この問題は、資産運用に振り向けるカネがあるのなら、ローンを返済することの方がはるかにリターンが確実だ、ということのようだ。
山崎元氏 お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール
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資産運用という土俵で考えると(単にリターンの確実性)、その通りかもしれない。
しかし、法律的や保険という面で考えると同調できない。
私はかつて都市銀行で、数百件の住宅ローンやアパートローンを取り扱っていましたので、「ローンのプロ」だったといっていいでしょう。
法律では、ローンの返済とその期間に関しては、「期限の利益」という表現を使っています。
「利益」とは債権者・銀行ではなく、債務者である我々ローン利用者に対してです。
債務者は、毎月決まった額を返済していれば、最終返済期限までは、銀行からローンを「今すぐ、全部返しなさい」と言われません、ということを言っています。
当たり前のようですが、サラ金など難癖つけて、いじめられないことを法的に保護しています。
(注:債務者が最初の約束と違うことがばれたらこの限りでない。例えば、住宅ローンで借りたお金で貸家を営んでいた場合など)
したがって、わざわざ例えば、30年間時間を与えます、と言っているものをみすみす放棄する必要がない、という点で、よく考えたほうがいい。幸い金利は非常に低い。
二つ目は保険の観点。一般的に住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険と言って、債権者・銀行が保険料を支払って、債務者・ローン利用者が死亡した場合、保険会社が銀行に保険金を支払って、銀行と債務者・利用者(の相続人)のローン契約を終了させよう、というものです。
したがって、もし、債務者が死亡した場合、相続人(例:配偶者)は借金をチャラにしてもらえて、家が手に入ることになります。
「にもかかわらず」せっせとローンを返済して、運悪く死亡した場合、金融資産なし、不動産はあり、となってしまいます。
資産運用していた場合、金融資産あり・不動産もあり、ということになります。
したがって、家族のある人は、運用的なリターン「だけ」を考えたローン返済というのは思いとどまったほうがいいと思います。
死亡まで行かなくとも、最新医療を受けなければならないような事態に陥った場合、医療費もかさみますし、治療期間中の生活費などもかかります(医療保険でカバーしてもいいけど、なかなか保険もうまくできていますしねえ)。
私のように、病気になって、これから団体信用生命保険に加入しようと思っても、加入資格がない可能性もあります(病気前に入った保険の効力は有効です)。
かつて銀行でローン担当をやっていた時に、ある人にローンを組んだのですが、実行後たった1年でお亡くなりになって、奥様が制定の死亡診断書を持参されました。その時の死因を見ますと、がんでした。
ローン申し込み時点では、告知事項なしだったのですが、診断書を読むと、ローン実行後1か月ぐらいから病院に通いだして、治療したけど半年ちょっとでご逝去されました。
私は、一瞬「虚偽告知」に該当しないか、顔が青ざめました(その場合、住宅ローンが不良債権化する)。
がんであることを薄々わかっていながら、ローンを組んで、計画的に自宅をゲットしたんではないか、と(注:銀行員をやっていると、結構猜疑心が強くなってしまうんですよ。現金商売なので、性悪説的な管理していますから)。
しかし、そんなこと口に出せず、粛々と保険請求を行ったところ、保険は下りたようです(つまり保険でローンを返済した)。ホッとしました。
話がそれましたが、
「期限の利益」を別解釈すれば、ローンを返済しようと思えば、いつでもできます。ライフステージや自分の健康状態や家族のことも考えてやった方がいいと思います。
ローンを返済しても、まだ十分な金融資産が残る、とかなら問題ないと思います(そもそもローン借りる必要あったんかって気もしますけど)。
独身貴族かノーキッズ夫婦の方向けのアドバイスだと思います、ハイ。家族持ちで子育て中のサラリーマンはやや現実離れか。
