2017年4月18日火曜日

「人生の悩みが消える自問力」堀江信宏著 ダイヤモンド社 を読んで


5つの質問」と「自問自答」ですべてが好転する。あなたが上手くいかないのは、ニセの願望にとらわれているからだ。
という副題付き。

本屋さんで何気に手を取ってみて、ググッと引き寄せられて、購入・一気読み。

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目に刺さったのが、著書自身も私と同じ悪性リンパ腫に罹患し、現在寛解中のサバイバーだった点。その彼が、「がんはギフトだ」と言っていた点で、とりあえず買っておこうか、という気になった。

内容をざっと説明すると、
人はみな頻繁(13~4万回!?)に自問自答をしている。その答えにしたがって行動している。
しかし、最初に投げかける質問がネガティブだったりすると、行動もそうなりがち。
したがって、いい質問をして、いい回答をできるようにトレーニングして行けば、人生も変わっていく。

いい質問とは(5つの質問)
  1. 自分が得たい結果は何だろう?
  2. どうして自分はそれを得たいのだろう?
  3. どうしたらそれを実現できるのだろう?
  4. これは自分の将来にとってどんな意味があるのだろう?
  5. 今、自分がすべきことは何だろう?
いい答えについては、簡単なケーススタディ形式で、過去に著者がコーチングした事例を簡素化して紹介している。
例えば、
  • 業績悪化企業に勤務しているサラリーマンのモチベーションの上げ方
  • 成績が上がらない営業マンの考え方
  • リストラされそうになった時の考え方
  • 出来の悪い部下を持った、やり手女性管理職の考え方

ここで著者は、「自分が得たい結果は何だろう?」という自問自答の回答の中で、「ニセの願望」に惑わされるな、と注意しています。

例えば、上記のやり手女性管理職の人は、出来が悪い男性部下をののしってしまい、部下との関係が良くなかったそうです。

これを、上記の質問で、コーチングしていくと、「男性に勝ちたい」とかではなく、かつて家庭で両親に認めてもらいたかったので、必死に勉強して、いい学校を卒業して、その過程で競争心が付いたようです。


彼女の本当の願望は、他人との競争に勝つのではなく、単に人に認めてもらいたい、ということに落ち着いたようです。


となると、彼女がすべき点は、部下を罵るのではなく、部下と協調して良い仕事を仕上げることだ、と納得できたようです。そのことで、自分に自信が持てる生き方ができる、と考えたようです。


当然、部下に対する接し方も変わり、実績がガンガン上がりだした、とのことです。

著者は、こうした悩みを「自分を成長させてくれる『ギフト』と考えるべし」と言っています。


成長する人は常に悩みを抱えている、と言っており、人がさらに成長しようとする手前で発生し、より良い人生に向かうよう、気付きをくれる「ギフト」だと。

これを乗り越えるためにも、自問自答による主体的な行動が必要だと。従って、自分が何を求めているのかをしっかり把握すべし、と言っています。

こういった自問自答を積み重ね、主体性を持った生き方を手に入れれば、自由に生きることができるはずだ、という結論になっています。

ブログにすると、著者の言っていることの数分の1ぐらいしか表現できませんが、内容をすべて自分の言葉で説明している点(どこか他人からの受け売りのような表現ではなかった)が非常に印象的でした。

私自身も、5つの質問をマスターしようと考えています。

最後に、ちょっとだけ、誤解を招くと困るので注記を。

文中に「がんを克服した」というフレーズが何度か出てきますが、彼は今「寛解中」であり、「完治」したわけではありません。最低でも5年、病名(型)によっては10年の経過観察を経ないと「完治」とは『医学的に』言わないはずです。

もちろん、個人の著書なので、彼自身が「克服した」と信じていることを否定するつもりはありませんが(商業的にもそのほうがインパクトがありますし)、読み手が「完治」と誤解するといけないので、注記しておきます。

別のがん(食道がん)ですけど、
と言ったのは、手術を受けた後に、サザンの桑田圭祐さんが語った言葉です(彼は多分今は「完治」のはず)。人によって、捉え方は様々です。


悩みを自問自答しているあなたは読んでおいて損はしないはずです。


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