークかもしれません。
ビッグデータ、AIなどのデータを活用し、社会全体の効率拡大に生かして、生産性を高めるべし、それによって日本経済の発達に寄与できるはず、というのが彼のざっくりとした主張。
そういった新しい取り組みを、自由に行うことができる都道府県や市など実験地域を特区として制定して、小さく初めて大きく広げよう、という提案。
そういった地域では、例えば
といた取り組みを行い、少しずつでも全国に広げていくべきだ、という内容。
また、そういったことを担う人材は不足しているので、リカレント教育(社会人の再教育により対応人材を増やす)制度などを作れば(学費を補助金化するとか、勤務先に仕事後に学校に通うことを認めさせるとか)で、転職(いや、「柔軟な働き方」)を推進する法制度のバックアップ。
などの政策提案をしているそうです。
ちなみに、こういった実験地域を後押しする法案が可決したらしいですが、マスコミは「モリカケ」以外の報道がなかったので、国民はだれも知らないだろう、と嘆いていました(確かに、モリカケなんかよりも重要ですね)。
2019年の政治的なスケジュール 安倍政権にとっての重要なイベント
北方領土問題:4島一括返還をいったん棚上げして、2島先行返還を実行できるか、が最重要イベントだと言っていました。
プーチン大統領と少なくとも3回程度、安倍総理は直談判するそうです。
2島先行返還にロシアが応じれば、それを大義名分として、衆議院を解散し、衆参同日選挙で国民の真意を問う、という可能性は十分ある、といっていました。
参院選だけだと、国民も政権選択選挙ではないので、「安倍1強にお灸をすえる」的な投票結果になりかねないし、野党もそれを餌にまとまりやすくなるが、衆院選挙になると国民は、「やっぱり安倍さん・自民党」となりやすく、かつ、野党もバラバラになりがちであり、一気に北方領土問題を持ち出しても、寄切る可能性がある、と解説していました。
(個人的には衆議院選挙で、「消費増税やっぱりやめた」も議論してほしい)
この辺の政策と政局の解説はこの人しかできないなあ、と感心しました。
したがって、特区関係や北方領土問題で不利になる人が、朝日&毎日辺りの左派マスコミと組んで、スキャンダラスなことを流す可能性も十分あるでしょうね、ネタがあれば(個人的には、安倍政権のどうでもいいスキャンダルよりも政策そのもので成熟な議論を期待しています)。
- アメリカ経済及びマクロ政治経済の枠組みの変化が明確化
- 第4次産業革命(IOT、Aiなどによる産業構造変化)を上手に取り組んでいかないと日本は世界経済の流れに置いて行かれるので、取り組んでいこう
- 2019年の政治面における各重要行事のプレビュー、政権/政局に影響を与えるか?
まず、米経済:
まだ減税効果は続くと思う(1年から2年と言っていたので、19年3Qか4Qぐらいに、切れそう?)。したがって、消費関係について19年内は持続しそう。
日本経済は、消費税増税により影響を受けざるを得ないが、アメリカ経済が堅調である限り、まあ、最低限の成長はあるというニュアンスに自分なりに解釈しました。
消費増税に関しては、その是非や、「やっぱりやめた」と総理が判断するかしないか、という点には一切触れず、所与として分析しているようでした。
対中国の問題。
もはや貿易戦争ではない。きっかけは貿易戦争だったが。
これは
アメリカ型資本主義 VS 中国型国家資本主義
のイデオロギー対決であり、中国はアメリカを本気で怒らせてしまった。特に国家安全保障上、重要なIT技術に関してアメリカに対抗しようとしている点をアメリカは非常に問題視している。
トランプ大統領が勝手に「殿ご乱心」もどきで、好き勝手なことを言っているのではない。
比較的、良識のあるペンス副大統領の演説を聞くと、「対中宣戦布告」といってもおかしくない内容である。
(こんな感じです)
トランプ米政権、中国と「全面対決」宣言 (産経新聞18/10/5)
産経新聞より |
