2016年10月30日日曜日

「原油暴落の謎を解く」岩瀬昇著 を読んで

本屋さんで何気なく見つけて一度読んでみようと思った。

石油・天然ガスセクターにはポートフォリオ10を占めている重要セクターでもある。

著者の岩瀬氏は三井物産、三井石油開発の常務を務められたオイルマン。この道のエキスパートでもある。

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内容は

第一章 原油大暴落の真相
今回の暴落の背景について、需要面・供給面について各方面から解説している。

第二章 今回が初めてではない
石油相場の暴騰・暴落の歴史についてひも解いて、今回の暴落を考察している。

第三章 石油価格はだれが決めているか
これも原油価格の決定要因を歴史的に考察し、安っぽいマスコミが書きそうな陰謀説のようなものを開設している

第四章 石油の時代は終わるのか
シェール革命により、石油需要に関するパラダイムシフトが起こっていることを解説している

第五章 原油価格はどうなる
短中期的な原油価格の動向を筆者が独断で予想する

こんな人におすすめ
石油業界に関する業界研究をしたい人。第二章、第三章辺りは役に立つと思います。私は読んでいませんが、筆者の別著である「石油の『埋蔵量』はだれが決めるのか」辺りも読めば知識の幅が広がると思います(私は「石油資源の行方」というJOGMEGの本である程度知識がある)。

長期で石油・天然ガス業界に投資を継続したい人は、長期でホールドできる知恵を付けたほうがいいと思います。
また、株式投資を通じて、こういった知識を広げることも、自らの知見を広げることにもつながって、何かの役に立つのではないでしょうか?

感想
石油業界の価格の暴騰・暴落の歴史に関しては知らなかったので、大いに役立った。また、石油生産の技術的な側面(従来型の油田では生産を簡単に止めることができないのに対し、シェールオイルはもっと柔軟な生産体制が組める等)についても詳しく解説がしてあって、知識の幅が広がった。

短中期的おな原油相場の見通しに関しては、当ブログの過去記事

に記載してあることと大きく差がないが、相場反転の時間軸が1年程度あと寄せになった感がある。

今、石油会社は各社、投資額を激減させているので、いつかは供給能力が需要に追い付かなくなるはずなので、その時が相場反転時期になる、在庫調整の時間が3年前後もかかってしまう、というのがこの業界の難点か?


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