ポートフォリオの点検シリーズ第2弾、P&Gです。
保有銘柄の定期検査のつもりでやっています。保有銘柄のうち、イマイチパフォーマンスだと自分が思っているものから順番にやっています。
結論から言えば、あまり顔色がよくないようだが、健康で今後に期待、という感じでしょうか?
スポンサーリンク
株価パフォーマンス(5年間)
5年間で60ドルちょっとから87ドルぐらいまで上昇しており、S&P500には大きくビハインドしているはずです。IBMと違って一応上がっている。
これはおそらくPERの切りあがりが要因だと考えられます。
株価指数
61年連続増配の配当貴族銘柄です。
直近10年の年平均増配率は8.2%といいのですが、同5年では5.6%に落ちます。確か昨年は1.5%(1セント)と辛うじて増配を実施しており、増配することに苦労しています。5年でEPSの成長はほとんどありません。
株価指数としては、この生活必需品セクターとしてはまあまあのようです(セクター平均20.5倍)。
配当利回りは依然3%を超えており、株式投資家からみれば、確実に国債よりお得では、と思う水準です。米10年国債の金利は、まだ2.4%に達していません。
Economic MoatはWideがMorningStar社から据え置かれています。
理由はそのブランド力のようです。小売事業者から見れば、P&Gの商品を棚に置かない、という選択はありえず、一定の棚割りが確保できる点、広告宣伝費に経済の規模が発揮できる点などを依然評価しています。
一方、AMAZONのWhole Foods買収などの影響により、実店舗の存在意義が問われ始めているので、実店舗での棚割りに強くとも、ネット通販で後れを取るとGame Changeになるリスクもあります。NIKEなどはさっそくAMAZONとタッグを組みました。
(P&Gも日本では楽天他と提携した販売をしていますね)
業績推移
売上高が毎年▲5.5%の割合で下落していますが、よく見れば、利益は横ばいで推移しています。
したがって、利益率はアップしています。
今、P&Gでは、ブランドの大整理を実施しており(おおむね終わったと言っている)、100以上のブランドを売却または販売中止としました。ブランドを絞って、残った強いブランドをさらに広める、という感じです。
そして、売上高が確保されている強いブランドに経営資源を集約し、余剰な固定費は容赦なくリストラしています。
いわゆる「ビリオンダラーブランド」(1ブランドで売上高10億ドル以上)は21もあり、5億ドル~10億ドルを売り上げるブランドも11あるといわれています(たぶんこの上位約30のブランドで売上高の7割近くを占めるのではないでしょうか?)。
アナリストはおおむね方向性は評価するものの、時間がかかる、という感想です。確かにかかっている。
P&Gは日用品分野に集中する、中でも利益率の高いブランドに集中する、という大義名分で、おおざっぱに以下のブランドを整理縮小しました。
この間大きな買収はありません(記憶ベースですが)。
キャッシュフロー
営業CF、FCFとも少しではありますが、増加しています。
配当性向は、結構きついです。しかし、ブランドを「選択と集中」する当社の戦略は、決して間違っていないように見えます。
(個人的な)今後の投資ストーリー、投資方針
配当について
連続増配がストップする可能性は非常に低いと思います。これ途絶えると、CEOは首が飛ぶでしょう。
経営戦略について
ごらんの業績ですので、アクティビストインベスターがワンワン吠えています。ざっくりとした言い分は、コングロマリットを分解して、小さい会社で出直せという感じです。
これに対して、会社側は、分割案を否定して、上述の通り儲かるブランドに選択と集中を行い、固定費を徹底的に切り詰め(特に中間管理職層)、大企業病からマーケットの動きに機敏に反応できるような組織運営を目指す、としています。
一方、外部環境は
小売店もナショナルブランド品からPB商品にシフトする流れは日本でも同じような感じです。
また、既述の通り、これまでは、小売店―消費者の関係だったので、メーカーは小売店を捕まえればよかったのですが、ネットの発達・アマゾンの影響もあり、この力関係に変化してきました。
さらに、「ダラーシェーブクラブ」(髭剃りの替え刃を格安で定期便で自宅に配送するビジネスモデル。シリコンバレーベンチャーの企業でしたが、ライバルのユニリーバが買収)のような画期的なビジネスモデルの誕生による脅威があります。
そして、特に中国ですが、花王・ユニ・チャームなど日本勢の攻勢を受け、紙おむつなどの売上高が伸び悩んでいます(花王の中国流通網への進出と円安や越境ECなど)。
P&Gは日本市場で、花王・ライオンの強さをいやというほど知っています(P&Gの歴代CEOの多くは日本法人やアジア地域の責任者を経て就任している)。P&Gでは、「日本を制するブランドは世界を制する」と言われているらしいです。
ただし、P&Gの営業利益率は15%~20%、花王のそれは10%~12%なので、花王が「安売りしている」とも捉えられる。
また、インドなど旧大英帝国植民地圏内ではユニリーバに勝てません(そりゃ、そうかもしれない)。
P&G最大の得意先であるWalmart(P&GにはWMT専属の執行役員がいる)もネット通販などに苦戦を強いられています。
結局どうするつもりか
と逆風がいっぱい吹いていますが、P&Gの力を今一度確認してみたいと思います。久々にまじまじとP&Gを点検しましたが、苦戦しながらも、頑張っている状態です。キープ&ホールド、仮にマーケットが暴落すれば買い増しも(優先順位は高くないが、なんとなく債券投資のような感覚で買ってしまう銘柄)、という感じでしょうか?
