2015年12月19日土曜日

配当貴族銘柄 ものづくりカンパニー Dover(DOV) 59年連続増配 #24 S&P Dividend Aristocrats


Dover Corp (DOV)は、日本風に言えば、典型的なものづくりカンパニーと言えると思います。
事業分野は多岐にわたっています。エネルギー部門(石油・天然ガスの生産装置)、エンジニアリングシステム(コード化、デジタルプリント)、ポンプ関連ビジネス、そして業務用の冷蔵庫(日本でいえば、コンビニにあるウオークイン冷蔵庫;飲み物が配置されている)などを作っています。


スポンサーリンク


ただし、日本のモノづくり産業と違う点は、59年連続増配という大記録を更新している点と、買収を経営戦略の重要な核としている点でしょうか。
日本の機械メーカーは、買収や経営統合してもシナジーがない、といって関心を示しませんが、当社は買収先の技術を巧みに取り入れて成長しています。

さて、いつものように財務分析から。

売上高、利益とも2012年から減少しています。ただし2014年は2社ほど関連会社を売却しているようです。

売上高の内訳は、エネルギーが2Bドル(20億ドル)、エンジニアが2.4Bドル、ポンプ事業が1.4Bドル、業務用冷蔵庫事業が2Bドルの合計約7.8Bドルという構成になります。利益率はいずれも12%~17%程度を稼いでいます。

それでも、Net Income from continuing operations(青いハイライト部分)は伸び悩んでいますので、足踏み状態という感じでしょうか?
その元凶は、当社もやはりエネルギー部門が不調のようです。2014年の夏以降に原油価格が下落していますので、なんとなくうなずけそうな業績推移ですね。

ただし、それでも59年連続増配、配当性向は30%以下というのは素晴らしいと思います。

当社はFCFM&Aと自社株買いに使っているようです(Capital Expenditureは更新投資の意味合いが強い)。
2014年は800百万ドル、2013322百万ドル、20121,181百万ドルという感じで投資しているようです。

近頃パッとしない成長率ですが、それでも、一定程度のレバレッジの範囲内で、ROEをコンスタントに15%以上たたき出しています。この辺はさすがというべきでしょう。

当社の経営の特徴は、ナンバーワン、ナンバーツー戦略です。各事業の製品などはいずれも業界トップか2位の地位である点で、規模の利益を追求していくようです。

さらに、ジョンソンエンドジョンソンのような「連邦経営」を標榜し、各子会社・事業の自主性にゆだねた事業経営を行っています。
ただし、勝手に経営しているわけでもなく、重要な技術的な共通点や顧客サポートなど協力し合える部分はしっかり協力することで、顧客との関係を強固なものとし、なおかつ技術の共有化などで、さらに進んだ製品提供ができる点が強みだそうです。

また、買収するばかりでもなく、常に最適な事業ポートフォリオとするために、ノンコアとなった事業は積極的に売却やスピンオフで切り離していきます。

多角化企業における権力の分散と集中をうまく使い分けてこれまで順調に経営してきたような感じに思いました。

最後に株価チャートです。

原油価格と同じ、とまで言いませんが、2014年初頭をピークに下落しています。
2015年に入り、年間業績予想を3回も下方修正したようです。

2016年も踏ん張りどころでしょうか。配当は大丈夫だと思いますけど。

応援お願いします。
にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ
スポンサーリンク








0 件のコメント:

コメントを投稿