2016年5月13日金曜日

日産自動車の三菱自動車への出資の雑感

一連の「不適切な燃費発表」???とでもいうべき、三菱自動車の件に関し、日産自動車は三菱自動車の第三者割当に応じ、約34%を出資し、筆頭株主となる可能性を発表しました。
2400億円とか。


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日産と三菱自工はかねてより、軽自動車のOEM提携など業務提携があったので、日産の三菱自工への理解力が高かった、ということだろうか。

もちろん、これは決定事項ではなく、いわゆる基本合意で法的拘束力がない段階の発表なので、デューデリを経て、「やっぱりやめた」とか、ホンハイ/シャープのように、1000億円減額、とかもあり得る。

しかし、今回の一連の「不適切性」???の全貌は、今まだ三菱自工において精査中ということである。つまり、三菱の「簿外債務」がわからないままで出資の可能性を発表してしまうことへの懸念というか、リスクというものをゴーンさんはどう考えたのかよくわからなかった。

個人的には、三菱自動車には、会社更生法でいったん破綻してもらって、それと同時に日産自動車が事業スポンサーとなって支援する、これをセットで行う、いわゆる「プレパッケージ型」事業再生の形をとることが、日産の株主にとってベストの選択だったと思う。

この「プレパッケージ型」事業再生で最近、もっともうまくいった事例はJALですね。現在進行形だと、スカイマークエアラインズなどがある。

いったん会社更生してもらうことのスポンサー側のメリットは、裁判手続きの中で債務額が確定する(かなりディスカウントできる)。

デメリットは、三菱側が破たんの白旗を挙げるまでに時間がかかれば、三菱自動車の事業価値が下がってしまって、従来のポテンシャルを引き出すことが難しくなる点だとおもう(優秀な従業員が転職するとか系列部品メーカーも連鎖倒産するとか)。

しかし、「全車種で燃費を誤魔化していた」(可能性がある)などということが明るみに出たら、さすがに銀行、商社、重工の3大「親会社」も支援をあきらめたのではなかったか?

(重工も造船や飛行機の欠陥・事故など相次ぐトラブルで人のことが言えない。商事は資源の減損で初めての最終赤字とか、三菱グループは台所事情が火の車)

日産は単独では最大の被害者の立場なので、もっと強気に出てもよかったのになあ。三菱自動車の関係者の方は罪がないのに、気の毒な反面、しかし、東芝やシャープでもやっぱり競争力のない事業で労働していると、最後は・・・、ということになるということを学ぶしかありませんね。

したがって、競争力のない事業を抱え込んでいる会社というのは、遅かれ早かれ、いや、まだ競争力の残っているうちに、再編などを考えたほうがいいような気がしますね。ジャック・ウエルチさんも、80年代のジェネラル・エレクトリックのリストラの際「中性子爆弾」(工場だけ潰して、ヒトを殺さなかったから)と批判されましたが、90年代は一転して、名経営者の名をほしいままにしていましたね。

売却先も、売却先で一花咲かせることが出来そうな相手を選んでいたそうです。M&Aの売却も恋愛・結婚と同じで、声がかかっているうちが花ですね。三菱自動車には以外にも花が残っていたのか、日産がダボハゼなのか、5年ほど先に答えが出そうですね。


三菱自工の関係者側にはゴーンさんが神様に見えるかもしれませんね。ホンハイの会長はそのように(マスコミから見た場合)見えなかったのに、不思議ですね。

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