2018年7月18日水曜日

サッカー本田圭祐選手のベンチャーファンド設立に関して雑感


ちょっとサプライズでした。

日経ビジネスオンラインから拝借
サッカーの本田選手がVBファンド設立、米俳優W・スミス氏と110億円規模
本田圭佑氏「金融の慣習にとらわれないファンドに」
(ともに日経新聞電子版)

確かオーストリアのサッカーチームを買収したというニュースも過去にあった。

サッカーではイングランドのベッカムなどがアメリカのサッカーチームを買収して経営しているし、バスケットのLAレイカーズのマジックジョンソンやシカゴブルズのマイケルジョーダン、最近ではニューヨークヤンキースのデレクジーターのフロリダ・マーリンズ買収など、元選手が出身競技の経営者や所有者になるケースは聞いたことがあります。

しかし、ベンチャーファンドを立ち上げるとは、あまり聞いたことがありません。


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本田選手自身がエンジェル投資家だったとは知りませんでした。

しかし、今回はファンドを運営するそうです。

エンジェル投資家は自己資金を自分の投資判断と自分の責任で、投資を求める企業に出資するものです。

ベンチャーファンドは、(自己資金も一部含めるケースが多いが)他人から委託された資金を代表して投資を求める企業に出資するもので、基本的には投資家に説明責任が求められると思います。

(こういう理由で、こういう企業に、これだけの資金を投資して、うまくいけばこれぐらいのリターンを想定しています、といった感じ。出資者は原則投資判断をジェネラルパートナーと言われる、言い換えればファンドマネージャーに委託するのであって、イチイチ投資内容に口出ししないが、投資成績が芳しくなければ、資金を引いて行くのが業界商慣習)

もちろん、資金の出し手は本田選手の理念に共感する人たちですが、それゆえ、しっかりした説明責任や出資先の発掘責任なども問われることになります。彼が資金集めの看板になるんでしょ。

アメリカのスタートアップに投資する、ということのようですが、いい会社にはいいベンチャーファンドが群がっていますので、競争は厳しそうな感じがします。

ふと、思い出すのが、ビートルズが1968年にアップル(スティーブジョブスやiPhoneのアップルではありません。念のため)というレコード会社を立ち上げた話です。

アップル社は、売り出したいけどチャンスがない若者を発掘して、レコードデビューをさせることで、音楽界の橋渡しをしたい、というビートルズの理念のもと立ち上げられたレコード会社でした。

しかし、実体は、ゴミのような連中がビートルズのカネ目当てにやってきて大赤字で、清算せざるを得なくなったばかりではなく、ビートルズ解散の大きな原因とさえ言われるような事態になってしまいました。

カネがこじれて、親友関係にひびが入ったという悲しい例ですね。

若い人の理念とビジネス、特に金融ビジネスは「折り合い」をつけるのが容易ではない、という気がします。「金融の慣習にとらわれない」という彼のコメントが引っかかりました。

なぜ金融の慣習が生まれているのか」への理解があって、それでも慣習を打破する、というのであれば心強いのですが、長年金融業界(融資業務も投資業務も両方とも)に身を置いているものとして、金融を一歩間違えて寄付や慈善団体と混同しないように、あくまでリターンを出さなければいけないビジネスである、と考えているのか聞いてみたいものです。

どんな人が資金拠出するのかわかりませんが、従来の富裕層なら「金融の慣習」の延長線上のようなことを思っている可能性も高いですね。

結局ファンドですから資金提供者の期待に応えざるを得なくなる。

「そんなことわかっています」というのなら、オッケー牧場(古いっ!)じゃないでしょうか?

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