さて、エマソンは何をやっている会社か? むつかしいですね。電機をシステム(仕組み)で管理して、電力を制御する技術・管理・ノウハウがコアなのかなあ、それと、B to Bがメインかなあ、というぐらいしか理解できません。
おそらく、日本の三菱電機やキーエンスは当社をある程度モデルとしているのではないか、と思います。
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コアの一つはプロセスマネジメントと言って、プラント(石油・天然ガスの採掘・生産・精油や医薬品、食品、化学などの工場等)の生産装置の計器や制御機器あるいはソフトウェアなどをソリューション形式で提供する、とのことです。
もう一つのコアは、コマーシャル&レジデンシャルソリューションと言って、住宅や商業施設向けに、空調管理システムや温度管理システムに関する制御機器などを提供しているようです。
エマソンという会社は時代の流れとともに、対象事業が変遷していくのが特徴でして、創業時は電動モーターの製造からスタートし、自動扇風機や電動ドリル、電機工具などのメーカーとして成長していったようです。
第二次大戦後は、積極的なM&Aにより多角化を行っていった。よく言えば外部環境変化にうまく適用してきたといえるが、利益率の悪い事業は容赦なく売却されている。
これは1990年から、2016年以降の事業ポートフォリオの変遷を示した図ですが、2016年以降はNetwork Power事業を分社化して、Automation SolutionsとCommercial & Residential Solutionsの2事業に集約しようといっています。
売上高は2015年度は$22B(前回の記事ご参照)ありましたが、2016年度のNet Work Power事業を分社後は(同事業以外に2つほど小さめの事業の売却も示唆している)、売上高は$15Bに下がるものの、利益率は約3%アップするといっています。Network Power事業は利益率が他事業と比較して、やや低いのです。
利益率がより高く(資本効率もよく)、より成長性が見込まれる事業に集約するためには、企業規模にはこだわらない、という姿勢が強く読み取れますし、株主にとっては非常に心強い経営だと思います。なかなか、効率性のために規模を犠牲にすることはできませんからね。
(もちろん、当社の事業は規模の経済性に依拠するのではなく、顧客との密なコミュニケーションなどによる顧客便益の提供にあるからでしょうが)
したがって、現時点ではNetwork Power事業の分社化の最中ということで、またスピンオフでもやるのでしょうかね。
ただし、いったんかがんで、また成長していく、と言っています。4%の内部成長と周辺事業のM&Aによって積み上げていくようです。
そして、内部成長による4%の売上高成長率に加え、8%のEPS成長(オペレーティングレバレッジを見込んでいる)、自社株買い、M&Aを加えると、年率11%~14%のEPS成長をコミットメントしています(たぶん、為替影響前だと思います)。
(このブリッジを見ていると、数年前のIBMを思い出したなあ。なんとなく不安)
エマソンのマクロ景況感は、先進国はかなりスローで~2%程度の成長(成長の大半は北米)。
新興国もやっぱりスロー(ブラジルは全くダメ、中国も設備過剰、中東も政情不安など)。
売上高の2割弱が石油・天然ガス事業からくるらしく(特にプロセスマネジメント事業)、この分野はご存知の通り、投資を思いっきり削減しているので、それがかなり響いているらしいです。
私見
効率よく利益を出して、株主に報いていく、そのために妥協をしない、という経営姿勢を強く感じました。規模は大きくありませんが、非常にいい会社だと思います。
まだ割安圏内です。(予算を工面するのが大変ですが)もう一回投資を検討してみようかな、と思いました。
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