これは過去3回プレビューしたことに対応して書いてみたい。
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タバコセクター(フィリップモリス、アルトリア、JT)
予想通り堅調な業績(注:為替中立ベース)。
アルトリアを除けば、自国外でのビジネスが多いこのセクター。マクロ経済に名目上の業績が左右されてしまう。
アルトリアやフィリップモリスは、一株利益(EPS)を8%~10%毎年成長させることを株主へのコミットメントとしている(為替中立ベース)。
したがって、タバコの数量が増えたか減ったか、ということは、重要ではあるが、2の次。
数量が減ったら、①コストを削減する(工場を閉鎖・人員を削減)、②価格を引き上げる(これができるのがタバコの特権)、③自社株買いをする、で利益とEPSを引き上げるのみである。
しかし、当然ながら数量が増えて、売上高が伸びるに越したことはない。電子たばこがこの起爆剤になるかもしれないが、現時点では先行投資モードと言える。
(先行投資が終わった後の)製造コストやビジネスモデル(タバコ部分を取り換える)、タバコ税率、サイドスモーク問題の軽減可能性などから考えて、電子たばこ系が紙巻きたばこにとって代わると、たばこ会社に恩恵が生まれる可能性が少しずつ高まってきた。
中長期的には、世界最大の中国市場(喫煙人口3億人らしい‼!)の「解放」期待。
JTはナチュラルアメリカンスピリットが結構堅調に頑張っている点、医薬品セクターが黒字化転換した点が良い点。電子たばこが出遅れている(国内)点が良くない点だが、業績全体への影響はそれほど大きくなく、巡航速度とみている。
にもかかわらず、トランプ相場でどういうわけか、投げ売りされたので、JTを買い増しした。たぶん報われるだろう。
石油・天然ガスセクター(シェブロン、エンブリッジ、キンダーモーガン)
シェブロンはもう少しで最悪期を脱してくれそう。根性の1セント増配を発表(四半期ベース)。連続増配記録を30年だったか?に更新。
- 西オーストリアのゴーゴンプロジェクト(LNG)がゴタゴタしながら稼働中。
- 採算がちょっと疑わしいメキシコ湾石油プロジェクトもスタート。
- アフリカのアンゴラLNGも軌道に乗り出した。
- 2017年は西オーストラリアでウイートストーン(LNG)がスタートする予定。
何が言いたいのかというと、これまで建設していたプロジェクトが相次いで稼働するので(当然売り手は確保している)、CFが増えるということだ。また、これまではこれらの建設投資で多額の設備投資費用が発生していたが、今後はかなりSaveできる。
つまり、新規プロジェクトで営業CFが増加、新規が稼働してしまったので投資CFが減少、最終のFCFが増加する、ということになる。これが重要。
エンブリッジは、細かく見れば課題はあるものの、相変わらず堅調。スペクトラとの合併審査がうまくいけば、アメリカ側へのロビー活動の強化も期待できるので、パイプラインの敷設の審査も以前よりうまくいきそうな感じ。
ここは相変わらず、毎年DPS(一株配当)を12%程度増加させるといっている。買い増し候補先だ。
キンダーモーガンはすっかり優等生になった。債務負担を引き下げ、設備投資資金を外部ではなくすべて内部調達するといっている。
当社のコアである天然ガスパイプラインの業績は堅調に推移している。メキシコ向け輸出、発電所向けは順調に伸びている。
そしていよいよ、すっかり皆さんお忘れだと思うが、シェールガスのLNG化施設が稼働を始める時期が来た(日経新聞さんで散々日本の救世主のように持ち上げられていましたが、今やすっかり鳴りを潜めてしまいましたね。しかし契約は有効で、実際の出荷が少しずつ始まろうとしている。マスコミとはそんなものだ)。
キンダーモーガンも、LNG施設にガスを送るパイプラインや、LNG化する施設そのものの運営なども行っており、業績の上積みが期待できる。
そして、6,000億円以上の工事費が見込まれている、カナダのトランスマウンテンプロジェクトが、そろそろカナダ政府から許可が下りそうなめどがついてきた。
石油関連のプロジェクトが業績の足を引っ張っているが、それでも全体の業績が前年同期比で大きく変化がなかった点はホッと一安心。
このセクターはエンブリッジの株価動向と手元資金次第で買い増しを考えている。
続く
投資判断は、個人でお願いしますね。
応援お願いします。
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JTの調整はBATの電子タバコ国内発売のニュース(11月8日)によるところが大きいのかと思います。
返信削除タバコやIT関連の投資目線のまとめ記事はいつも楽しく読ませていただいています。
個人的には今年は米英の酒タバコなど嗜好品系をいろいろ買うことができました。
Saiさん、コメントありがとうございます。
削除今後ともよろしくお願いいたします。
JTはよい買い物だったと思っています。