今年も残すところ1週間を切りました。株式相場は日米とも大盛況だったということになりますね。世界経済は米国をけん引にエンジン全開、といった感じになってきました。
FRBも12月に今年3回目の利上げに成功しました。政策金利は1.5%(上限めど)となりました。2018年も3回の利上げを予定しているそうです。
また、FRBは別途、保有国債の減少を始めています。
つまり、利上げと国債の流通量増加という金利が上昇するバイアスが強くなっている「はず」です。しかし、長期金利はそれほど上がりません。
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青線がFRBの政策金利、緑線が米10年債の金利、赤線がその金利差(ギャップ)です。
2014年、政策金利が0.25%(ゼロ金利付近)だったころは、10年債は2.5%を上回っていて、金利差(イールドギャップ)も2.4%もありました。
2017年12月、政策金利は1.5%まで上昇しましたが、長期金利は2.485%、つまり3年前と横ばい、で推移し、イールドギャップは2.4%→1.0%弱まで下がりました。
米減税法案が可決して、財政悪化懸念があるのに、長期金利は思ったほど上がりません(少なくともFRBが0.25%引き上げても長期金利は0.1%ぐらいしか上がっていませんね)。
なぜ金利が上がらないのかは、はっきりわかっていません。ただ、ウオール街でも①低インフレ率が継続していること、②2019年ごろからさすがにリセッションに入るのではないか、と考えられていること、③欧州や日本の中央銀行がまだまだ緩和姿勢を崩していないので、金利選好マネーが日欧から舞い込んで米国債を買うので、金利が上がらない、など。
日本と同じで、賃金の上昇率が緩慢なのが物価上昇率を抑制しているなどとも言われています。
さて、アメリカの金利も物価も賃金も上がらない状況で、日本も同じで、ドル円見通しがどうなんだ、というのが日本人の最大の関心ごとだと思いますが、私の頭には円高バイアスしかありません。
国際通貨研究所のグラフです。紺色の曲線がドル円の実勢相場(市場レート)です。これはおおむね過去20年~30年に渡って、企業物価(緑線)と輸出物価(ブルーの線)の間を行ったり来たりしていました。
実勢相場はここ数年緑線を上回り、赤線(消費者物価)の間で推移しています。実勢相場が企業物価の緑線を越えたのは2012年から2013年にかけて、すなわち安倍総理の誕生と日銀総裁が黒田氏に代わったころに一致します。
仮に実勢相場が従来の輸出物価と企業物価の間に収れんされる、と考えるならドル円は96円ラインが「正常」になります。
将来のことはわかりませんが、それでも、消費者物価・企業物価、輸出物価の3つの物価ラインはすべて、超長期レベルでは円高傾向になっています(そりゃ、アメリカの物価上昇率>日本の物価上昇率 だから当たり前)。
円安の継続が正当化されるのは、日本のインフレ率>アメリカのインフレ率 になるときで、日銀があれだけやってもインフレ期待は上がらず、消費税増税という愚策も控えているのが現状です。
将来のことはわかりません。円安になるかもしれません。
しかし、確率論で考えた場合、円高バイアスを期待しておくべきであることは、無難ですし、どちらかといえば無難な連続増配株投資を志向するリスクテイク度合いの発想からも、円高にベットするのが論理的だと思います(アメリカ株をホールドする前提ならば、円安になれば、損することはまずない)。
(参考記事)
どのような円高対策をとるのかは、別問題です。円高になるとわかっていて、同じ投資を継続するのも戦略の一つでしょう(ドルコスト平均法と言ってしまえば、それまでですね)。
意識として、円高を覚悟するかしないか、ということです。
私は「割安な」円に投資する傾向にあります。
2014年、政策金利が0.25%(ゼロ金利付近)だったころは、10年債は2.5%を上回っていて、金利差(イールドギャップ)も2.4%もありました。
2017年12月、政策金利は1.5%まで上昇しましたが、長期金利は2.485%、つまり3年前と横ばい、で推移し、イールドギャップは2.4%→1.0%弱まで下がりました。
米減税法案が可決して、財政悪化懸念があるのに、長期金利は思ったほど上がりません(少なくともFRBが0.25%引き上げても長期金利は0.1%ぐらいしか上がっていませんね)。
なぜ金利が上がらないのかは、はっきりわかっていません。ただ、ウオール街でも①低インフレ率が継続していること、②2019年ごろからさすがにリセッションに入るのではないか、と考えられていること、③欧州や日本の中央銀行がまだまだ緩和姿勢を崩していないので、金利選好マネーが日欧から舞い込んで米国債を買うので、金利が上がらない、など。
日本と同じで、賃金の上昇率が緩慢なのが物価上昇率を抑制しているなどとも言われています。
さて、アメリカの金利も物価も賃金も上がらない状況で、日本も同じで、ドル円見通しがどうなんだ、というのが日本人の最大の関心ごとだと思いますが、私の頭には円高バイアスしかありません。
国際通貨研究所HPより |
実勢相場はここ数年緑線を上回り、赤線(消費者物価)の間で推移しています。実勢相場が企業物価の緑線を越えたのは2012年から2013年にかけて、すなわち安倍総理の誕生と日銀総裁が黒田氏に代わったころに一致します。
仮に実勢相場が従来の輸出物価と企業物価の間に収れんされる、と考えるならドル円は96円ラインが「正常」になります。
将来のことはわかりませんが、それでも、消費者物価・企業物価、輸出物価の3つの物価ラインはすべて、超長期レベルでは円高傾向になっています(そりゃ、アメリカの物価上昇率>日本の物価上昇率 だから当たり前)。
円安の継続が正当化されるのは、日本のインフレ率>アメリカのインフレ率 になるときで、日銀があれだけやってもインフレ期待は上がらず、消費税増税という愚策も控えているのが現状です。
将来のことはわかりません。円安になるかもしれません。
しかし、確率論で考えた場合、円高バイアスを期待しておくべきであることは、無難ですし、どちらかといえば無難な連続増配株投資を志向するリスクテイク度合いの発想からも、円高にベットするのが論理的だと思います(アメリカ株をホールドする前提ならば、円安になれば、損することはまずない)。
(参考記事)
長期投資で受取配当を効率的に増やそう その6 ドル/円レートと米国株投資について
どのような円高対策をとるのかは、別問題です。円高になるとわかっていて、同じ投資を継続するのも戦略の一つでしょう(ドルコスト平均法と言ってしまえば、それまでですね)。
意識として、円高を覚悟するかしないか、ということです。
私は「割安な」円に投資する傾向にあります。
応援お願いします。
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