シンシナティにあるP&Gの本社 |
プロクター&ギャンブル 株主総会はアクティビストが勝利? 2017/11/16
15日、P&G社はついに、アクティビストインベスター(物言う株主)で、前回の株主総会で自らをボードメンバー(取締役)に任命しろ、と言っていたネルソン・プレッツ氏を取締役に任命したと発表しました。
P&G Appoints Nelson Peltz of Trian Partners to Board of Directors (P&Gのプレスリリース)
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なお、以下のSeeking Alphaのニュースによると、委任状争奪戦の勝者は会社側ということになっているようだ。
Procter & Gamble certifies election, names Peltz to board
P&Gの言い分によると、いずれにせよ接戦であり、そのような考え方の株主も多かったので、取締役になってもらうことでより多くの株主の意見を反映していきたい、という趣旨の回答になっている(オトナじゃない)。
ただし、
Despite the election and proxy fight, the two agree on a number of issues, it says: "For example, we agree that we are NOT predisposed to taking on excessive leverage, or substantially reducing R&D spending, or advocating for a break-up of the Company, or moving the Company out of Cincinnati."
とも語っている。
拙訳では、「過度なレバレッジ(借入)、かなりの額の研究開発費を削減、会社分割の主張、シンシナティからの本社移転などについては、敬虔に進めない、という方向で合意した?」
(訳は微妙ですが、大きな変化をもたらす案件は積極的に取り扱わない、という合意をネルソン氏と取り付けた、と解釈しています)
また、会社側が推薦した取締役11名はそのまま取締役になり、ネルソン氏のほかに製薬会社のノバルティスのCEOであるJimenez氏も取締役になると発表(奇数にするため)。
もぐりこんだとしても、「四面楚歌」状態じゃない?
最終的にどう転ぶのか予断を許しませんが、今のところ、P&Gにもアクティビスト側にもメリットがある決着となっていますね。そこに注目。
P&G側が自らが推薦した11名は全員取締役に就任出来て、メンツが保たれるし、会社分割、研究開発費の大幅削減他を含め、会社の持続的成長を妨げそうな株主還元案を出される心配もなくなり、所詮、12対1でしょ?
一方、ネルソン・プレッツとすれば、たった1%程度の株式保有で(「たった1%といっても、生活必需品ジャイアントのP&Gですから投資額はざっくり見積もっても25兆円の時価総額の1%ですから2500億円!!の投資に見合う「成果」を出さないと引き下がれません。
アクティビストインベスターとして、P&Gの取締役メンバーになった、という「箔」は彼のキャリアでも輝くでしょう。彼にとってみれば、会社分割があってもなくても、業績改善して株価が上がればそれでいいわけですから。
こういった、株主と経営陣の攻防は、アメリカならではだと思っていると、そんなことはすぐになくなるかもしれません。
東芝も、前回指摘した、第三者割当増資の投資家が、「メモリービジネスを売るな」的なことを言っているらしいです。
あれだけ右往左往したメモリー事業の売却に影響があるのか? ウエスタンデジタルとの訴訟は和解できても、独禁法審査に時間かかって、来年3月までの売却は絶望視されているようです。
その3月末を資産超過で乗り切れれば、東芝には売却する理由はなくなります。元々売りたくない東芝はそこまでシナリオを描いて、こういった投資家を引き寄せた???
(東芝経営陣自ら「売りたくない」といえば、日本国中上げて「何をいまさら」という雰囲気になるが、「海外の投資家からの要望」で売却を断念する、ということにすれば、丸く収まる???)
「物言う株主日本の陣」があるや否や?
Procter & Gamble certifies election, names Peltz to board
P&Gの言い分によると、いずれにせよ接戦であり、そのような考え方の株主も多かったので、取締役になってもらうことでより多くの株主の意見を反映していきたい、という趣旨の回答になっている(オトナじゃない)。
ただし、
Despite the election and proxy fight, the two agree on a number of issues, it says: "For example, we agree that we are NOT predisposed to taking on excessive leverage, or substantially reducing R&D spending, or advocating for a break-up of the Company, or moving the Company out of Cincinnati."
とも語っている。
拙訳では、「過度なレバレッジ(借入)、かなりの額の研究開発費を削減、会社分割の主張、シンシナティからの本社移転などについては、敬虔に進めない、という方向で合意した?」
(訳は微妙ですが、大きな変化をもたらす案件は積極的に取り扱わない、という合意をネルソン氏と取り付けた、と解釈しています)
また、会社側が推薦した取締役11名はそのまま取締役になり、ネルソン氏のほかに製薬会社のノバルティスのCEOであるJimenez氏も取締役になると発表(奇数にするため)。
もぐりこんだとしても、「四面楚歌」状態じゃない?
最終的にどう転ぶのか予断を許しませんが、今のところ、P&Gにもアクティビスト側にもメリットがある決着となっていますね。そこに注目。
P&G側が自らが推薦した11名は全員取締役に就任出来て、メンツが保たれるし、会社分割、研究開発費の大幅削減他を含め、会社の持続的成長を妨げそうな株主還元案を出される心配もなくなり、所詮、12対1でしょ?
一方、ネルソン・プレッツとすれば、たった1%程度の株式保有で(「たった1%といっても、生活必需品ジャイアントのP&Gですから投資額はざっくり見積もっても25兆円の時価総額の1%ですから2500億円!!の投資に見合う「成果」を出さないと引き下がれません。
アクティビストインベスターとして、P&Gの取締役メンバーになった、という「箔」は彼のキャリアでも輝くでしょう。彼にとってみれば、会社分割があってもなくても、業績改善して株価が上がればそれでいいわけですから。
こういった、株主と経営陣の攻防は、アメリカならではだと思っていると、そんなことはすぐになくなるかもしれません。
東芝も、前回指摘した、第三者割当増資の投資家が、「メモリービジネスを売るな」的なことを言っているらしいです。
東芝の第三者割当増資に関して雑感 GEと東芝あなたならどっちに投資しますか? (2017/11/21)
その3月末を資産超過で乗り切れれば、東芝には売却する理由はなくなります。元々売りたくない東芝はそこまでシナリオを描いて、こういった投資家を引き寄せた???
(東芝経営陣自ら「売りたくない」といえば、日本国中上げて「何をいまさら」という雰囲気になるが、「海外の投資家からの要望」で売却を断念する、ということにすれば、丸く収まる???)
「物言う株主日本の陣」があるや否や?
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