久々の読書感想文。
及川幸久氏は政治家兼宗教家。といっても政治家としては2019年参議院選挙比例区で落選しているため、宗教家、ということになります。
大川隆法氏の幸福の科学に「出家」されています。政治活動は幸福実現党の外方担当のようです。
ただし、「出家」されるまでは、ウオール街、ロンドンシティーで外資系証券会社に勤務されていた国際金融マンという変わった経歴の方です。
幸福の科学と大川隆法というと、正直ドン引きしてしまいますが、私が及川氏を知ったのは、YouTubeです。国際政治情報を発信する及川幸久THE WISDOM CHANNELを見る機会が増えたからです。彼のYouTubeチャンネルは登録者数45万人を誇る人気政治系You Tube チャンネルです。
そのYouTubeチャンネルの人気の秘訣をこの本にまとめた、そんな感じです。
You Tubeでの語り方、説明法というのは言ってみれば「プレゼン力」のようなものでしょう。したがって、プレゼン力を高めたい人には必見だと思います。
要は、語る技術と語るネタだ、と言っています。
まず、ネタは必ず一次情報を当たれ、と言っています（一次情報とは、分析の基になった原文書や統計を指します）。
一次情報が取れないときは「信頼できる人」から集めろ、と。誰が信頼出来るかは、一次情報をしっかり開示して、具体的な数値や根拠を示す人がいい、と。
そしてネタを集める時は、集める目的を絞って（そのためには何を知りたいのかをはっきりさせる→つまり、何を自分が主張したいのか明確にしてからネタ探しを始めるということ）、短期集中的に集めること、と。
どこから集めるか、については、国際政治に関しては彼の著書に具体的に記載されていますので割愛します。
この作業はルーティーン化することを推奨しています（同じ時間、同じことを、同じ場所などで実施する→習慣化する）。
語る技術については
まず、結論の仮説を持つこと。つまり、知識や話題を絞ることだと。
次に重要なことで、この本で最も印象的だったのは「知的正直さ」を忘れないこと（及川さんの話し方や人柄を端的に表す言葉だと思いました）。
知的正直さとは、わかったふりをしない、知ったかぶりをしない、わからないことはわからないと素直に言う。そして細部にもこだわって、プレゼン後に反省を行い、視聴者の反応や「こうすればよかった」など検討を加える『一人反省会』を実施し、次の動画の品質アップにつなげる、という風に私は理解しました。
実際、及川さんの動画でも「これはまだわかりません」「この情報は一方的な見解でどうなるかわかりません」といった解説がよく出てきます。
良いネタを仕入れ、伝える技術を身に着けたら、イメージングを繰り返し、成功を引き寄せろ、と言っています。ざっくり言えば、スポーツとかでも最近取り入れられるイメージトレーニングに似たようなものでしょう。すでにうまくいった状況を具体的に想像して、自分の意識に埋め込む、という感じです。
プレゼンの構成は、前半部分で最重要項目を出し尽くして、後半は具体例などを織り込んで解説していく、など記されています。
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| Youtube動画での及川氏 いつもこんな感じです |
ざっくり言えば、プレゼン目的を明確にして（伝えたいことを明確化して）、具体的な情報を短期集中で集めて、結論から言う点、知的正直さを忘れない点、うまく伝えている姿をイメージングする、終わった後は反省会をするなどでしょうか。
本のタイトルが「魔術」とあるので、特別な方法があるのか？ と思いがちですが、読んでみればオーソドックスな内容だと思いました。
言い換えれば、基本に忠実に準備することが大事、ということでしょう。
さて、幸福実現党、幸福の科学などと聞くと敬遠してしまいますが、このYouTubeチャンネルは宗教や幸福実現党の宣伝とは一線を画した及川幸久氏個人の発信となっているようです。
私を含めた多くの視聴者・チャンネル登録者は、彼の政治・宗教感というより、動画の情報そのものや及川さん個人の人柄などからくるニュースの信頼性などに惹かれているのだと思います。
もちろん幸福実現党の政策はアメリカ共和党の政策に似ているというか影響を受けたものとなっていて、Japan Firstのようなことを言っています。及川氏ご自身も熱狂的なトランプ元大統領のファンです。つまり保守派と言っていいと思います。
ただ、日ごろTVでコロナ対策やオリンピックの「お茶の間政治ショー」ばかり見ていると、国外で何が起こっているのかわからなくなります。そういったときには及川さんの動画は（判明している範囲内で）事実を正確に伝えてくれるので、重宝しています。
私自身、学生時代は国際政治のゼミ出身ですので、この手の話題には興味があるのです。
尚、及川氏のセカンドチャンネルではUFOの解説をしていて、国際政治情報の及川氏とは全く違った側面も見れます（私はあまり興味がありませんが、、、）。
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