2017年12月18日月曜日

中国経済の向かう先にあるものは?




先日、中国に関するセミナーを受けて、その内容に関する記事の第二弾。

一部ツイッターでツイートした話と被ってしまいますが、中国経済バブルの先行きがどうなるのかという、古くて新しい?話です。


中国では過去3年間で6.6ギガトン(660億トン)のコンクリートを使用し、アメリカが20世紀の100年間で使用した4.5ギガトン(450億トン)を超えてしまったそうな。

アメリカのこの時代のコンクリートは、ロックフェラーセンターをはじめとするニューヨーク、シカゴの摩天楼、それ以外の大規模高層ビルなどがふと思い浮かびます。

インターステートハイウエイなどもすぐに浮かびます。

中国って上海の一連のビルは思い浮かびますが、あとは下のようなものを思い浮かべている人も多いでしょう。
無人のニュータウン


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それだけではなく、中国の鉄道運営距離数は12万4千キロとのことで、そのうち高速鉄道は2万2千キロらしい(日本の新幹線は総延長距離で約2800キロ)。
毎年、50兆円~60兆円もの額が鉄道工事に費やされているという。

その結果が、こんな感じ。

これは信じられない!高速鉄道を運営する中国鉄路が大幅な赤字―中国メディア
わが高速鉄道の赤字は「深刻」、営業距離は世界最長も黒字は1路線のみ=中国(サーチナ)

もう一つ。高速道路

中国の高速道路の総延長距離数は約17万キロ(日本は1万1千キロ、米国は6万5千キロ)。
その一方で、その収支はロイターによると、約7兆円の赤字!!!

【中国】高速道路の総延長13万キロ、密度最高は上海市 (ロイター)
(収入より元利金の返済額が多いって、腑に落ちませんけど。負債の返済計画に問題があるのか、借金過多かのいずれか)

中国GDPの構成比における固定資本の形成比率がグングン上がっています(ちょっと古いですが)。
ニッセイ基礎経済研究所より
GDPの4割以上を占める金額を上記のようなインフラ投資に使っていて、それがまともにワークしなければ、自転車操業的な感じになっていきます。

さすがに、中国国内も「インフラ過剰」になりつつあり、どうすればいいのか、考え出したのが、「アジアインフラ投資銀行」でしょうかね。

無人のマンション、赤字の高速鉄道、赤字の高速道路などを「中国サラ金」のひも付き融資で周辺のアジア諸国に押し売り?
ロイターより
産経新聞社より



現代版シルクロード(一帯一路)構想

これで中国バブル崩壊を食い止めようということか? 

いずれにせよ、「宴の後」の痛みを先延ばししているだけで、先延ばしすればするほど、傷口が広がりますし、日本を含めた周辺諸国への影響も甚大になりそうで、いつになるのかわかりませんが、怖いですねえ。

アメリカ中心の資本主義とソ連中心の社会主義のイデオロギーでは西側陣営が勝利を収めたのですが、中国はしたたかに、「国民さえ満足させれば共産党体制でもやっていける」ことを学んでしまいました。

中国は2050年(2049年で確か中華人民共和国創設100年なので余計に)に、経済力・軍事力とも世界ナンバーワンになる、という野心があるそうです(こんなもの、目標を決めて達成することなのか?)。

中国の「計画経済」の計画と実行が中国国内だけでおさまっていれば、まだいいのですが、こういった現代版シルクロード構想のように世界各地で影響が及び、中国が経済力・軍事力で本当に世界ナンバーワンになってしまったら、世界はどうなるのでしょうか?

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