2016年3月26日土曜日

配当貴族銘柄 メドトロニックMedtronic Plc(MDT)37年連続増配 #35 S&P Dividend Aristocrats その1

35回目の今回は、メドトロニック(MDT)です。名前からもわかる通り、当社は第二次大戦後にミネソタ州で設立され、50年代のエレクトロニクスブームのさなかに現在の社名になったいきさつがあります。

1950年代に世界初の電池式心臓ペースメーカーを開発しました。心臓ペースメーカーは心筋に電気的な刺激を与えることで、必要な心収縮を発生させるための医療機器です。


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不整脈になった人の中には、放っておくと心不全になったりして危険な状態になりかねないため、必要な心拍をさせるための手助けを行う医療機器です。

1950年代といえば、ピーター・リンチの本によると、エレクトロニクスブームで、社名にナントカ「ニクス」と命名すると株価が暴騰したらしいです。当社もそんな1社だったのかもしれませんね。

しかし、持ち前の研究開発力と買収能力でぐんぐん成長して今日に至っています。
なお、2015年にコヴィディエンというアイルランドの医療機器メーカーを買収して、本社をアイルランドに移転した関係上、PlcPublic Listed Company)を名乗っていますが、実質的には米国企業と言っていいと思います。

一時期、高額な法人税率に不満を言う、米医療業界企業がこぞって、米国より税率が低い欧州企業を買収して、本社を欧州に移転するという行動がはやった時期がありました。

一番インパクトが大きかったのが、ファイザー(米)によるアストラゼネカ(英)への買収提案でした。結局、ファイザーが断念しました。

私の持ち株でも、アッビイがアイルランドのシャイアーを3度買収提案を行って、3度目の正直でシャイアー経営陣の承諾を得ましたが、アメリカ側から「税金逃れのM&Aはいかがなものか」という感じで嫌がられ、世界最大の市場の当局から難色を示されて、買収提案を取り下げました。
(ちなみにそのシャイアーはスピンオフ直後のBaxaltaに買収を仕掛けて、成立寸前です)

MDTM&Aはこういった騒動を巻き起こす前に素早く成立させたので、Plcを名乗ることができた様です。


前置きが長くなりましたが、財務です。
コビディエンの買収が15年の1月で、決算が4月なので、上記は買収後3か月分しか損益を取り入れていません。
また、買収資金も株式と借入金ですが、BSは丸一年を反映していません(借入金は最大値だが、例えばEBITDAFull Yearの数値ではないため、Net Debt EBITDAはかなり高めに出る)。
また、おそらく買収一時費用などがコストに含まれているはずなので、増収減益に見えます。
そういった点を考慮する必要性がありますので、過渡期の財務になっています。

ただし、買収により、節税効果も含めてかなりのシナジーが期待されていますので(税率効果だけだとあとで文句を言われそうなので、経営陣は税率以外の効果を出すのに必死になっている)期待は大きいです。
さらに、その2で触れますが、当社の取扱製品群は業界1位、2位のナンバーワン・ナンバーツー戦略をとっていますので、競争力があります。

ペースメーカーや当社が得意とするカテーテルなどは成長も期待されています。医療機器専業メーカーとしては世界最大の規模らしいので、市場でも注目されている銘柄です。

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