2017年5月23日火曜日

ソフトバンクグループ ヴィジョン・ファンドについて雑感



ソフトバンクグループ(9984)が同社の投資専用ビークルとなる「ヴィイジョン・ファンド」(VF)を立ち上げた。

孫さんが、投資をもっとやりたいけど、通信事業の株主他ステークホルダーとごちゃまぜになると困るから、別に投資会社を立ち上げた、と言うことだろう。


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どんなファンドか? 期限のある投資ファンド

理解している限りでは、SBが投資会社の株を保有する。

投資会社は、いろんなところから助言を受けるが、基本的に好きなように投資する(と思う)。

それ以外の概要は日興証券のレポートをご参照。

要するにソフトバンクグループが支配する投資ファンドですね。
出資コミットメント とは、この投資会社が見つけた投資先に投資を決定した場合、かならず投資額に見合ったお金を投資会社に提供する義務のことを言います。

例えば、VFが新たにA社に出資を決定したとしましょう。そのファンドの投資額が10億ドルとします。

10億ドルをプロラタにより出資者間で分担して、投資会社に期日までに振り込む義務のことを投資コミットメントと呼んでいます。

VFがアップルなどの出資者に「A社に投資するのでお金を下さい」というのを「キャピタルコール」と言っています。

したがって、VFの金庫に今、1000億ドルが積んであるわけではありません。

投資対象はIT系なら、アーリーステージ以外で何でもあり、という印象ですね。子会社化も少額出資も関係なさそう。新聞にはベンチャー投資とか記載がありましたが、1件辺り1億ドル以上と言っているので、ベンチャーではなさそうですね。

先般、SBが買収したARMの株式約25%を現物出資するんですね。

また、アーリーステージはSBがやることになっています。さらに事業投資もSBとのこと。「事業投資」って多分、スプリントとドイツテレコムUSの合併とかそんな話だと考えられています。

目先、現SBとシナジーがないと考えられる投資対象はファンド、あると考えられる先はSBということなのだろうか? そう考えるしかない。

「投資ファンド」なので、EXIT:つまり売却を考えなければなりません(出資者は中・長期の資産運用だから)。これはSBがこれまでやってきたヤフーやアリババなどと根本的に違うところです。

最長12年とありますが、「最終クロージングから」とあるので、VF設立後、4年経過した時に投資された企業は8年間の出資になります。

したがって、VFの出資を受け入れる方は、IPOとか次の投資家をあらかじめ考えなければなりません。

SBの投資家から見ると わかりづらい?

投資家はSBの経営に寄与することを期待するが、通信業界の未来がまだはっきりわからないし、孫さんのやろうとしていることが、個別の投資案件としては成功しているが、シナジーはよくわからない。

投資先とのシナジーも具体的に見えてこない(日本ではSB契約者はヤフーで優遇されるとかあるけど、経営インパクトとしてはどれほどだろう?)

ただ、彼は世界最大のインターネット企業を作りたい、という点はぶれていないようだ。

会計的には投資ファンドの出資分が連結されるので、ややこしいだろう。本来はそれ(株主との利害関係)を分離する目的でファンドを作ったのだと思ったけど。

総じて、夢が膨らむという人と、分かりづらい、という人がいるだろう。

出資者 すごい顔ぶれ

アップル、クアルコム、サウジアラビアSWFなど相当たる顔ぶれ。
フォックスコンとシャープって、今や兄弟のような関係で実質ホンハイになるでしょう。

出資者から見れば、あのアリババとヤフーをスタートアップで見抜いた孫さんの目利き、という点が魅力的なのか、それともVFのメンバーがしっかりしているからなのか(VFのメンバーは基本的にニケッシュ・アローラ元ソフトバンク副社長がスカウトしたメンバーらしいです)、よく集まったものです。

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