全米第2位のディスカウントストアであるTarget社(TGT)は、同1位のWal-Martの42年連続を凌ぐ配当貴族銘柄です。
全米に1800の店舗を保有しています。1店舗当たり単純平均3000坪の店舗面積のようです。
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(ちなみに2014年に新規開業したイオンのショッピングセンターの平均面積は15,702㎡;約4700坪)
最近は都市部にもう少しコンパクトな、City Targetというフォーマットの店舗が人気のようです。こちらはそれでも2,000坪ほどありますね(近所のスーパーマーケット2~3店舗分ぐらいかな?)。
アメリカでも最近の若い人は郊外より都会に住むようですね。
ただし、その1でも見た通り、成長に陰りが感じられます。WMTも成長鈍化を懸念されています。
それを察してか、MorningStar社ではEconomic Moatを付与していません。
なぜ、売上高がパッとしないのでしょうか? それはやはり、インターネットです。オンラインショッピングにシェアをとられている、というのが見方のようです。なおかつ、TGTのほうがWMTやコストコといったライバルよりもその影響が大きい模様です。
モーニングスター社のレポートから筆者作成 |
こちらは、TGT、WMT、コストコ(COST)の3社の商品ミックスの概要です。
TGTは単価の小さい食品・雑貨の割合が低く、比較的単価が高く、マージンも良好な衣料品や家具類に比重が大きい構成になっています。
WMTよりちょっぴりセレブ?な感じでしょうか。
かつてはこれが利益率の源泉だったのですが、ご存知の通り、アマゾンの勢いが衰えを知りませんので(送料無料にしやすい商品群)、2社よりも、業績で苦戦を予想されています。
もちろん、当社もオンライン売上高向上に努めている、とのことです。あとは小売りで流行りのオムニチャネル(店舗やイベント、ネットやモバイルなどのチャネルを問わず、あらゆる場所で顧客と接点をもとうとする考え方やその戦略のこと)などにも注力し、
既存店売上高 +1%(Target Cityがけん引)
オンライン売上高 +40%
サプライチェーンなどに投資
といった施策で、総売上高+2~3%、EBITDAマージン9.5%~10%、EPS成長+10%を目指す、と言っています(年間30億ドルの自社株買いも)。
もちろん、配当も年+5%~+10%で増加させる、と言っていることを忘れてはなりません。
したがって、Target Cityとオンライン売上、特に後者の成否が今後の業績トレンドを占います。
会員カードであるREDcardの店舗とオンラインの併用で顧客ロイヤリティをつなぎとめる作戦のようです。
(なお、オンライン売上高はTGT全体の3%を占めるにすぎません。WMTの5分の1以下)
本社はミネソタ州らしいのですが、コーポレートカラーが赤なので、ボストンの印象が強いですね(レッドソックス)。
感想
利益度外視?のアマゾンと正面衝突は避けたいところですね。ITや物流投資に必要以上のコストがかからないか心配です。これはWMTにも言えそうですが。
他の銘柄(P&Gとか)にも言えますが、売上高が+2~3%でEPSを+10%にする財務戦略が長く続くとも思えない(効率化が中心施策)ので、成長ドライバーがほしいですね。
応援お願いします。
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