これはおそらくPERの切りあがりが要因だと考えられます。
株価指数
61年連続増配の配当貴族銘柄です。
直近10年の年平均増配率は8.2%といいのですが、同5年では5.6%に落ちます。確か昨年は1.5%(1セント)と辛うじて増配を実施しており、増配することに苦労しています。5年でEPSの成長はほとんどありません。
株価指数としては、この生活必需品セクターとしてはまあまあのようです(セクター平均20.5倍)。
配当利回りは依然3%を超えており、株式投資家からみれば、確実に国債よりお得では、と思う水準です。米10年国債の金利は、まだ2.4%に達していません。
Economic MoatはWideがMorningStar社から据え置かれています。
理由はそのブランド力のようです。小売事業者から見れば、P&Gの商品を棚に置かない、という選択はありえず、一定の棚割りが確保できる点、広告宣伝費に経済の規模が発揮できる点などを依然評価しています。
一方、AMAZONのWhole Foods買収などの影響により、実店舗の存在意義が問われ始めているので、実店舗での棚割りに強くとも、ネット通販で後れを取るとGame Changeになるリスクもあります。NIKEなどはさっそくAMAZONとタッグを組みました。
(P&Gも日本では楽天他と提携した販売をしていますね)
業績推移
売上高が毎年▲5.5%の割合で下落していますが、よく見れば、利益は横ばいで推移しています。
したがって、利益率はアップしています。
今、P&Gでは、ブランドの大整理を実施しており(おおむね終わったと言っている)、100以上のブランドを売却または販売中止としました。ブランドを絞って、残った強いブランドをさらに広める、という感じです。
そして、売上高が確保されている強いブランドに経営資源を集約し、余剰な固定費は容赦なくリストラしています。
いわゆる「ビリオンダラーブランド」(1ブランドで売上高10億ドル以上)は21もあり、5億ドル~10億ドルを売り上げるブランドも11あるといわれています(たぶんこの上位約30のブランドで売上高の7割近くを占めるのではないでしょうか?)。
アナリストはおおむね方向性は評価するものの、時間がかかる、という感想です。確かにかかっている。
P&Gは日用品分野に集中する、中でも利益率の高いブランドに集中する、という大義名分で、おおざっぱに以下のブランドを整理縮小しました。
- OTC事業(ヴィックスという風邪薬がありました)をイスラエルのジェネリックメーカーであるTEVAに売却
- 日本でも有名な、ポテトチップスブランド「プリングルス」をケロッグ社に売却
- ペットフード事業をマース社に売却
- デュラセルという乾電池ブランドを、あの、バークシャー・ハザウエイに売却
- 高級化粧品・ヘアケア事業をコティに売却
この間大きな買収はありません(記憶ベースですが)。
キャッシュフロー
営業CF、FCFとも少しではありますが、増加しています。
配当性向は、結構きついです。しかし、ブランドを「選択と集中」する当社の戦略は、決して間違っていないように見えます。
(個人的な)今後の投資ストーリー、投資方針
配当について
連続増配がストップする可能性は非常に低いと思います。これ途絶えると、CEOは首が飛ぶでしょう。
経営戦略について
ごらんの業績ですので、アクティビストインベスターがワンワン吠えています。ざっくりとした言い分は、コングロマリットを分解して、小さい会社で出直せという感じです。
これに対して、会社側は、分割案を否定して、上述の通り儲かるブランドに選択と集中を行い、固定費を徹底的に切り詰め(特に中間管理職層)、大企業病からマーケットの動きに機敏に反応できるような組織運営を目指す、としています。
一方、外部環境は
小売店もナショナルブランド品からPB商品にシフトする流れは日本でも同じような感じです。
また、既述の通り、これまでは、小売店―消費者の関係だったので、メーカーは小売店を捕まえればよかったのですが、ネットの発達・アマゾンの影響もあり、この力関係に変化してきました。
さらに、「ダラーシェーブクラブ」(髭剃りの替え刃を格安で定期便で自宅に配送するビジネスモデル。シリコンバレーベンチャーの企業でしたが、ライバルのユニリーバが買収)のような画期的なビジネスモデルの誕生による脅威があります。
そして、特に中国ですが、花王・ユニ・チャームなど日本勢の攻勢を受け、紙おむつなどの売上高が伸び悩んでいます(花王の中国流通網への進出と円安や越境ECなど)。
P&Gは日本市場で、花王・ライオンの強さをいやというほど知っています(P&Gの歴代CEOの多くは日本法人やアジア地域の責任者を経て就任している)。P&Gでは、「日本を制するブランドは世界を制する」と言われているらしいです。
ただし、P&Gの営業利益率は15%~20%、花王のそれは10%~12%なので、花王が「安売りしている」とも捉えられる。
また、インドなど旧大英帝国植民地圏内ではユニリーバに勝てません(そりゃ、そうかもしれない)。
P&G最大の得意先であるWalmart(P&GにはWMT専属の執行役員がいる)もネット通販などに苦戦を強いられています。
結局どうするつもりか
と逆風がいっぱい吹いていますが、P&Gの力を今一度確認してみたいと思います。久々にまじまじとP&Gを点検しましたが、苦戦しながらも、頑張っている状態です。キープ&ホールド、仮にマーケットが暴落すれば買い増しも(優先順位は高くないが、なんとなく債券投資のような感覚で買ってしまう銘柄)、という感じでしょうか?
投資判断は、個人でお願いしますね。
応援お願いします。
0 件のコメント:
コメントを投稿