恒例の楽天証券セミナーレポートです。年々講演者が豪華になっていきます。
レギュラーメンバー
竹中平蔵氏
堀古英司氏
窪田真之氏
ゲストメンバーまたは初登場
伊藤元重氏(経済学者。経済財政諮問委員会)
中野晴啓氏(セゾン投信の社長)
五木寛之氏(有名な作家)
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思いっきり円安になったからでしょうか? JPモルガンの佐々木氏は今回は選外の様でした。
いつもは「聞かなくてもいい人」が何人かいて、その時間は横浜のみなとみらいの街並みをぶらっとしたりするのですが、今回は「皆勤賞」でした(笑)。
昨日の記事で2016年の1月段階で「トランプ氏はいいやつで、優秀なビジネスマン」と言っていた堀古氏がなんというかに注目」なんて書いてしまったので、堀古氏からスタートします。
結論から言いますと、米国経済成長が加速化する、3%~4%の成長路線が復活するだろうと強気の見方。
ただし、経済政策立案者の立場からみれば、初年度はチョロッとで3年目4年目でグッと成長させて、2期目の大統領の座を目指す、とするはずなので、2017年の株価はそれほど上昇しない可能性もある、といっても+10%程度はイケる。
本調子になれば、+20%はイケる。
本格的な上昇相場の入り口段階である(彼のイメージでは80年からITバブル崩壊までの長期上昇相場の再来とのこと)。
いやあ、強気ですねえ。
強気の根拠
減税、財政出動(インフラ投資)になる。
これは今や「通説」となっていますが、財政出動に対するリスク反論があります。
これは今や「通説」となっていますが、財政出動に対するリスク反論があります。
- 金利上昇は株式に逆風ではないか
- 財政出動で財政赤字になる、金利上昇でドル高になって貿易赤字になる
1.に関していえば、金利の上昇によるマイナス影響よりも減税による投資リターンの改善のほうがインパクトが大きいので、株価は当面は金利上昇を超えるはずだ、というもの。
減税(法人税率と所得税率)により、企業利益が投資家の手に入る間に入っていた税金がなくなるので、企業の利益率が上がる。つまり、投資リターンの改善・資本コストが低下する、というロジック。
資本コストの低下は株価のアップ要因であると。
私の解釈では、リスクフリーレート(国債長期金利)が上昇して、ベータ値が下がって、資本コストトータルが下がるということだと理解。ベータ値が下がるということはボラティリティが低下する、ということだ。
私見では、そこまでボラティリティが下がるとは思えないんですけど、どうなんでしょうか?
また、法人税率が下がったとしても、グローバル化した米大企業の実効税率はすでに20%前後になっています(いつも決算ガイダンスで、JNJ、Abbvie、CSCOなどが言及)。そんなにインパクトがあるのかな?
個人の所得税は思いっきりインパクトがあります。
2.に関しては、レーガン時代、減税により税収が倍に増えたというデータがある。財政赤字が増えたのは、税収が増えた以上に国防費を増やしたから(レーガン大統領はソ連を「悪魔の帝国」呼ばわりしていましたね。そして、ソ連のICBMを大気圏外で撃ち落とす「スターウオーズ計画」や太平洋戦争で活躍した戦艦ミズリーなどを復活させていましたね)。
今回はそんなことはないないだろう。
貿易赤字に関しては、その2/3は中国である。中国の元レートは明らかに実勢と比較して安い。そこを解決すればいい。
減税すれば、米国に産業が戻ってくるので、輸入に依存する割合が減る。
という解釈。したがって、レーガン時代に減税して、財政赤字と貿易赤字という、双子の赤字には陥らない学習能力がある、というもの。
私見では、ロシアと仲がいいトランプさんだが、中国の海洋進出に対抗するのに軍事費を使うのだろうか?という疑問。
インフレ投資は日本だと「バラマキ」で経済成長に寄与しないが、アメリカは「投資」としてリターンの黒字化を管理するし、民間資金も活用することを視野に入れているので、日本のようなことにはならない、と。
株式市場に対しては、PERの上昇は想定しないが、減税等による利益の成長により株価の上昇を見込む業績相場を示唆していました。
確かに彼は2013年には、これまではリーマンショックからの反動で、2014年からは新たなアメリカ経済成長の再スタートだ、と言っていましたので、当時と見方は一貫しています。
ドル円に関しては、数年単位のレベルで150円を目指す、と以前ロイターで言っていた(2013/5)ことを復活させました。
(ただし、円安に図に乗って輸出攻勢をかけると、トランプが怒って、円高に戻るリスクが多少あるとも。しかし、100円に戻ることはない、とキッパリ)。
この円安が日本にもマイルドなインフレを引き起こして、日本経済も恩恵を受けるのだとか。
総じて、納得感はあったものの、公約がすべて実現できるのかわからない。ただし、80年代はPERが一けた台だったが、今のPERはすでにかなり高くなっているので(18倍)、そんなにガンガン株価が伸びるのか、疑問だった。
(もっともPERが高いから株価が上昇しない、という通説は間違っている、とケン・フィッシャーは著書で証明している)
私見ですけど、
レーガン同様に減税して、レーガンが失敗した双子の赤字は回避する、というのはベストシナリオと思われるので、もう少しリスク要因を織り込んでみるのが「ベースシナリオ」だという感じ。
ドル高円安によって、日本にもインフレがやっと動き出すかも、というのは同意見。
その場合、ドル円レートの「フェアバリュー」は100円弱から105円程度に切り下げなければならないなあ。
(もっともPERが高いから株価が上昇しない、という通説は間違っている、とケン・フィッシャーは著書で証明している)
私見ですけど、
レーガン同様に減税して、レーガンが失敗した双子の赤字は回避する、というのはベストシナリオと思われるので、もう少しリスク要因を織り込んでみるのが「ベースシナリオ」だという感じ。
ドル高円安によって、日本にもインフレがやっと動き出すかも、というのは同意見。
その場合、ドル円レートの「フェアバリュー」は100円弱から105円程度に切り下げなければならないなあ。
堀古氏のトランプ氏に関する言及は
トランプとツーショットで撮影した写真を見せていたので、友達をたくさん失った、って言っていましたね。
投資判断は、個人でお願いしますね。
応援お願いします。
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