2015年5月10日日曜日

ジョンソンエンドジョンソン、7.1%の増配 53年連続増配





米ヘルスケア総合メーカーのジョンソンエンドジョンソン(JNJ)は4月、一株配当を$0.70→0.75へと7.1%引き上げると発表しました。

これで、JNJ53年連続増配となります。

年間の一株当たり配当金は$3.00で、8日終値$101.47に対し、予想配当利回りは2.96%となっています。

Yahoo! Financeによる実績PER17.8倍、予想PER15.8倍です。

財務内容は、長期債務でAAAです。確かマイクロソフト、オートマチックデータプロセッシングと当社だけがAAAではなかったか?

JNJの過去10年間の年平均増配率は8.9%となります。過去5年間では、7.3%となります。
実績EPSに対する配当性向は、約54%となっています。
2014年度の業績は売上高743億ドル(8.8兆円)、営業利益209億ドル(2.5兆円)でした。

感想
大方の投資家同様、大きすぎて、成長できるのか?という点が少し心配になってきました。アボットラボラトリーズのような分割は当面なさそうです。

当社には

医療用医薬品
医療機器
ヘルスケア商品(シャンプー、スキンケアから一般大衆薬まで)
3つの事業セグメントがあります。

日本で1位の医薬品メーカーである武田薬品工業と1位の医療機器メーカーであるテルモ、そして、1位の日用品会社の花王を全部足して、JNJと比較をするとこんな感じになります。

時価総額は51日時点です。

いずれの事業部門も、日本トップ企業をしのぎますね。日本企業の営業利益って、たぶん暖簾の償却とかが入っていると思うので、単純比較できませんが、それでもその差が大きいですね(暖簾を足し戻しても、営業利益額は7000億円にはならないだろう)。

現在、JNJは医薬品事業が好調です。上市した新薬が次々にヒットしています。
C型肝炎治療薬で、「オリシオ」というのがちょっとコケましたが)

但し、そろそろ「レミケード」の特許が切れるので、そのバイオシミラーの影響が懸念されます。
更に、ヘルスケア事業でも、リコール問題の影響がなくなりつつあり、再び攻勢をかけています。

(タレイノールというOTCを、本来リコールすべきだったのに、バイトを雇って、こっそり店から買い占めたことがあとでFDAにバレるという気まずい事件が発覚した。ちょうどトヨタ自動車がアメリカでリコールの件で袋たたきに合っていた時期におおむね重なる。その後、そのOTCを製造していたペンシルベニアの工場を再検査する等かなりドタバタしていました。私はその時にJNJ株を買いました)

ご参考(旧ブログ)


医療機器は、整形分野(人口脊椎やおしりなど)がダントツですが、先進国全体的に、保険からの単価抑制圧力が強く、数量増・単価減の影響が大きく伸び悩んでいます。

特に新興国での売り上げ増加に勢いがありません(これは全事業共通)。それにドル高が追い打ちをかけています。

医薬品も他社の後期パイプラインがJNJの現在の医薬品より良い成績が出た、というニュースもチラホラあります。

2015年は何とかしのげそうですが、2016年以降の成長分野を再び示す必要性がありそうです。

増配率は6%~8%を期待するのが現実的だと思います。しばらく様子見です。
ただし、当社の株主還元・FCFの使用ポリシーの最優先事項が増配といつもCFOはテレカンで言っていますので、コアでずっと保有するに値する銘柄かな、と思っています。

また、この銘柄を保有する価値は、それは当社がジョンソンエンドジョンソンだからです。ケインズの美人コンテスト投票理論をご存知でしょうか?

投票者は自分自身が美人と思う人へ投票するのではなく、平均的に美人と思われる人へ投票するようになる」 そしてその人が優勝する。





投資家はヘルスケア分野はあまり得意ではありません。しかし、分散投資でこのセクターのコアに何を据えるのか、と考えた場合、JNJが美人だと考えやすいのだと思います。年金基金等へのウケもよさそうだし。実際、ファイザーやメルクよりうまくいっていると思います。

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