2017年7月15日土曜日

保有銘柄の定期点検 その3 AT&T 33年連続増配継続中




第3回目は、配当株投資を考えている人なら、無視できないAT&T(T)です。Tについては過去にもいろいろ書いていますが、懲りずに書いてみます。

参考記事
配当貴族銘柄 AT&T(T) 32年連続増配 #34 S&P Dividend Aristocrats ‘16/3/19

配当貴族銘柄 AT&T(T) 32年連続増配 #34 S&P Dividend Aristocrats その2
‘16/3/20


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直近のイメージでは、米金利上昇、携帯料金競争(通信料の値下げなど)、市場成長の鈍化(誰でも携帯電話ぐらい持っている)の懸念から株価は軟調に推移しているようです。

株価パフォーマンス(5年間)

5年前の2012年7月は約35ドルでした。2017年7月14日の終値は36.3ドルとほぼ横ばいです。S&P500との比較では、いうまでもなくアンダーパフォームしています。

この間、ダウ平均から落とされており、「かつての名門」という感じでしょうか?

株価指数等

33年連続増配の配当貴族銘柄です。ただし、直近10年間の増配率は3.7%、同5年間の増配率は2.2%とアメリカのインフレ率並みか少し上ぐらいです。

5年間の株価上昇がほぼない、となれば、過去5年間は利回り5%の債券のような銘柄と言えます(米国長期国債利回りが2%台だったとすれば、国債よりはいい投資だったといえる)。

成長性が見込まれていないため、PERやEV/EBITDA倍率は他のセクターや銘柄と比較しても割安感を感じますが、通信サービスセクターとしてみた場合は、こんなものかな、という印象です。どうしても株価リターンというより配当が注目されるセクターいなっています。

業績推移

業績はDIRECTVを合併した効果があるので、参考程度になるでしょうか。

まじまじと見ると、結構業績が良くなっているように見えます。普段は決算IR資料とアナリストコメント程度しか読んでいないので(かなりネガティブなコメントが多い)すが、こうやって数字を並べると断然よくなっています。
ちょっと意外でした。

基本的に借入金と新株発行(株式交換)の合わせ技で買収を繰り返しますので、DIRECTV案件でも借り入れ増加&株数増加でしのいでいます。

2012年から2014年までは、T-Mobilを買収しようとして失敗した後、借金で自社株買いをしたような形になっています(株数が5,821→5,221 一方Net Debt・純有利子負債残高は64,976→73,464へと増加)。

しかし、そこにどういうわけかDIRECTV買収を決断したので、株数が5,221→6,189に増加し、Net Debtも73,464→121,030へと急増しました。
EPSは2ドル台前半で落ち着ているので、EPS的には合併効果があったように見えます。

借入金の水準はCFとの比較で評価した場合(Net Debt/EBITDA;1年間のCFの何倍の借入金負担があるか)2.33年となっています。経営陣は確か2年程度にしたい、と言っていました。この程度なら許容範囲内だと個人的には思います。

キャッシュフロー

業績は良くなっているのですが、営業CFはあまり増えませんね。ちょっとよくわからないですが、もう少し様子を見ないと何とも言えません。

資本的支出、投資ですが、これがあまり増えていないのが特徴です。通信サービスもSDN(Software Defined Network:通信をソフトで制御)の時代となり、機器を買うのではなく、ソフトウエアを買えばそれでよいようになってきており、かつてほど投資を必要としなくなるようです。

NTTドコモも今後5Gに向けて投資が発生しますが、従来の3GやLTEのような投資を必要としないようなコメントを出しているようです。ここは要注目ポイントです。

営業CFが微増、横ばい、設備投資が増加となれば、FCFは減少します。FCFが減少している中、増配を繰り返しているので、配当性向はきつくなってしまいます。

経営戦略面

これは非常に評判がよくない。DIRECTVの買収や現在、独禁法などの審議中であるタイム・ワーナーの買収など、シナジー効果を疑問視する声や、買収価格が高すぎる(シナジー効果への疑問と同じ意味ですけど)など散々です。

固定通信のケーブルTV客を衛星通信の客に併せ、旧AT&Tの固定通信部門のコストをカットするそうです。

買収コストとリターンが見合わない、と散々批判されていますが、要するに、増配原資を稼ぐために買収した、と配当投資家の私は割り切りました。

タイム・ワーナーの買収は、同社の持つ優秀なコンテンツ(トランプが毛嫌いしているあのCNNも傘下に)の使用料などの削減効果が出て、AT&TやDIRECTVの契約者向けに流せば、マージンが改善すると言っているようです(要するに仕入れコストが安くなる)。

主力の携帯電話事業は、スプリントとTモバイルが合併すれば、料金競争は少し落ち着くんじゃないか、と個人的には楽観しています。それなりに安定するのかなと。

投資戦略

っで、どうするのか?

現在、ベライゾンとAT&Tの双方を保有していますが、圧倒的にAT&Tの残高のほうが多い。これまでも、債券投資的なリターンだったし、今後もそれでよいと割り切っている。
増配を継続する限り、いいのではないか?経営陣も増配するためにいろいろ買収しているんだろうな、って割り切って考えています。

DRIP口座で投資したAT&Tのこれまでの投資成果

DRIPで投資すれば、債券投資でも、ご覧の結果に。この銘柄への期待はこれでいいのだ。
ファミ通さんのWebから拝借

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2 件のコメント:

  1. DRIPということは、海外の証券会社を利用されているのでしょうか?羨ましいです。

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    1. ご存知かどうかわかりませんが、数年前、ギリシャショックで相場が右往左往していたころに、Firstrade証券で口座を作っています。

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