2019年4月14日日曜日

映画「VICE」を観て








公開中の映画「VICE」を観てきました。50歳以上なので、夫婦で2200円で観れます。

アメリカの元副大統領ディック・チェイニーを描いたこの話題作。

アメリカ経済のみならず、アメリカ政治にも興味がある私(大学時代のゼミはアメリカ外交しだった)には興味深かった。


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在任当時(ブッシュ政権時代の副大統領よりもレーガン政権時代の国防長官のイメージが個人的に強いけど)のエピソードがおおむね今日までわかっている事実が描かれています。

ご本人の家族のことも触れられていて、公私のチェイニーという人柄もわかって面白かった。

チェイニーが悪名を残してしまったのは、イラク戦争を主導した張本人という点でしょう(映画でもそれに近い感じ)。

9.11爆破事件の犯人をフセインにこじつけ、イラクを攻撃。

さらにイラク攻撃前から石油関連企業に戦後の「恩賞」を密約しており(その中には誰でも知っている米国石油系大企業の名がずらり)、経済界からの支持を取り付けたなど。

さらに、以前自身がCEOを務めていたハリバートン(これも有名な米石油系)に優先的に商売を与えるなどやりたい放題。

おかげで同社の株価は5倍になったようです(彼はハリバートンの個人筆頭株主だったようです)。

史上まれにみる「利益誘導型政治」の首謀者。
左がご本人。右が俳優のクリスチャン・ベール

一方、対照的に娘想いの「よきパパ」としての一面も描かれており、そこは同じ娘の父としてジーンとくるものもありました(ただし、最後にあまりよくない結末となりますが)。

この映画に出てくる他の特に、ブッシュ政権の閣僚は本人そっくりの出で立ちの人が多く、思わず吹き出しそうになります。
(ライス、ブッシュ、ラムズフェルド、パウエルなどはよく似ている。特にラムズフェルド)
こちらはブッシュ大統領。左がホンモノ
ブッシュ元大統領(息子のほう)なんて、父ブッシュのダメ息子って感じで、彼の能力がなかったからチェイニーが生きた(たぶんその通りなのでしょうが)ってのがよくわかります。

一緒に見た妻は「私はあんな風になれないわあ」(チェイニーの妻を指して)と言っていましたが、夫婦そろって権力欲が強く、それでいて家族思いの人柄がうまく描かれていたと思います。

オリバーストーンの「JFK」よりは、重くなかったと思います。

アメリカではベトナム戦争でも終わって15年ほどたつと「プラトーン」とか「ハンバーガーヒル」(JFKもある意味ベトナム戦争系)などが赤裸々に映画化されたりします。

トランプ大統領なんて突っ込みどころ満載のような気がしますけど、ロシア疑惑とか2030年ぐらいになったら暴露されるんだろうか?

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