【オピニオン】米副大統領の「第2次冷戦」宣言 反中国の大規模キャンペーンを始めたトランプ政権 (ウオールストリートジャーナル 18/10/10)
日本は米中のはざまで距離感をうまくとらなければならない。安倍政権の外交政策の腕の見せ所になるだろう(G20が6月、大阪で開催されるのでそこが第一勝負)。
第4次産業革命の波に日本も乗り遅れないようにしよう
これは、もう竹中氏の現在のライフワークかもしれません。
ビッグデータ、AIなどのデータを活用し、社会全体の効率拡大に生かして、生産性を高めるべし、それによって日本経済の発達に寄与できるはず、というのが彼のざっくりとした主張。
そういった新しい取り組みを、自由に行うことができる都道府県や市など実験地域を特区として制定して、小さく初めて大きく広げよう、という提案。
そういった地域では、例えば
- 町全体の信号をデータ化できれば、赤信号と青信号の点灯時間を渋滞などの状況に応じて柔軟に設定し、渋滞緩和に役立てることも可能(中国では実際に行ったらしい)とか、
- Tell us onceシステム(市役所に1回申し出れば、例えば引っ越し時に移転届、免許書き換え、クレジットカードの変更届、パスポートの変更届などあらゆる変更届ができるような個人情報とITシステムの改善)
- AIDS(自動運転)、キャッシュレス化の推進に必要な法整備
といた取り組みを行い、少しずつでも全国に広げていくべきだ、という内容。
また、そういったことを担う人材は不足しているので、リカレント教育(社会人の再教育により対応人材を増やす)制度などを作れば(学費を補助金化するとか、勤務先に仕事後に学校に通うことを認めさせるとか)で、転職(いや、「柔軟な働き方」)を推進する法制度のバックアップ。
などの政策提案をしているそうです。
ちなみに、こういった実験地域を後押しする法案が可決したらしいですが、マスコミは「モリカケ」以外の報道がなかったので、国民はだれも知らないだろう、と嘆いていました(確かに、モリカケなんかよりも重要ですね)。
2019年の政治的なスケジュール 安倍政権にとっての重要なイベント
北方領土問題:4島一括返還をいったん棚上げして、2島先行返還を実行できるか、が最重要イベントだと言っていました。
- 1月ダボス会議
- 2月~ 予算審議 日程が少ないので大きなことが議論できない
- 4月統一地方選挙 参議院選挙前の前哨戦。ここで躓くと、参院選に分が悪くなって、周りも騒がしくなる。
- 5月 天皇交代、新元号始まる。カジノ管理委員会発足(カジノをどこで作るか)
- 6月 G20大阪で開催 安倍総理議長 中国とアメリカの間での立ち振る舞い
- 7月 参議院選挙 (衆参同日選挙の可能性は?)
- 8月 ラグビーワールドカップ(東京オリンピックの前哨戦)
- 10月 消費税率引き上げ
プーチン大統領と少なくとも3回程度、安倍総理は直談判するそうです。
2島先行返還にロシアが応じれば、それを大義名分として、衆議院を解散し、衆参同日選挙で国民の真意を問う、という可能性は十分ある、といっていました。
参院選だけだと、国民も政権選択選挙ではないので、「安倍1強にお灸をすえる」的な投票結果になりかねないし、野党もそれを餌にまとまりやすくなるが、衆院選挙になると国民は、「やっぱり安倍さん・自民党」となりやすく、かつ、野党もバラバラになりがちであり、一気に北方領土問題を持ち出しても、寄切る可能性がある、と解説していました。
(個人的には衆議院選挙で、「消費増税やっぱりやめた」も議論してほしい)
この辺の政策と政局の解説はこの人しかできないなあ、と感心しました。
したがって、特区関係や北方領土問題で不利になる人が、朝日&毎日辺りの左派マスコミと組んで、スキャンダラスなことを流す可能性も十分あるでしょうね、ネタがあれば(個人的には、安倍政権のどうでもいいスキャンダルよりも政策そのもので成熟な議論を期待しています)。
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