2017年8月16日水曜日

映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」の雑感



映画の感想文になります。

マクドナルドの「育ての親」、レイ・クロックの物語。

バッドマン(古いなあ)のマイケル・キートンが主演するとあって、結構期待した。ただし、上映映画館は角川の映画館のみという寂しさ。夏休みを利用して、妻と有楽町のビッグカメラの上にあるシアターで観覧。


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投資関係の本(確か「富者の集中投資、敗者の分散投資」フレデリック コブリック)でレイ・クロックの話しが少し出ていて、彼がいかに革新的な方法でマクドナルドをフランチャイズ化していくかを評価していたのを知っていました。

マクドナルド兄弟が創業したのも知っていましたが、創業家とレイ・クロックの関係は、今風に言えばFacebookのマイク・ザッカーバーグとシェリル・サンドバーグのようなものかな、なんて思っていました。この映画を見るまでは。

しかし、この映画を見ると、今のアメリカの創業者と経営者の共存共栄のきっかけの一つになっているかもしれないなあ、なんて思っちゃいました。

マクドナルドの成長の物語なのですが(といても大半が多店舗化に関するもの)、マクドナルド兄弟はハンバーガーをまるでフォードの大量生産方式でかつ緻密なトヨタ生産方式(1950年代当時はそんなコンセプトはなかったはず)のように作るというビジネスモデルを確立し、クロックがそれをフランチャイズ化するという話です。

マクドナルド兄弟は1店舗の成功で満足してしまいますが、アメリカンドリームの実現を夢見るレイ・クロックはそれをビジネス化していきます。その中で軋轢が生じ、最後はクロックが勝利するという感じです。

冷徹なビジネスの成功物語で、一般的な映画にありがちなセンチメンタルでお涙頂戴的なストーリーはありません(だから劇場が限定的なのかもしれない)。クロックが自らをThe Founderと名乗るあたり、資本主義を見せつけられた感じがします。

クロックはマクドナルドを1961年に270万ドルで兄弟から買収してしまいます。これが高かったか、安かったのか。仮に売却代金でマクドナルド株を買ったらどうなったのか?

Yahoo! Finance!のMCDのチャートで最大限さかのぼれるのは1970年1月で株価は(株式分割を考慮して)0.33ドルとなっています。今や155ドル前後で推移しています(IPOは1965年)。
(チャートは対数目盛になっています)

1970年1月を起点としても約470倍のスーパーリターンです。したがって、270万ドルの470倍、12億7千万ドルに達しています(MCDの時価総額1285億ドルの約10%に相当)。

映画がどこまで真実かわかりませんが、現実的なことを考えると、マクドナルド兄弟はレイ・クロックに事業を売却して正解だったと思います。

クロックさん、マクドナルドに出会うまで、様々なセールスマンをやっていた(自宅を見るとある程度成功していたセールスマンに見えるが、映画ではあんまりイケていないセールスマンぶり)が、常に成功の野心に燃えていて、マクドナルドのワンチャンスを見事に射止めたあたりは、すごいなあ、と思いました。

マクドナルド株を長期保有したい、または既に長期保有している方なら一見の価値は十分にあると思います。

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