2017年6月24日土曜日

保有銘柄のチェック1 International Business Machines IBM



過去に、「配当貴族シリーズ」でDividend Aristcrat 銘柄を順次紹介していったが、自分の保有銘柄について、似たようなアプローチをとることで、自分なりに現時点におけるその銘柄への向き合い方を再確認していこうと考えています。

分析切り口は、株価指数、財務、経営戦略、投資ストーリーの点検などを考えています。自分でもどのようにすればいいのか手探り状態となってしまうので、アレですが、備忘録的な観点になる予定です。

その栄えある?第一回は、最も悩ましいIBMです。


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株価パフォーマンスと株価指数 負け組です

まったくダメです。私は2011年にIBM株を買っていますので、このチャートの前です。それでも150ドル台だったと思いますので、今ドルベースでトントンです。現時点では投資として成功しているとは言えませんね。

株価指標です。指標だけなら割安か?

私はアメリカ株には連続増配を期待していますので、見るポイントに配当関連指標を重視しています。

22年連続増配。もう少しで配当貴族入りです。

過去5年、10年の増配率は申し分ありません。ただし、最近はこの率が低下気味です。

配当利回り3.9%は「高配当利回り」です。私が買ったときは1.5%ぐらいだったのに。

PL/BSです。財務悪化傾向にあるが、まだ余裕がありそう
データはMorningStarですが、IBMはこの間、半導体製造事業やハードウエア事業の一部、あるいは日本の東芝テックが買収したPOS事業などを売却しています。

したがって、名目的な業績推移がいまいちなのは仕方がありません。

しかしながら、それらの影響を取り除いた「継続事業利益」も年率▲8%で下落しているのはいただけません。

利益率も低下しています。利益率の低下は経営陣によると、Watsonやクラウド事業などの投資がかさんでいるから、と言っていますが、アナリストの分析では軒並み、既存事業の採算がかなり悪化しているのではないか、と言われています。

従いまして、IBMの株価を支えているのは、キャッシュフロー+借入金で自社株買いと増配という株主還元になります。

年率▲8%のEPS利益を年率▲4.5%の株数削減(つまり自社株買い)でEPSを支える結果になっています。

キャッシュフロー 一応鉄板なんだけど成長性が
営業CFも減少傾向にあります。

猛烈な自社株買いもあり、増配率の割には配当金支払総額はセーブされています。

配当性向もいまだに40%台(2016年度の配当性向は44%)で、まだ余地がありそうです。

今後の投資ストーリー 事業構造の入れ替えが成功するのか?

今や、

  1. レガシービジネスの下げ止まり プラス strategic imperatives(戦略的必須事項)の堅実な伸び による売上高の下げ止まりが近いうちにあるのか?
  2. Strategic Imperativesが果たして高い利益率を持つビジネスなのか?

という点が確認されない限り、株価は反転しないでしょう。

IBMの強みは、既存の大企業・公官庁など大きく複雑な組織体系になっている顧客の業務プロセスを熟知重視しているので、カスタムメイドなITサービスには向いている点でしょうか?

そんなに複雑ではない組織のITはアマゾンなどのクラウドで十分間に合うので、わざわざIBMに高い金を払う必要性はない、という感じか?

投資方針 しびれを切らし気味です

今、売却するとバフェットの真似、と言われるのは癪に障るし、かといって、これ以上、という思いがある一方、上記①②のプロセスが確認できれば、株価は一瞬で200ドル台を回復するだろう、という期待が入り混じって、クリアに判断できていない状況です。

これ以上業績が悪化しなければ、株価はボトム圏内だと思われます。

増配率は落ちると思いますが、まだしばらく増配余力はありそうです。
投資判断は、個人でお願いしますね。
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2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    私の場合めんどくさがりからか、まあ投資してもいいかと思って買った後はだいたいほっといてるので、保有企業を分析するこういう記事はとても興味があります。今後続く?記事も楽しみにしています。

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    1. 今は、あんまり新規銘柄に投資したくなる相場でもないですので、保有銘柄の見直しに力を入れていくつもりです。

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