コルゲート・パルモーリブ(CL)は、米国株を少しでも知っている人は、誰でも知っている鉄板銘柄だと思います。P&Gのライバルの一社です。
歯磨き、洗剤、ペットフードなどのメーカーで、グローバル企業です。連続増配年数も50年を超えました。早速財務からみていきましょう。
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Economic Moatは当然ながらWide判定。特に歯磨きの世界シェア45%でブラジル、インド、中国で強みがある、と来れば、羨望のまなざしですね。
ただし、マクドナルド並みの米国外売上比率【75%】なので、近年はドル高に泣かされているようです。
ブラジルやインドなどで数量の2ケタ成長を成し遂げても、ドル高であっさり「帳消し」になるようで、上記ドル建て業績だと、まったく成長しない(ように見える)AT&Tの様な企業と同じような推移になってしまいます。
さて、連続増配株にありがちな、業績横ばいでも一株当たり利益(EPS)の成長を達成するために、自社株買いを行います。PER20倍超で自社株買いも何も必要ない、となんとなく思うのですが、余計なキャッシュはすべて株主還元すべき、という米国チックな発想の下、ガンガン自社株買いを行った結果、株主資本の部(Share Holder’ Equity)が赤転しています。
パッと見た感じでは「債務超過」なのですが、これは会社が儲からなくて、株主資本を食い尽くしたというものではなく、株主に利益と出資金の還元をした結果なので、あまり気に留めないように、個人的にしています(日本だと、会社法で「株主資本充実の原則」があり、「配当可能利益」という剰余金規定があるので、このようにはできないはず)。
こういった場合、株主資本の分を見るのではなく、CFを見るべきです。CLの場合、FCF Yield(フリーキャッシュフロー÷売上高 FCF=営業C- 更新投資・新規設備などいわゆる設備投資;Capex(Capital Expenditure)が10%を超えるCash Cow事業なので、債務超過なんて現時点で気にする必要性はないと思います。
何度も申しますが、会社が破たんするか否かは、明日支払うべきCashが枯渇するからであって、過去の内部留保がなくなったからではありません。
逆に、処分できる資産があったとしても、帳簿通りの価値で売れるのか否かははなはだ怪しいです。
ウォーレン・バフェットはかつて、バークシャー・ハザウエイの繊維ビジネスを撤退したときに、機械を売却しましたが、二束三文でしか売れなかった、と言っているのは有名なはずです。
話がそれましたが、営業利益率20%超を誇っていること、新興国でのプレゼンスの強さなど鉄板銘柄と言っていいと思います。
逆に競争の強すぎる?日本に注力していないはずなので、「資本効率がいい」???とも言えますね。
一方、P&Gは競争の激しい日本で勝ってこそ、世界で勝てる、という信念を持っています(歴代の大物CEO経験者は日本法人で社長や担当役員を経験しており、花王・ライオンの強さを身に染みている)
日本に対する考え方については、どちらの考え方も腹落ちします(笑)。
応援お願いします。
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