2016年12月11日日曜日

くすりのおねだん 患者申出療養など

前回の記事(高いのか、安いのか 薬のお値段)で、医療現場としては、「地獄の沙汰も金次第」とドライにできない事情がある、と言いましたが、理解している範囲内ですが、こんな感じだと思います。

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医者(注:医者と言ってもピンキリですが、一応、普通に倫理意識・職業意識の高いお医者さんという前提とします)は、患者を目の前にすると、治療してよくなってほしいと考えています。

また、人の命は平等であり、そのため治療も平等に受けるべき(受ける権利がある)だと考えているようです。

したがって、患者申出療養制度のような、「金さえあれば最新医療が受けられる」というのが納得できないようです。

(また、保険認可されていないナントカクリニックなどで行われる、「治療」ではなく「療法」と言われているいかがわしい行為を助長するという主張もある)

患者申出療養制度とは、一応こちらに詳細が出ていますが、国内未承認の薬を自分のお金で保険なしで受けられるということになっています。自由診療のことですね。この場合、薬代以外は保険が効くようになっています。本当の自由診療はすべて保険が効きません。

薬(医療機器も同じ)の承認審査はEUや米国は申請から1年程度で下りるのに対し、日本では3年くらいかかっていたようです。したがって、その差2年が「ドラッグラグ」と言われ、「アメリカに行けば治療が受けられるのに、日本だと無理」という不条理な状態がありました。

このドラッグラグを埋めるために、自由診療を解禁しろ、と民間議員いうので、できた制度です。

(本質的には、厚労省の薬事審査が早くなれば不要な制度ともいえるので、赤っ恥をかく厚労省も反発していた)

しかし、仮に「オプシーボ」がいまだ未承認だとして、これを使えば20%ぐらいの確率で自分のがんが治るかもしれない、という場面に立った場合、「1000万円(保険が効かないので全額自費負担)払ったら治療しますよ。なければ終わりです」とは医者として患者には言えない、というのが「地獄の沙汰も金次第」の状態になりうる、とのことのようです。

保険が効けば、3割(後期高齢者だと1割)、さらに高額療養費制度を使えば、実質は数十万円程度で使えます。

(その差額;1000万円~数十万円、がチリツモになれば、国の財政をつぶす、ということで、オプジーボの薬価は引きずりおろされました。日本にはイノベーションを取るのか、「国民感情」をとるのかポリシーがない典型的な例)

したがって、従来は未承認なので、国内では投与できない、ということで一線を引いていた、ということのようです。
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