これでもかっ、と言える本件の雑感。今回で最後にします。
そもそも資産所得をどれぐらいの時間軸で倍増にするのでしょうか?
米株、S&P500の年平均上昇率は7%~8%前後です。したがって2倍になるには約9年~10年かかります。
日経平均やTOPIXは過去の実績では語れません。
また、日米にはインフレ格差が約2%程度あります(米国>日本で米国の方が高い)。
つまり、米国で7%~8%程度の株価上昇率なら、日本は5%~6%が関の山です。
日本で2倍になるには15年前後の時間を要します。
資産所得倍増の原資を高齢者の預貯金と考えているようです。
65歳ぐらいの(一定程度の資産を持つ高齢者)方に資産倍増にする意味があるでしょうか?
(若い人は少額をコツコツ積み立てていくので国全体の資産倍増への寄与は小さい)
そして何より、この株価5%~6%の年平均リターンを実現するためには、金融市場をもっとアメリカ寄り、つまり「市場に任せる」(例:敵対的買収提案にもっと寛容になるとか、政府が批判する自社株買いを容認する、または会社法を代えて債務超過になっても自社株買いを認めるとか、拒否権株も認めるとか、単位株制度を廃止するとか他にも盛沢山)必要性があります。
一方、「新しい資本主義」は『市場に任せすぎたから格差が広がった』と言ってましたよね?
矛盾していますね。
そして何より、仮に資産所得を倍増出来たら、『格差』はさらに広がります。
例
資産100万円の人は200万円に倍増
資産100億円の人は200億円に倍増
Before Afterで資産格差がさらに100億円広がってしまいました。
我々サラリーマン投資家は、都合良くNISAやiDECOの拡充を利用しましょう。それでいいと思う。