2017年8月23日水曜日

東芝 銀行の資産自己査定 金融庁検査マニュアルや東証上場ルールの功罪



東芝の半導体事業売却を見ていると、もう、おかしい、というか、???です。

東芝が東芝メモリーを売却しなければならない理由は、

2期連続債務超過だと上場廃止 これを避けるため
銀行自己査定で厳しい立場に立たされる

この2点です。


スポンサーリンク


しかし、東芝メモリーは2兆円の価値でいわゆる「日米韓連合」が優先交渉権を得ている、すなわち価値があるということです。

一方、限定意見付きの東芝の2017年3期末の株主資本は▲5043億円です。差し引きすればゆうに資産超過になると言えそうです。

もちろん、売却が実現しないと資産超過にならない、という向きもありますが、不動産などは不動産鑑定評価書の鑑定などで評価しているJ-REITなどもありますので、正当に客観的な第三者の値段が入っていれば、それを代用してもよさそうな気がします(そのほうが鑑定書より値打ちがある)。

銀行のような大組織になると、「そうはいっても、正式な書類で債務超過と言われるとなあ」ということで硬直的な対応しかできないのでしょう。

三菱UFJ信託だったか、債務者区分は既に「要管理」にしたという報道がありました(要う管理だと貸出債権の約15%を貸倒引当金に計上するので、仮に1000億円の無担保の融資残高があれば、150億円が利益から吹っ飛ぶので銀行経営に影響を及ぼす。100億なら15億なので地銀はひとたまりもない)。このような状況で追加融資は不可能ですよね。

こうした管理は銀行毎に異なると思いますが、債務超過となると、いわゆる金融庁検査などにおいて、あれこれ説明するのに難儀すると思われます。高給取りの銀行員が束になって疎明資料を作るのですからコストもかかります。

ウソをついていた、いや不適切な会計処理をした、東芝が悪い、と言えばそれまでですが、日本では株主様より大事な「ステークホルダー」殿(銀行、取引先、従業員、地域社会など)の運命を左右する事態で、特に従業員とその家族や地域社会などへは気の毒な気がいたします。

日本独特のコングロマリットでもあるのですが、知人などは「まったく原子力と関係ないウチの事業で働いていて、しっかり黒字も出しているのに、ボーナスが2割も全員一律でカッとされたんじゃ、モチベーション上がらない」とはっきり言っていました。
(いまさら転職もできなさそうだとも)

翻って、投資チャンスか否か、で東芝を見た場合、増配志向の投資基準からは完全に外れます。短中期的な株価の戻りに期待する向きなら、面白そうですが、適正株価を弾くのに難儀しそうですね。

投資判断は、個人でお願いしますね。
応援お願いします。
にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ
スポンサーリンク








0 件のコメント:

コメントを投稿