2016年2月27日土曜日

配当貴族銘柄 PENTAIR Plc (PNR:ペンティア)39年連続増配 #32 S&P Dividend Aristocrats

Pentair Plcは、PlcPublic Listed Company】の名のとおり、本社は英国マンチェスターなるも、アイルランド国籍の企業。いま話題の税金対策のために本社国籍をアイルランドに置いています。



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メインオフィスは米国ミネアポリスで、創業も米国、売上高の過半数も米国で、米国の会社といってよいと思います。

2012年にコングロマリットのタイコ・インターナショナル(TYC)と事業統合をし、現在は同社の上場子会社となっているようです。その際、本社をスイスに移転し、さらにアイルランドに移転しています。

今、本社移転を法人税軽減を目的として、アメリカ国外に行うのはダメだったように思いますが、当時はまだよかったのでしょうか。

事業内容は、水や流体周りの管理(ろ過技術とか)や製品の製造・サービスを行っており、バルブ・アクチュエーターや温度管理・制御機器やそういったサービス全般を請け負っています。


まずは財務から。
財務から、と言っておきながら、当社もM&Aを繰り返して成長していますので、連続性に欠けますが。。。

まず、上記期間中に大きいのはTyco InternationalTYC)との事業統合が2012年にあった点でしょう。

TYCの保有する流体コントロール事業をPNR(ペンティア)に吸収合併させ、TYCPNR52.5%株主となったようです。したがって、PNR自体は巨大コングロマリットであるTYCのグループ企業になりましたが、PNRの売上高は一気に2倍近くになりました。

さらに、事業そのものが水・流体関連のコントロールを行う製品や機器・サービスで統一されているので、品揃え・サービスなどが拡張し、競争力が増したようです。

さらに2015年にENRICOという企業を買収しています。そして、本社を米国、スイス、アイルランドと法人税率が低くなる地域に移転しています。
一応、それらを考慮したAdjusted EPS

2014 $4.23,
2015  $ 3.94
となっています。

御多分に漏れず、当社も為替の逆風を受けている点と、売上高の約2割が石油・天然ガス関連事業であることもあり、2014年、2015年はスローな業績推移を余儀なくされているようです。

また、買収を借入金で補ったためか、レバレッジがやや大きい(Net debt/ EBITDA倍率が4.6倍。買収した会社のEBITDAが幾分加算される見込みなので、2016年は低下すると思いますけど)。

最終的な顧客が製造業、石油天然ガス、水処理関連事業者などなので、ややシクリカルな側面が否めません。

株価は会計上と、管理上のEPSの差がやや大きいので、なかなか評価がむつかしいのですが、Adjusted EPSをベースとした場合はやや割安かもしれません。

2016年の業績見通しもChallengingと経営陣は言っており、上記M&Aを合わせても、2014年並みのOutlookを述べています。

ただし、中長期的に当社の水回り関連ビジネスに特化したM&Aを梃とした経営戦略は正しい方向性を向いており、そういった環境ソリューションも時代には合っていると思います。
そういった観点で、株価が落ち込んでいる現在、環境ソリューション銘柄としてピックアップするのなら面白いかもしれません。

MorningStar社もNarrowながらMoatを付与している点を考えても、連続増配株としては堅そうな銘柄だと思います。

ちなみに2016年はすでにDPS$1.34+4.7%)の増配を発表しており、40年連続増配となる見込みです。
以上

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