2018年7月27日金曜日

がんと労働 働き方改革 伊藤忠商事や企業のがん治療支援に関する雑感



伊藤忠、がん治療を賞与に反映 2018年7月26日日経新聞

現在、悪性リンパ腫の寛解経過観察中(4年経過)の私としてはとても気になる記事。

伊藤忠商事では従業員がガンに罹患した場合、治療が目標通り進んだ場合、賞与に反映させるらしい。

目標通り進まなかったとしてもマイナス査定にならないらしい。

また、保険外の高度先進医療を受ける場合、全額補助する、とも記載されている。

個人的な感想として、これはすごい、と思った。


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がんで治療している身になれば、賞与でプラス査定を受けたい、とは思わないだろうが、「しっかり治療してこい」と会社からエールを受けているのと同じなので、励みになるのではないか?

また、高度先進医療を受ける場合の費用の全額補助ってのはスゴイ。もっとも、最近「患者申し出療養制度」が出来て、高度先進医療との線引きって、どうなっているのか(具体的にどういう場合が対象になるのか)か記事だけでは不透明である。

高度先進医療と患者申し出療養制度は、要するに、欧米では承認されている医薬や治療法でも日本では未承認(時間がかかっている)ため、保険治療出来ない場合の治療、と言い換えてもよい。

保険が適用されると、1/3(サラリーマンの場合)の治療費で済むが、高度先進医療だと100%の費用負担を強いられる。

患者申し出療養制度だと、クスリや該当治療は保険外費用負担で、普通の治療部分(例えば麻酔を必要とした場合、麻酔行為)は保険適用になるといった高度先進医療と保険治療の中間的な存在(ざっくりいえば)。

昨今の新薬高騰傾向でこの負担は大きくなっている(肺がん、皮膚がんのオブジーボならちょっと前まで年間1500万ともいわれた。しかし、これをやるとひょっとして助かるかもしれない、という瀬戸際の場合、保険適用前でも治療を受けたいと思うはずだが、費用が高すぎて受けられない、ということもあった)。

これがなぜすごいのか、というと私自身が「がん」と診断を下されたときに、真っ先に思ったのは、「俺って仕事どうなるの?」「家族の扶養責任が果たせるの? 子供が学校に通えるの?」ということでした。

(後で冷静に考えると、死んだ方が残った家族の経済的な安定感が増すんじゃないかとも思ったが。生命保険で当面の生活費はねん出でき、団信で住宅ローンがチャラになって、マンションと株を換金して妻の実家で居候させてもらえば、実際は億リ人なみ)

私の場合、治療は(最低でも)4か月~6か月程度かかることが予想されたので、仮に治療期間中に出勤できないとなれば、有給休暇を使い果たすし、健康保険組合から傷病手当金という制度があるが、これは給与の約2/3を一定期間給付してもらえる、というものであったが、治療費がかさむうえ、6割程度の給付になるのは痛いと思っていた。

幸い、私の勤務先は、「病気休業」ではなく「疾病休暇」という制度があった。つまり、休業だと給与は支給されないが、休暇だと有給になる。(育児「休業」だと給与でないのではないか?)

かつ、見舞金で2週間程度の入院費用の給付もあった(これは多分バックに従業員保険のような保険を会社が掛けているのだと思う)。

患者仲間に聞いても、休業はあっても休暇までないので、治療しながら通勤した、という人もいた。副作用がきつくて、仕事が大変だったけど、それを言うと「来るな」と言われるので、そういうことは会社には誰にも言えなかった、という人もいた。

私の場合は、休暇にするので、治療が終わるまでは自宅療養していろ、という「業務命令」だった。

自宅療養していると、時間がたっぷりあるので、あれこれ考えをめぐらせてしまうので、余計なことを考えないためにも、何らかの仕事を与えた方がかえっていいとは思ったが、会社なりに配慮したのだろう。

伊藤忠ではないが、大和証券で抗がん剤治療をした人にウイッグ(かつら)代を支給するなんて、多分女性に配慮した制度も紹介されていた。

私の治療を受けた病院では、病院内にウイッグ事業者の出店があって、女性の患者さん(もちろん男性でも)に結構人気があると聞いたことがあります。(レディースセンターというのがあって、乳がんや子宮ガンなどの治療を専門に請け負う部署が病院の一角にあって、そのすぐそばにウイッグのショップがあった)

抗がん剤治療で抜ける髪の毛って、半端ないので(3日ぐらいで禿になる)、男性の私でも抜けた髪の毛を見て、寿命も抜けていくのではないか、と思うぐらい、ショックだったし、禿げた後の姿を人に見せるのも嫌だった。

(サザエさんの波平さんではなく、ちびマルコちゃんのおじいさんのような禿になる)

したがって、女性なら尚更嫌だろう。

こういったことに経営が本気で取り組んでくれる、という姿勢が大事だと思う。ただし、これがスゴイって、自分や近い家族がガンに罹患しないとなかなか実感しないだろうな、とも思った。

働き方改革(がんでも労働が継続できる社会を目指す)の良い一面であり、マスコミの揚げ足取りのような批判(裁量労働制)とは一線を画したい。

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