2016年3月12日土曜日

配当貴族銘柄 コン・エディソン Consolidated Edison (ED) 42年連続増配 #33 S&P Dividend Aristocrats

33回目の今日はConsolidated Edison (ED)、コン・エディソンです。
EDはニューヨーク市とその隣接するウエチスター群を中心とした電気・ガス供給会社です。
アメリカは発送電分離の仕組みをとっており、EDは送電が中心の会社です。最もリーマンショック以降は太陽光や風力発電の設備に投資をしているようですが。

では財務分析から。


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42年連続増配となっていますが、過去10年間の平均増配率は1.1%、同5年でも2.0%しかありません。アメリカのインフレ率の平均を仮に2.5%とすると(最もリーマンショック後にこの水準を回復するのに苦労していますが)、インフレ率に負けそうな感じです。

したがって、実質的な意味での連続増配か否か、やや怪しいですね。

売上高の成長もほぼフラット、利益率の改善はみられるため、EPSは緩やかながら成長しています。天然ガスが安くなっているので、電力代が安いのでしょうか?

収入が安定していることの裏返しで、資本構造も借入金の割合が多いです(CFの確実性と負債の多さはある程度比例するのがファイナンスの基本。成長性が低いとエクイティは集まりにくいが、借入金は返済の確実性が増すので集めやすい)。

Net Debt / EBITDA倍率が4倍近いです。MLPもこのくらいの水準が平均だと思います(Kinder MorganMLPの平均よりぐっと高い)。しかし、MLP株は暴落、EDSolidな推移ですね。なんでだろ?

株価チャート5年


設備投資(既存の送電施設の更新投資がメイン)も多いのでFCFも少なめです。

配当性向も60%前後と、パンパンのイメージ。

なお、EDの評判は、いい面と悪い面が入り混じっているようです。

ニューヨーク市という好立地を活用して、電気料金の水準も非常に高いようです。しかし、日本とは裏腹に、結構停電や事故が発生して(突然マンハッタンで爆発が起こって、通行人が死んでしまうとか、大型ハリケーンで停電して、11日も復旧しなかった地域があるとか)高い金をとっているくせに、サービスが悪いといった話が多い。

このサービスの悪さが、「電力自由化の成れの果て」と日本でも批判されているみたいです(もっともそれはEDに限りませんが)。

いい面ではフォーチュンなどで「アメリカで最も称賛されるべき企業:公益企業編」で賞をもらうなど正反対の評価を受けるようです。

意見
日本人がアメリカの連続増配株に投資する際に留意したいのは、やはり年率最低でも2%から2.5%の増配が見込める企業であってほしいと思うのが私見です(日米実質金利差の最近の平均値と思われる)。この差があれば、将来の円高にあっても、配当金の実質ベースの価値が保たれると考えています。

そういった観点から申し上げると、個人的には投資に向かないかなあ、と。

最も現在の株価水準も割高と思われる点も上記意見には含まれていそうです。

一方、世界の大都市、ニューヨークの電気インフラを保有している会社でもあり、絶対的な事業の盤石さはあります。

会社側も、ガス配給や太陽光発電など事業の分散化、規制外事業にも乗り込んでいこうとしています(その比率は圧倒的に小さいが)。

しかし、EDに投資するなら、AT&TVerizonかなあ、と思ってしまいますね。

EDはこれで終わり)

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