最近、米国株がらみのM&Aニュースが相次いでいます。私の持ち株(とその関連)も巨大M&Aもあったりして、日本でも注目度が高くなりそうです。
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AT&T(T)のタイム・ワーナーの買収。
確か昨年DirecTVを買収したばかりですが、もう次の買収なの?という気がしました。
要するに通信インフラは抑えたけれど、それにコンテンツを付加することでインフラの差別化を図る、ということのようです。
しかし、つい数年前までは、英国のボーダフォンの買収観測があったり、メキシコの通信事業者への出資やDirecTVを通じたブラジル市場への進出など通信会社としてのグローバル化を目指していたが、なんで米国内事業のタイム・ワーナー?って感じですね。
インフラ事業がコンテンツ会社を買収してうまくいくのかなあ?仮に日本に当てはめるとNTTがテレビ局を買収するようなものか?(確か放送法上特定の株主がTV局会社の過半数の株を買収することは不可能だったと思ったので今の日本では起こりえないが)
一株配当が今後も増えるのならOKとする以外にない。Tには純粋に5%前後の配当利回りで年2から3%の配当成長を持続できるポートフォリオと割り切って考えていく。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)がレイノルズタバコ(RAI)の残り株式を買収。
フィリップモリス・インターナショナル(PM)のライバル会社(JTのライバルでもある)BATが約42%株式を保有しているRAIの残り株を買収すると発表。
BATがアメリカでのたばこ訴訟リスクが軽くなったと判断したのでしょうか?
BATとPMでは競合する市場が多少違っているので(BATが優位な市場;例ブラジル、ではPMはほとんどシェアがない。しかしPMが優位な市場ではBATはほとんどシェアがないなど)、直接の脅威となりにくいと思いますが、米国・米国外と一気通貫した商品戦略(電子タバコなど)が取れる可能性が高まるのでしょうか?
多分、JTとも市場はそれほどかぶらないような気がする。PMとJTは日本、ロシアなどで激しいつばぜり合いを行っている。
このM&Aでは、PMとアルトリアグループ(MO)の再統合があり得るのか、という点に注目がいくかもしれません。
しかし、株主目線で考えると、MOには為替リスクがなく安定した米国ビジネスに投資したい人向け投資対象であり(リスクとしては依然訴訟リスクがある)、PMには為替リスクがあるものの新興国成長や電子タバコなど取り込める成長性に期待したい人向け(かつ訴訟リスクはかなり軽減される)投資対象という感じでわかりやすい。
元々そういう前提で分社化したはずである。分離して10年にも満たない中で再統合の可能性は小さいと思いますけど。。。
ただし、PM側でもEPSの極大化をシミュレーションしているはずなので、彼らが再統合するときはそういう机上計算が成り立つときかな、と言う気もしないでもない。PMとMOはポートフォリオの1位2位を占めるので、気になるニュースではある。
AT&TとBATに比べれば、「小玉」の印象が強いが、ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)がアボットラボ(ABT)の眼科事業(レーシック手術器具とかを製造販売)を買収した件があった。
ABTはセントジュードメディカルを買収して心臓系事業に大きく集中して、ややノンコア感が強かった眼科事業を売却。確か2011年ごろ$2.5Bぐらいで買収したビジネスを5年程度で$4Bを超える価格で売り抜けた(S&P500もそれぐらい上昇しているので、説明は可能だけど)。
ABTはセントジュードを買収したものの、買収後はセントジュードのポートフォリオの位置づけが大きくなっていきそうな感想。
JNJの医療器具事業はOrganicでの売り上げ増加は厳しく、より利益率の高いビジネスを買収し、低いビジネスを売却する選択と集中を繰り返しながら利益額を増やしている。日本企業にはここまで割り切った事業の売買はできないと思うが、それをやり続けながらトップを走っている企業でもある。50年以上連続増配は伊達じゃない。
まとめると、
- たった数日で巨大取引が何件もまとまるアメリカ資本主義のダイナミックさを改めて思う。
個別には、
- Tは買収、買収また買収で巨大化。個人的には高配当安定増配銘柄であればとりあえずOK。
- PM、MOの再統合は気になる。再統合したからと言って、売買するわけでもないが、それぞれ期待値が違っていたので。。。
- JNJは、会社全体から見たら4000億円程度の買収は、「手ごろ」なものなので、ニュートラルな印象。
投資判断はご自分で
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