2015年11月29日日曜日

配当貴族銘柄 ウォルマート(WMT)eコマースが打開策となるか 42年連続増配 #21 S&P Dividend Aristocrats その2

さて、そのWalmartWMT)株、中期的な見通しはというと。
MorningStarさんでは、Economic MoatWideで据え置いています。株価のFairly Value$75(現在$60程度)となっています。


今年の株主総会で示されたWMT経営陣自身が提示した中期的見通しを見てみましょう。


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私は実際の店舗に行ったことがないのですが、Supercenterとは、よくTVに映っているワンフロアのバカでかいフォーマットの店舗を指すと考えられます。これを強化するといっています(具体策はよくわかりませんが、このタイプが既存店の太宗を占めるので当然でしょうか)。 売り場面積が1~2万平方メートルもあり、衣食住がワンフロアでワンストップで買い物できる、という究極のワンストップサービスですね。

(個人的には、いわゆるグローサリーのような食品と衣料を同じフロアで同じかごの中に入れて、同じレジで精算するというやり方はあまり好きではない。幕張の旧カルフール店などはそんな感じですが)

Neighborhood Marketとはいわゆる食品スーパー的なフォーマットの店舗のようです。これを最適化するということのようです(具体策は・・・?)。

そしてWMT最大の強みである物流面をさらに強力化して、コスト削減に取り組むといっています(これ以上、雑巾が絞れるのか疑問ですが)。

最後にeコマースですね。7Iホールディングスさんも「オムニチャネル」などと言って、ネットでの取り込みをグループ横断的に狙っていますね(しかし、ヨーカドーのネットショッピングはユニクロなんかと比較すると、私見では全くダメです)。
今やWMT最大のライバルと化しつつあるアマゾンへの対抗策ですね。

そして今やアメリカ企業最大の成長の武器??である自社株買いですね。これなくしてEPSの成長が覚束ないのでしょう。
そしてeコマース/サムズ・クラブ(コストコのような会員制スーパー)と海外展開を軸として、売上高を年率3%~4%成長させるといっています。
既存店の強化・合理化、eコマースの推進により、年率3~4%の売上高成長が達成でき、自社株買いも継続しても、目先の20161718までEPSはいったん下がって、やっと元に戻る程度、というかなり弱気な見通しになっています。

おそらくこれが株価の暴落を招いてしまったのでしょう。

理由はシンプルで、最低賃金の引き上げや店舗への追加投資あるいはeコマースへの投資がかさむことを経営陣は言っています。

しかし、
配当貴族企業のプライドにかけて、配当は連続増配を行っていくような、雰囲気を感じます。
財務戦略をまとめると、
感想
  • マクドナルドでも同じですが、既存店の売上高が+2%~3%ないと、賃金の引き上げを吸収できないと思います。
  • WMTの全社ベースの売上高が年率3%~4%というのは既存店ではせいぜい2%程度ではないかと推測します。よって、eコマース/サムズ・クラブや米国外での頑張りが重要です(つまり主力であり、既存のSupercenterは現状維持がやっとか?)。
  • マクドナルドは最悪期は脱したものの、WMTはまだ底這いの印象。P&Gといい、米国民に飽きられているような感じがします。
  • CEOの交代も最近は頻度が高くなっているのではないでしょうか?
  • ただ、FCFは潤沢ですし、業績が大崩れすることもないので、株式市場が大崩れした局面に逆張りで買うのはありかもしれません。
  • 中国は投資がダメでも消費は堅調という話ですし、新興国マーケットで伸びる余地は残っていそうです(しかしそれでも米国内が最も重要であることは変わりない)。
  • 全体としては、新規なら、今急いで買う銘柄ではないと思います。既存銘柄なら、我慢強く待つ、あるいはポジションを減らしても仕方ないかも(個人のスタンスによりますが)。

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