2015年5月26日火曜日

マスターカード、フォードの次に買ったもの







で、「どうしても増やした方がいい他の銘柄」を買いたいために、フォード株を売った、という趣旨のことを書きました。

その代金で何を買ったのか。

それは MasterCard社(MA)です。


今さらクレジットカードです。クレカ業界は、ウォーレン・バフェット氏がアメリカンエキスプレスの大株主であり、アメックスにはEconomic Moat(経済的な濠;競争優位性のこと)があることを既に知っていましたので、いまさら感がありますね。

クレカの持つ競争優位性とは、「ネットワーク効果」というものです。

つまり、その企業の利用者が増えれば増えるほど、そのサービスの付加価値が高まるようなビジネスモデルを保有する企業、というものです。

簡単な例だと、証券取引所、銀行、中古車オークション事業(USS4732)などがあります。

詳しくは、以前書いた記事

を参照。

MAを初めて買ったのが2014年の10月ごろ
詳しくは以前書いた記事

を参照

MAは配当利回りが低く(0.7%)、配当株というにはちょっとアレですが、着実なEPSの成長、Cash Cowなビジネスに加え、中国市場に参入できる可能性がぐっと強くなった。そして株主還元意欲が旺盛です(現在は自社株買いが中心ですが連続増配している)。

私も含めて世間の皆さんは、ネットで決済する機会が多く、先進国でも新興国でもまだまだカード決済市場の伸びる可能性がありますし、実に今でも毎年10%台前半の決済総額の伸びがあるようです。

昨年、MAを買って、その後何四半期か決算テレカンを聞いていて、そのビジネスモデルの堅実な成長性をちょっと確信したというか、腹落ちした次第です。

また、株価上昇局面だと、配当株中心の私のポートフォリオは市場平均に大きく出遅れる傾向があるので、それを食い止めたかった。

実際、昨年初めてMAを買った時の株価が70ドル台、今既に90ドル台です。

VISAV)との違い。

クレジットカードと言えば、VISAが最も利用が多いと思います。こちらはついにダウ平均銘柄に採用されています。Vとの違いは何でしょう?

答えは、

あまり変わらないと思います。

しいて言えば、Vはその取扱高のうち米国内がより強く、MAは米国から見ると海外での比率が多いということです。


MACEOはインド人で、新興国市場の開拓をより進めるぞ、というメッセージにもなっています。

個人的に、新興国経済が成長して、中産階級がぐっと増えて、世界経済はもっと良くなる、という
説をずっと慎重かつ楽観的に信じていますので、MAにした次第です。
MAのCEO、Ajaypal Singh Bangas氏 発音できません(笑) 
アメックスとの違い
アメックスには貸金事業があります(リボルビングとか)。MAVにはありません。

まあ楽観的な面ばかりでもないと思いますが、さらに余力がもしあれば、まだ買ってもいい、と思っています。

それにしても、ペプシコ、マイクロソフト、マスターカード、など米国を引っ張る大企業のCEOがインド人だっていう事実を日本人はもっと知っておいた方がいいと思います。シリコンバレー系のIT企業だと、もっとその数は多いはずです。

金融業界では、シティグループも一時期インド人の人がなっていましたが(首になっちゃいましたが)、競争の激しい米国企業のトップに上り詰めるためには、英語力だけでもなさそうです。

MAのファンダメンタルズ 強力なキャッシュフローですね。まあ、印籠ビジネスですから。ドル高もなんのその。

【モーニングスター社から】


投資CFには、更新投資以外にM&A買収資金なども入ってきますが、上記ではいわゆる更新のための設備投資金額が入っています。

そうすることにより、投資家は経営者の裁量で使用できるキャッシュがどれぐらいあるのかを知ることができるからです。それをどのように使う経営陣かを投資家は評価する、そんな目的がCF計算書に秘められています。

そのFCFが売上高の3割以上あるって、すごすぎ。せっせと自社株買いをやってくれるので(株数が前年比マイナスになっていますね)、需給面で株価の下落を抑制してくれます。


余ったキャッシュでせっせと買い戻すって、何のためにIPOしたのかよくわかりませんが。。。株主にとってはウエルカムですね。

応援お願いします。
にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ 






10 件のコメント:

  1. いつも、ブログを読んで勉強させてもらっています。ただ、今回の記事には少し残念なところがあります。(失礼ですいません)
    それはタイトルが”マスターカード、フォードの次に買ったもの”となっていることです。
    個人的にこのタイトルを見たときマスターカード、フォードの次に何を買ったのかと言う記事に一瞬見えてしまいました。(もちろん以前の記事を読んでいるのでフォードを売ったあとに買ったと分かりましたが)
    ただ、
    "マスターカード” フォードの次に買ったもの
    みたいにしたほうが良いように思えてなりません。

    返信削除
    返信
    1. なるほど、ご指摘ありがとうございます。

      削除
  2. V,MAは他社と違ってカードイシュとアクワイアを自社でやってなくて、ほぼ決済スキームの提供だけで稼いでいるので利益率がとてもよいと以前何かの本で読んだ気がします。(記憶違いならすみませんが)
    個人的にはAXPも含めて3社まとめて保有したいです。

    返信削除
    返信
    1. 詳しい情報ありがとうございます。
      余計なアセットを持たない点を買っています。

      削除
  3. はじめまして。いつもブログを読んでいます。
    マスターカードについての意見、ありがとうございます。
    私事ですが今年の2月にドバイに行った時にむこうは、マスターカード推しでした。
    空港やモールでよくマスターカードの広告をよく見かけました。
    新興国の開拓に力をいれているようですね。

    返信削除
    返信
    1. そうですか。マスターはどちらかといえば、欧州よりだとイメージが強かったので、その流れで中東にも強いんじゃ、という感じがしました。

      削除
  4. 先日、「エコノミストに対する雑感」でコメントした者です、こんにちは。
    今月号の「ZAI」でVを押していたので、米国のクレジット会社について関心があったのですが、MAの強みを知ることができとても役に立ちました。CEOがインド人ということで新興国で発展が期待できるとは確かにです。ちょっと米国株の雲行きがあやしいのでまだ、購入の決断はできないですが、チャンスがあれば検討したい銘柄です。それにしても米国にも魅力的な会社が多いですね!
    インドというと数学がすごいとは知っていましたが、米国企業でこんなに多くのCEOを輩出しているとは、インドの時代がやってきているのでしょうかね?
    今後もブログを楽しみにしています。

    返信削除
    返信
    1. 私は80年代末ごろ米国で少し留学していましたが、コンピューターサイエンスの建物にインド人が必ず20人ぐらいはいたと思います。そのころから、インド=ITだったのだなあ、と今思います。
      国家としてのインドはカースト制度があったりして保守的な印象が強いのですが、インド人個人は今後とも競争力は強いのでしょうね。
      アメリカの有力企業でCEOができる日本人って、出てこないですね。

      削除
  5. 触発され、先10年の複利結果を目標に、500$/月の配当ポートフォリオ構築に方針変換しましたが、それはそれで、、、
    当たりの成長株は、20%以上、、行きますね。ちなみに、gonchan様は、総量の何%を配当<成長株?に投資されていますのでしょうか?私は結果として10%前後になってました。。が、数銘柄で配当総量を凌駕しており、不確実性を鑑みると悩ましいです。配当戦略の中で、小まめに果実を拾っていきます。

    返信削除
    返信
    1. なかなか難しい問題で、こう、と決めたことはないのですが、あくまでPF全体で考えるようにしています。
      また記事で書いてみたいと思いますが、ざっくりとしたものです。

      削除