いずれにせよ、返済計画はライフプラン全体感を考えて決めるべきで、運用の良し悪しだけで決めるのは拙速です。お金は借りた後は、借りたほうの立場が案外強くできていますので。
しかし、法律的や保険という面で考えると同調できない。
私はかつて都市銀行で、数百件の住宅ローンやアパートローンを取り扱っていましたので、「ローンのプロ」だったといっていいでしょう。
法律では、ローンの返済とその期間に関しては、「期限の利益」という表現を使っています。
「利益」とは債権者・銀行ではなく、債務者である我々ローン利用者に対してです。
債務者は、毎月決まった額を返済していれば、最終返済期限までは、銀行からローンを「今すぐ、全部返しなさい」と言われません、ということを言っています。
当たり前のようですが、サラ金など難癖つけて、いじめられないことを法的に保護しています。
(注:債務者が最初の約束と違うことがばれたらこの限りでない。例えば、住宅ローンで借りたお金で貸家を営んでいた場合など)
したがって、わざわざ例えば、30年間時間を与えます、と言っているものをみすみす放棄する必要がない、という点で、よく考えたほうがいい。幸い金利は非常に低い。
二つ目は保険の観点。一般的に住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険と言って、債権者・銀行が保険料を支払って、債務者・ローン利用者が死亡した場合、保険会社が銀行に保険金を支払って、銀行と債務者・利用者(の相続人)のローン契約を終了させよう、というものです。
したがって、もし、債務者が死亡した場合、相続人(例:配偶者)は借金をチャラにしてもらえて、家が手に入ることになります。
「にもかかわらず」せっせとローンを返済して、運悪く死亡した場合、金融資産なし、不動産はあり、となってしまいます。
資産運用していた場合、金融資産あり・不動産もあり、ということになります。
したがって、家族のある人は、運用的なリターン「だけ」を考えたローン返済というのは思いとどまったほうがいいと思います。
死亡まで行かなくとも、最新医療を受けなければならないような事態に陥った場合、医療費もかさみますし、治療期間中の生活費などもかかります(医療保険でカバーしてもいいけど、なかなか保険もうまくできていますしねえ)。
私のように、病気になって、これから団体信用生命保険に加入しようと思っても、加入資格がない可能性もあります(病気前に入った保険の効力は有効です)。
かつて銀行でローン担当をやっていた時に、ある人にローンを組んだのですが、実行後たった1年でお亡くなりになって、奥様が制定の死亡診断書を持参されました。その時の死因を見ますと、がんでした。
ローン申し込み時点では、告知事項なしだったのですが、診断書を読むと、ローン実行後1か月ぐらいから病院に通いだして、治療したけど半年ちょっとでご逝去されました。
私は、一瞬「虚偽告知」に該当しないか、顔が青ざめました(その場合、住宅ローンが不良債権化する)。
がんであることを薄々わかっていながら、ローンを組んで、計画的に自宅をゲットしたんではないか、と(注:銀行員をやっていると、結構猜疑心が強くなってしまうんですよ。現金商売なので、性悪説的な管理していますから)。
しかし、そんなこと口に出せず、粛々と保険請求を行ったところ、保険は下りたようです(つまり保険でローンを返済した)。ホッとしました。
話がそれましたが、
「期限の利益」を別解釈すれば、ローンを返済しようと思えば、いつでもできます。ライフステージや自分の健康状態や家族のことも考えてやった方がいいと思います。
ローンを返済しても、まだ十分な金融資産が残る、とかなら問題ないと思います(そもそもローン借りる必要あったんかって気もしますけど)。
独身貴族かノーキッズ夫婦の方向けのアドバイスだと思います、ハイ。家族持ちで子育て中のサラリーマンはやや現実離れか。
いずれにせよ、返済計画はライフプラン全体感を考えて決めるべきで、運用の良し悪しだけで決めるのは拙速です。お金は借りた後は、借りたほうの立場が案外強くできていますので。
投資判断は、個人でお願いしますね。
応援お願いします。
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