2016年5月22日日曜日

沢井製薬 増配 中期的な私見


ジェネリック医薬品の沢井製薬が決算発表を行っています。
一株配当金については、年間110円→120円 +9% の増配となっています。


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業績は順調です。

株価は、7000~8000円内でレンジバウンドしています。

株価指数
  • 株価 7710
  • PER 15.3
  • 配当利回り 1.68
  • 時価総額 2,942億円


今後予想 (ジェネリック医薬品への私見を含む)

沢井ではジェネリック薬の数量ベース80%達成の政府指示に対し、これをこなすための設備投資がまだ足りていません。

(現状の沢井のシェアを維持するためには、現在の製品の自然増に対応する設備+ジェネリック薬の数量割合の増加分;現状60%ちょっとかな?それが80%に引きあがる分への対応に対する設備投資)

売上高・利益予想よりもCFをアナリストは心配しているようですが、現状、何とかなると思います。

(沢井の強み)
現在の沢井の戦略は、いったん上市した製品の安定供給を保障することと、技術的に他社がジェネリックを開発しにくい製品を狙い、承認後のジェネリック薬内での高いシェアを出すことのようです。

安定供給とは、いったん発売した製品を「儲からないからやめた」等会社の都合だけでやめてしまうようなことはしない、という感じです。

医療側は、同じ薬を同じ患者にずっと投与し続けることを想定していますので、患者さんに「この薬は製造中止になりました」なんて言いづらいのです。供給責任ですね。

また、薬の添加物などの配合具合で効き目が変わったりするので、製造技術がある程度いる薬は他社ではなかなか作れなかったりします(注:GE業界って、沢井等売上高1,000億円超の企業って3社ぐらいしかない、中小企業構造)。

したがって、先発薬で結構大きい市場があっても参入できないものもあるようです。そういったところで、GEを出せると、結構いいインパクトで利益が稼げるようです。

(沢井の中長期戦略)
経営陣は、ジェネリック医薬品の数量ベース80%後の成長戦略を模索し始めています。

80%後は、市場は成熟化に向かうことが予想されます。そうなると単価下落で国内だけで、売上高・利益の安定成長を成し遂げるのが、厳しくなりそうです。

株価はこの辺を織り込み始め、PERが切り下がっています(業績はそれに反して伸びているので、株価が横ばいって感じ)。

つまり成長率が落ちる、と市場は見ています

バイオシミラーに関しては、沢井の現状の見立てでは、投資効率が良くない(巨額の研究開発費や設備投資費が必要にもかかわらず、すぐに普及できる環境にない。これに関しては、私の過去の記事をご参照)ため、様子見状態の立ち位置をとっています。


その一つの答えがアメリカ進出のようです。東南アジアでGEを展開するにも、価格面やスピードでインド勢などに勝てないようです。

アメリカでもGEはオバマケアなどでますます利用拡大の可能性が広がっていますが、競争は世界一厳しいので、どうなるのか、見ものです。

国内では、ジェネリック薬の単価を抑制する動きが益々活発になっており、生産効率の改善にさらに取り組むこととなりそうです。従来は営業利益率20%前後だったのですが、今後は17%前後での推移を余儀なくされそうです。

それでも、コスト管理能力は製薬会社でも沢井はピカ一ではないでしょうか?

投資は引き続きホールドで、株式分割があって、かつ割安(今の株価でいえば6,000~6,500円)なら、もう少し買ってみようかな、と思っています。

日医工と並んで、日本のジェネリック医薬品業界のトップ銘柄として引き続き見ていきたいと思います。

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