2016年10月10日月曜日

米第3四半期決算に向けて持ち株を整理してみる その1

ここ2四半期は、忙しさにかまけて企業決算のレビューをやっていなかった。したがって、各企業の足元の業績、課題、見通しについてやや遅れ気味になってしまっている。
さらに、新規か買い増しか考え中の企業の株価も気になってしまうところだ。


以下、単なる皮算用にすぎないが米企業の主要ポートフォリオの期待と不安点の概略


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フィリップモリス、アルトリア、JT(タバコセクター)

特に不安点はないが、電子たばこの販売状況ぐらいだろうか? 成長ドライバーとなるのかどうか、現時点での各社の売れ行きは?

ニュースといえば、ついにアンハイザー・ブッシュ・インベブがSABミラーの買収が完了したので、アルトリア10%超で2人の取締役任命権を持つ大株主になったことが、我々株主にとって何に寄与するのかだろう(この価値を株価が織り込んだ、と言えなくもないが)。

PMJTは為替を除けば、相変わらず堅調な業績である。ノミナルな決算数値に惑わされているようでは、これらの株に長期投資する資格はないと思ってよい。

シェブロン、キンダーモーガン、エンブリッジ(石油・天然ガス)

原油価格はたかだか50ドル前後に回復した程度で、今回の決算とは関係がない。
注目は配当政策だろう。シェブロン12月までに増配を発表しないと配当貴族ステイタスを喪失する。大方の見方はたとえ1セントでも増配して、29年だったか?連続増配を維持するというものだ。私もそう思う。決算の予想はまあ、この四半期も期待していない。

キンダーモーガンは資産を売って借り入れを返済する、という予想外のバランスシート圧縮策に出た点、カナダの西海岸に通じる石油パイプラインの見通しが前進した点や空売りの買い戻しなどがあって、増配再開期待も高まって、株価が急回復している。
増配再開は時期尚早と考え、米金利高とも相まって、いったん株価は軟調になるかもしれない。いずれにせよ、今の配当利回りで買い増しは行わない。

エンブリッジは米スペクトラの合併が思わぬプラス評価を受けた。天然ガスはスペクトラに任せ、アメリカ企業を味方につけて、うっとうしい米当局者にパイプラインの許認可を「よしな」に運んでもらう算段を付けたということだろう(メインのエドモントンからシカゴに通じるメインラインの更新投資でも米国側はブツブツ文句を言っているらしい)。やはりカナダ西海岸に通じる天然ガスパイプラインの許認可の進捗がイマイチなので、米企業を買収してこちら方面に戦略を広げる足掛かりを付けた、というのは正しい方向性に思える。配当利回りが4%台だったら買い増しを考えてみる。

NTTKDDI、ベライゾン、AT&T、コネクシオ、沖縄セルラー(通信サービス)

iPhonの販売で、また販促費が増えそうである。日本の通信会社はドコモもauも囲い込み戦略が結構当たりだしており、一契約者あたりの月収入がプラスに転じつつある。つまり、音声通話は下げ止まり、データ通信料はスマホ切り替えで単価が上がり、それになにがしかのサービス(dマガジンとかビデオパスとか)を付加することで、客数は横ばいでも客単価を上げよう、という戦略だ。まだ12年はこれが生きてくる。

日米の通信会社が頑張っているのは、M&A戦略だ。NTTNTTデータの海外買収戦略、auはテレビショッピングとか、周辺ビジネスの取り込みに余念がない。

ベライゾンYahoo!を買収し、インターネット関連ビジネスを強化。

AT&TはディレクTVを買収し、有料テレビの電波を取り込んでいる。両社の狙いは、顧客の電波通信サービスの手段として、自社通信サービスを総合的に取り込もう、というもの。AT&Tば放送局まで買収するなんて話もある。

日本の通信サービス業界は低成長とみられがちだが、実は6%~8%程度の利益成長が見込める。米国は2%~5%程度の低成長だろう。しかし、CFの確実性が高く、安定感がある。AT&TはディレクTV買収効果で向こう2年程度は増配余力が出ているはずだ。

株価は金利が上がれば、いったん下落するかもしれない。沖縄セルラー3000円を切れば、コネクシオ1200円を切れば買ってもいいかも、と思っている。

主力3セクターは、売りを考えることは全くなく、よい下落局面が到来すれば、いくつかの銘柄で買い増しをしてもよいと考えている。米金利高、債券金利上昇により、これら「擬似債券」銘柄は下値圧力が強まっているが、それが逆に買い時となると個人的には考えている。シェブロンを除けば、CFの安定性には個人的には自信を持っている。

配当利回り・PERや配当の成長見通しが投資判断基準である。

その他、気になる銘柄については次回感想を書いてみよう。

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