「アメリカの原油生産が止まらない一方、需要が伸びないので、在庫が山積みされていて、それが原油価格を押し下げてる」
したがって、
「在庫を持っている人は、最後は投げ売りを行って、原油相場は$35まで下落する」
という人がいましたが、WTI原油相場は60ドル前後で現状は落ち着いています。
私もここから石油関連情報を得ることが多いのです(タダで読める専門家の情報の一つ)。
この情報の中に、原油相場の短期的な動向をずっと解説してくれる人がいて、その人が言うには、
「みなさん、原油在庫が積みあがっているから原油相場が下がるといいますが、実態はこうです」と切り出し、
「業界の人の多くは結局、60ドル~80ドルに戻ると考えているようです。したがって、冬の時期に40ドルぐらいまで下がったら、買いだめしてタンクに貯蔵して、価格が上がったら売却して、転売益を儲けたいと考えているようです」
と解説していました。
原油をタンクに貯蔵するコストは、差がありますが、ざっくり1バレルあたり月1ドル以下だそうです。
したがって、40ドル~50ドルぐらいの相場では、ガッツり買いたくなる、という感じ。
上記のグラフの緑の帯のところは2009年~2013年の在庫水準、青い線が2014年以降の在庫水準です。
青線は2015年初頭から一気に急上昇していますね。売れないから余っている? 価格が安くなったので買い溜めしておこう?
中国が鉄鉱石や石油の戦略的備蓄を、このドサクサに紛れてやっていた、という話をよく聞きましたね。
っで、価格が戻ってきた4月頃から在庫カーブが下がり始めています。
生産量もピークを打ったように見えます。
減産が始まったので、価格が戻ってきた、価格が戻ってきたから安いうちに買っておいた在庫をさばき始めた、そんな解説でした。
個人的にはこっちの方が、なんか納得感がありましたね。
この方は短中期的な原油相場の解説を専門にやっている人です。
JOGMEGでは、中期的な相場見通しも行っていて、その中間報告では、短期的には上記のような在庫も残っているし、ほかの国も増産意欲が強いので、需給関係から見た原油相場はそれほど上昇圧力が加わらないけど、低価格が続くと、中期的(2020年ごろ)な需給はやや供給タイトになる可能性がある、って感じのまとめになっています。
この原油水準プラスインフレ率±10%程度がベースシナリオか? もちろん金融面の動向も価格に影響を与えるので、一筋縄でいきませんけど。米金利引き上げとかも影響大きいですから。
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