2017年9月26日火曜日

アッビイ(ABBV)に関する今後の投資戦略



このような問い合わせがありました。

以下抜粋
このブログでABBVを知って、配当3%弱になりましたが、株価は40%+超えました。ありがとうございます。今後の見解・指針をお伝えいただけないでしょうか。どうするかは私の自己責任です。
抜粋終わり

良かったですね。私もこの銘柄の株価、配当ともに予想以上のアップを得られたのでこの銘柄に関してはホクホクです。


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私のブログでアッビイを知った、ということですので、貴殿の投資方針は基本長期投資、Buy & Hold をお考えではないか、と拝察いたします。

少なくとも、私はアッビイに関しては原則Buy & Holdの予定です(1か月ほど前、NISAで保有している小口分は売却しました。一般口座分はそのままです)。

アッビイはアボット・ラボラトリーズという現在は医療機器をメインとする企業からスピンアウトしてできた医薬品企業です。

現在、「ヒュミラ」という自己免疫疾患薬(リウマチ、乾癬、クローン病など)が全世界で1兆円を超えるスーパー・ブロックバスターとして売れており、売上高の約60%、粗利益だと80%近くをたたき出していて(と推測)、一本足打法が心配されています。

なぜそんなに売れるのかと言えば、クスリの効能がいいのに加え、これらの病気はいったん診断されると、そう簡単に治癒できず、かなり長期にわたって投与され続ける傾向が強く、患者さんには申し訳ないですが、ビジネスとみてみた場合、一種の「ストックビジネス」であるともいえます。

ご存じのとおり、(正確な時期を覚えていませんが)医薬品の特許期限がEUでは徐々に到来しており、米国でもあと1年から2年で始まるはずです(特許期限は適用症状に応じて、違う)。

ここで問題がややこしいのですが、まずは、特許が切れるとバイオシミラー(ジェネリックのバイオ薬版)に市場を食い散らかされてしまう、という懸念が一般的にあります。

そうなると、アッビイの一本足打法が崩れ、しいては業績がボロボロになる、というのがワーストシナリオです。これまでは、投資家はこの懸念が強く、アッビイを強く買っていませんでした。アボットがアッビイを分社したのもこのためです(ただし、分社後、なぜかアッビイの株価パフォーマンスが良かった)。

あとは当初(2010年~12年ごろ)は、景気が良くなかったので、医者が処方しても患者が高価な「ヒュミラ」を買わない、買えないということがあり、市場想定以下の売上高にとどまっていたことも株価が割安だった原因でした。

しかし、景気回復や適用症状の拡大、あるいは全世界への浸透が広まるにつれ、売上高は毎年15%前後の増加を示すなど、懸念を払しょくしだし始めました。

さらに、ファーマサイクリックスを思い切って買収する(2兆円ぐらい出したと思う)など、「ヒュミラ」に次ぐ有望薬を手に入れました。当社は難治性血液がんで有効な「インブルビカ」を次のブロックバスターとして育成しています。これも適用拡大などで5000億円内外の売上高がイケるとも言われています。

さらに、肝臓系の疾患でも新薬があります(この分野は競争が激しいですが)。

また、最近、「ヒュミラ」の米国内でのバイオシミラー販売に関し、特許侵害という訴訟を起こし、どうやら有利に戦っているようです。また、「ヒュミラ」の後継可能な同じ自己免疫疾患薬の開発がうまく進んでいるようです。

つまり、アボット・ラボラトリーズ時代に割安要因だった事項が、アッビイに分社した後、少しずつクリアできて、会社側もあの手この手で新薬をゲットし、ヒュミラ後もそれなりに安定した業績が見込めそうだ、ということを投資家が見直したのが今の状況と言えるでしょう。

(世界的なバイオ薬ブーム、中央銀行の低金利政策による高配当利回り株選好なども要因としてはあり得る)

個人的には業績の成長率は鈍化、配当の増配率も鈍化を予想しますが、元々はアボット・ラボラトリーズという米国屈指の配当貴族銘柄ですので、増配率が鈍化しても株主還元を怠るという心配はしていません。

またアボットは歴史的にM&Aで大きくなって、スピンオフで分社を繰り返す会社なので、さらなるM&Aもあり得るかな、という感じです。実際、3年ほど前はファイザーに身売りしていたという話もありました。

ダイナミックな経営をするアメリカらしい会社の一つです。株主目線はしっかりしています。

一つ心配事があるとすれば、最近糖尿病治療などでは、保険会社が価格引き下げを強く要望して、単価が大幅に下落した、ということがありました。自己免疫疾患で慢性のものにも、「高すぎる」批判が波及する可能性はないともいえないかなあ、と個人的に思っています。

投資判断は、個人でお願いしますね。内容はかなりざっくりとしたものですので、あしからず。
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