2016年3月24日木曜日

シャープ・ホンハイM&A交渉への雑感

シャープ側から見れば、最悪な状況に陥りつつある。
鴻海シャープ出資、約1000億円減額で調整 企業価値の低下を反映 (原記事ロイター、東洋経済オンラインから)

記事によっては、産業革新機構支援額以下、なんてのもある。


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M&Aとは、売り手から見た場合、買収候補者が複数いればいるほど、売り手優位になるが、買収候補者が1社しかいない、とわかった瞬間買い手が優位になるものだ。

売り手から見た場合、逃げ場がないからだ。


特に、シャープのような増資や資産売却による資金調達が他の協力者(金融機関の追加融資の条件になることが多いと思う。

「支援する代わりに、あなたも最大限自助努力してよ。さもなければ銀行も株主や預金者に言い訳が立たないじゃない」
自分で出せるカネは自分で出してくれ、ということだ。

こうなれば売ることは前提で、売らなければ明日がない。
したがって、売り手は条件を競争させることが最大の責務となるはず。

しかし、どういうわけか、最終入札(通常は法的拘束力があるはず)が終わった後に、偶発債務リストなるものが出てきて、その結果価格調整がされるとなるというシャープ及びそのFA(みずほ証券のようだが)のチョンボ?(だと個人的には思うけど)が発生し、議論が迷走している。

一方、東芝のメディカルシステムズは、キヤノンに売却すると決定して即決済してしまった(7000億円近いカネをポンと出せるのもすごいけど)。
3月中に決済して会計上の特別利益を得たい東芝の思惑もあったが、富士フイルムやコニカミノルタなどの他の候補者も最後まで欲しがっていたという事情もあったようだ。

シャープの失敗劇?を見て、東芝のFAも十分慎重に事を運べたのかもしれない。

実際の話まで知らないけど、これまでの情報を整理するとこんな印象。
売り手が優位なのは、花婿候補が複数いる間だけですね。したがって、最終契約を結ぶ前までに、価格の最大化や雇用の安定とかをできる限り買い手に約束させるのです。

一対一になった瞬間、態度を硬化させたような印象をもって、ホンハイを非難するのは早計だ。
誰しも釣った魚に餌をやらない、のはある程度仕方がない。卑近な例では、パナソニックが三洋電機を買収した時が最たる例ですね。旧三洋は電池以外に何が残ったのだろう? 現パナソニックもBtoCからBtoBとか言っているが、結局、その電池事業と旧松下電工の事業が頑張っているだけなんじゃない?

買収後にブランドを残すと言っているだけ、パナソニックよりもましかも。


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