2017年3月14日火曜日

「資産運用で成功する人はここにいる」を読んで

多分、非常にマイナーな本です。ひょっとして自費出版か?
しかし、言いたいことのエッセンスはまあよかったと思う。
多分、このブログの読者なら、頭では、わかっていることが多いかも?
「資産運用で成功する人はここにいる」白石定之著 ブックウエイ

Kindleをお持ちの方なら、プライム会員なら無料で読めるのではなかったか(私は楽天Koboなのでアマゾンの制度に詳しくない)、多分1時間ちょっとで読破できるでしょう。

著者はマネーブレインという個人向けの独立資産運用コンサルタント会社を経営するIFAIndependent Financial Adviser)です。投資家の利益に立ったアドバイスをすることを生業としているようです。

彼は中学3年生で親から300万円をもらって、株式運用を始め、大学の学費他を自分で賄ったそうです。ちなみに大学は慶応の理工学部卒。日立製作所に勤務した後、野村證券でFA業務を行っていたようです。

自分の資産運用経験と、証券会社におけるアドバイス経験をもとに、IFAをやっている、という感じです。

したがって、自分の言葉で株式投資初心者向けに簡単かつ重要な説明を著書で行っている、という感じだと思います。

彼によると、ほぼすべての投資家の考えは、

殖やしたいけど減らしたくない

という言葉に凝縮されるようです。
うまく言い当てていますね。実家の両親もこんな感じですね。言い換えると、「リスク取らないけどリターンだけ欲しい」みたいな感じでしょうかね。

著者は投資スタイルを、4つに分類しています。
投資家が将来の相場見通しに対し「先はわからない」と考えるか「先を読む」と考えるかで最初の分岐点があり、

「先はわからない」と考えている人は「預金型」と「国際分散投資型」に分かれるそうです。
一方
「先を読む」と考えている人は「短期・儲けたい型」と「中・長期割安型」に分かれるそうです。

しかし、人間の心理的にみて、相場が出来上がってくると、どのスタイルにいても「短期・儲けたい型」になっていき、そこには投資ではなくギャンブルに落ちいく自分がいる、と警告しています。

ギャンブルに陥った結果、「安いところで買って高く売る」つもりが「高く買って安く売ってしまった」という負け戦をやっている人が多いと指摘しています。

この本のエッセンスは、

  • 投資で一喜一憂することは誰にでもある正常な感情
  • しかし、一喜一憂を克服することが株式投資で成功するために必要なこと
  • 一番成功する資産運用スタイルは、成長余力があるのに割安に据え置かれている「中・長期割安型」だ
といった内容です。

一喜一憂を克服するためには、やっぱり長期的に継続して株式市場に参加していないと難しい、と自らの経験をもとに著者は言っています。

この本をお勧めする投資家

  • 自分は株式投資がまだ初心者だ、と謙虚に考えている方
  • 特に、アベノミクス以降に投資を始められた方は下落局面の心理状況などについても経験をもとに書かれていますので、参考になるのではないでしょうか?(私も決して油断できません)。
相場に一喜一憂せず、逆張りで買い進めることができる「胆力?」を身に着けるには、実際その場で経験しないとつきません。

ジム・クレーマーの「株式投資大作戦」(彼の最初の日本訳本の方)に「メガボトム」というフレーズがあります。


ジムは自分が逆張りで投資していた銘柄がガンガン下落していって、顔面蒼白になったようです。その模様を見て、彼の奥さんが「何やってんのよ。今こそ買うのよ。ほかならぬあんたがおびえているんだから」と言って、当時新進気鋭のヘッジファンドマネージャーだった夫を叱咤激励したようです。

私は20091月~5月にかけて、Dow Chemical社を買い進めました。確か15ドルぐらいで買い始めた株価が、3月上旬に5ドル台まで下がったのです。やっぱり本当にビビりました。しかし、次の日にジム・クレーマーの本を思い出し、Dowの株を6ドルぐらいで買い増ししました。

株価は予想したイベントを境に(偶然にもS&P500のリーマンショック後の最安値を付けた時期とほぼ同じ)急回復して、冷や汗で済みました。

私の場合はリーマンショックという100年に一度の出来事があったので、株価の下落も尋常ではなく「どうせそろそろ底値だろう」という考えもありましたが、「普通の下げ相場???」だと、ボトムが見えづらく、逆張りで買う、と言っても、心理・資金力とも含めると容易ではありません。

本は薄く、内容も簡潔ではありますが、言っていることの含蓄はかなり深いと思いました。


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3 件のコメント:

  1. 余裕資金でハイリスクな投資をすることも大事でしょうか・・・。
    もし、1929年~の大恐慌レベル(25年間株価が戻らなかった)の、本当に100年に一度といえる大暴落がこれから発生するならば、株価低迷期間中に、病気療養・失職・学費・家族関係の問題など、キャッシュが大量に必要となり、キャッシュポジションが低いと損切りを余儀なくされるようなイベントが発生する可能性がありますから・・・。

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    1. 投資する、しないは個人のご判断でしょう。
      大暴落が来るとか来ないとかも、各人の将来に対する見方の相違であり、特段、投資や運用に興味や関心がない人を投資に勧誘することを目的としたブログではございませんので、悪しからず。

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    2. ご回答ありがとうございます。分散投資も一つの投資の在り方か、と思っております。が、分散投資をする人は、投資や運用に興味や関心がない人だ、というのも個人のご判断かと思います。

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