マクドナルド(米国;MCD)は3月1日に新しい中期計画を発表しました。
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これまでの経緯
アメリカでも「こだわり」のファーストフードチェーンが流行りだし、シェイクシャックを筆頭に、「マクドナルド独り勝ち」が崩れ、来店客数の伸び悩みが深刻化していました。
成長がストップしたMCDに対し、投資家は店舗従業員からの生え抜きであった、ドン・トンプソン氏を解任し、英国法人で実績を上げていた現CEOのイースターブロック氏が2015年3月に就任して以降、業績が底打ちし、株価も回復傾向にあります。
このターンアラウンドをけん引したのは、All Day Breakfastという試みで(但し導入したのは米国だけだったと思ったが)、要するにマフィンが昼でも夜でも食べられる、ということで、来店客数が回復し始めました。
しかし、この施策も丸一年が経過し、次の一手に注目がありました。
具体策は
デジタル戦略とデリバリー戦略とのこと
デジタル化とは、例えばメニューのオーダーを人間ではなくKiosk端末で注文するなどが計画されています。
何となく日本の居酒屋さんで見かけるタブレット端末での注文をイメージしました。
デリバリー戦略とは日本でもすでに1500円以上のオーダーで宅配料300円位もらってやっているようでした。
シンガポールのようです |
さらに、スマートフォンのアプリで注文すれば、通常のドライブスルーレーンではなく別レーンでスムーズに注文した商品がピックアップできるようにする、というものです。
これらの試みはすでに数年前から試験的に行っていたものの、米国等で本格展開していく模様です。
来店客数の回復が、最大のポイントであると言っています。そのために、顧客利便性を高めることと決済などを電子化することで労務コストを削減(レジ時間が少なくなる)することを両立させたいのだと思います。
(もちろんメニュー開発もこれまで以上に頑張って、という前提です)
思い起こせば、ドライブスルーなど画期的な方法で顧客を掘り起こしたのもMCDだったようですし、そもそもハンバーガーをチェーン展開させる試みそのものがイノベーションだったので、業界リーダーとはいえ、先手を取って新しい試みを導入することはいいことのような気がしました。
特にデリバリーに関しては、米仏英独では、人口の75%がマック店舗から半径3マイル(約5キロ)以内に住んでいるので、需要があるはずだ、と言っており、さらに外食産業の将来成長予測の半分近くが宅配からもたらされる、と言って気合が入っているようです。
(うーん、宅配でビッグマックを食べたい気になるかなあ)
肝心の数値ガイダンスは
- 売上高を年率3%~5%で増加(FC・直営の全店舗ベース)
- 営業利益率を20%代後半から40%台半ばに引き上げる
- EPSは一桁台後半の成長率(7%~9%のイメージだと思う)
- 配当と自社株買いを併せて$22~$24Billion を3年間累計で還元。
となっています。結局増配率への「期待」も7%程度と見ればいいのではないでしょうか?
尚、MCDでは店舗のFC化を進めていまして(直営店をできるだけ持たない)、その比率を最終的に93%まで高める、と言っています。
この前提で、営業利益率に関して、大半のコストはFCに振り替えられるので、こんなに上昇するはずだと試算していると思います(売上高の大半がロイヤリティーなどになる)。
一方、売上高の目標値はシステムワイドベース(店舗売上高ベース)です。
自社株買いがEPSをおそらく+1%~2%引き上げるはずなので、業績による利益の成長率は年率5%~6%とみて良いでしょう。アメリカ大企業の平均的な絵姿だと思います。
個人的には
何らかの影響で株価が割安水準になった場合(イメージで$100~$110ぐらい)は買い増しも検討。それ以外では、外食サービスではやっぱりスターバックスが投資優先順位です。
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