2017年4月11日火曜日

スピンオフ税制と東芝メモリ(東芝半導体事業)

決算発表はどうなる?

スピンオフ税制の内容については、以前の記事でも書いた。

山田ビジネスコンサルティによると、2017101日以降の組織再編で活用が見込まれるようだ。

前回の記事からなんとなく思っていたのだが、東芝の半導体事業の分社化は、このスピンオフ税制の第一号案件が「あるべき姿」ではないかと思っていたが、そうはならない。第三者に売却することが言われている。

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東芝の原子力事業で大損をこいたのは、ほかならぬ東芝の株主であり(と言っても、昨年来の「不適切会計事件」にもかかわらず、投資している方もどうにかしているかもしれないが)、彼らへの救済的意味合いからJPXも簡単に上場廃止のカードが切れない、と言われている。

スピンオフ税制を使って、東芝メモリの株式を既存株主に割り当てれば、既存株主への被害はかなりの程度食い止められるし、東芝経営陣としては株主への利益を考えるとそうすべきではないかというロジックが成り立つ。

しかし、スピンオフ税制を使って、東芝メモリを分割しても、分割する側の東芝の債権者が納得しない(債権者保護)という問題がある。つまり銀行や社債権者が首を縦に振らない(彼らにとってみれば、あんこが入っていないアンパンのようなものに金を貸した覚えはない、というワケだ)。

会社分割では、分割する方(東芝)とされた方(東芝メモリ)の両方の債権者が納得しないと(でなければ、Bad事業を不意に引き受ける債権者が不利益を被る)、成立しない。

したがって、東芝がスピンオフ税制の第一号案件の芽は小さい。
最近、活発に集中と選択を行っている、日立やパナソニックなどで期待できるかもしれない。新日鉄住金などブクブクに太った組織でも可能性としてはあり得る。

けど、分割売却資金の使途って、原子力事業の追加工事代金とか出費が決まっていそうで、残った東芝も千鳥足経営のような気がしますけど。

村上ファンドから独立したエフィッシモキャピタルが東芝株を買い占めているというニュース(エフィッシモが東芝株買い増し 保有比率9.84%に:日経新聞4/7)があって、東芝メモリ分社後の東芝でもまだひと波乱があるかもしれません。少なくともオリンパスのように、元のさやに納まるような感じにはならんでしょう。

エフィッシモキャピタルは日本版カール・アイカーンとなるのでしょうか?
(アイカーン氏は株主権を行使して、モトローラ/モトローラ・ソリューションズなどを分社化させた)

しかし、彼らは成功・失敗を繰り返しています。東芝で巧名をあげたいのでしょう。

日本でスピンオフがもっと一般化すれば、株主の利益だけでなく企業の競争力がアップして、いいなあ、と思っています。日本企業はダメだ、って思うけど、本音はもっと頑張ってほしいんです(但し、よっぽど頑張ってくれないと投資はしない、ですけど…)。

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