日米陣営に共通しているのは、スマートフォンの成長鈍化により、次の収益源を探っているところ。
第5世代携帯はあと2年程度で投資開始になる点、しかし投資額は従来より多くなさそうな点(通信ネットワークがソフトウエアで制御できる:SDN、または仮想化)などもあり、M&Aで多角化を図っている。
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TとVZのアメリカ陣営は、現時点で勝ち組であり、「質の高い通信」(T-モバイルとスプリントは低価格が武器で、ネットワーク網が劣るという評判が染みついている)である点が差別化となっているが、そのようなことで胡坐をかいているわけにもいかない。
何しろ配当金原資を稼がなければいけないからだ。
2社ともおそらく、Netflixが脅威の可能性がある。TはディレクTVを買収後すぐにタイム・ワーナーを買収(現在当局審査中)した。私には戦略的な意味が分からないが、FCFが増え、配当が増えそうだ、ということぐらいしかわからない。
利用者が回線をTにするインセンティブを持たせるため、メディアやコンテンツを買収したのだろうけど。あぶはち取らずにならないことを祈るのみ。アナリストの評判は当然よくない。
VZもAOLやYahoo!の買収などにより、広告収入を探ったり、自前でNetflixの類似版サービスを始めるなどを行っているようだが、大型買収というよりも、ボーダフォンから携帯子会社株を買い取った際の借入金の整理が重要の様だ。Tと比較して低成長ながらも、業界最有力企業であることは揺るぎそうにない。
日本勢も多角化に余念がない。NTTはNTTデータによるデルコンピュータのデータセンター事業の買収などがあった。ディメンションデータが赤字の様で、ちょっと心配。
ドコモが最初にTV通販会社や、生鮮野菜宅配のらでぃっしゅぼーやを買収したとき、まったくの「???」だったが、KDDIも自社のネットワークでお米が買えるようになった。
皆、自社の契約者へのクロスセリングを想定しているようだ(契約者に電話代・通信代以上のお金を自社ネットワークを活用して払わせることで、自社の「顧客単価」をアップさせる戦略)。
おかげで??? KDDIの株主優待がショップでの端末割引券から、auのネットで買えるショップのカタログから選べるような感じになった。オリックスのふるさと優待並みかもしれない。
日本勢はMVNOの契約が徐々に増加している点、安倍政権が携帯代は高いと相変わらず介入してくる点などが株価の伸びを抑えているように思われるが、当面の業績は巡航速度と考えている。
いずれもFCFの増加は当面見込めそうで、各社、率はマチマチだが増配も期待できそうだ。
リスク&リワードの観点からTかVZだと思うが、ドル105円を超えたので、ちょっと躊躇してしまった。
一方、KDDIはトランプショックの中で買い増しした(沖縄セルラーは「株価3000円以下なら買い増し」、にこだわってしまったら、3500円まで上がってしまった。くっそー)。
尚、ソフトバンクは通信会社なんですが、経営は投資会社だと思っている。しかし、投資方針、株主還元などが、「鶴の一声」で大きく左右されて不透明で、「配当より投資」なので、対象外としています。
同社も含み益を勘案すれば優良企業だ、という声もありますが、含み益経営は、80年代のダイエーなどを連想してしまいます。
資金調達で、機関投資家はダメ、個人投資家も今一つ(個人投資家向け社債が売れない:売っている量が半端ないってこともあるが)でアラブの大富豪に頼るってことのようですが、アラブのSWFのファンドマネージャーは旧宗主国である英国人(アメリカ人他欧米人)だったりするので、そんな簡単にいくのかなあ?
投資判断はご自分で
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