2015年5月16日土曜日

思い入れの強かったフォードモーター(F)を一部売却





先日、フォード(F)を半分売却しました。
Fを初めて買ったのは、2009427日でした。そこから同年10月まで断続的に買い、ずっとホールドしていました。

思い入れが強いんです。フォードには。

初めて買ってから、6年が経過しました。
クライスラーが経営破たんしたのが2009430日、GMは同年62日に破たんしました。
アメリカの自動車産業のどん底で、買いました。

個別銘柄を本格的に始めて、半年ちょっとだったと思います。その時期に新聞やTVでは、毎日の様にアメリカの自動車産業はボロボロで、ついでになぜかアメリカも凋落して、世界経済はお先真っ暗だ、というニュースばかりが流れていました(特に日経とWBS)。

理論的にはF株には強気で臨んだのですが、何せ初心者なので、怖かったですね。
そして、「ビッグスリーでは唯一、政府資金に頼らず自力再建した」という枕詞がフォードを語るときには必ず付くようになりました。

株価もうなぎ上りになって、ガッツポーズモノでした。


なぜフォードを買ったのか

2008年終りから2009年の冬頃、ピーター・リンチやジェレミーシーゲルあるいはジム・クレイマーの本を読み漁っていました。

ジム・クレイマーは「長期のポートフォリオを組んだ場合でも、2割ぐらいは勝負銘柄で、急上昇が狙える銘柄をもて」(趣旨)ということを言っていました。

そして、ピーター・リンチ氏は現役時代に破たん寸前のクライスラーのアイアコッカに会って話をして、実際に新車を見て、「イケる」と踏んで同社株を買いまくって、見事テンバッガーになっていました。

リンチがクライスラーを買うに至ったのは、クライスラーの経営再建に自信を持ったのもありますが、1980年から81年ごろは第二次オイルショックなどで、自動車産業は全滅状態で、個別企業がどうの、という感じではなく産業全体がダメだった。したがって、景気が回復すれば、業績も回復するといったシクリカルな要因を見抜いていたからでした。

その状況と20092月~3月のアメリカ自動車産業はそっくりでした。
更に、フォードは他の2社と違って、特にGMのように不動産融資に走らなかったので、2005年以降の急激な原油高で車が売れなくなり、真っ先にリストラ策に入っていたのです(GMは自動車が赤字で不動産が黒字でまだ余裕があった)。

フォードは2006年ごろ、ボーイングからアラン・ムラリーをCEOに向かい入れ、ワンフォード戦略に沿って、ランド・ローバーやジャガーといったブランドを(批判されながらも)投資ファンドやインドのタタモーターズに売却していきました。

また比較的借りやすい時期に融資を受けていたので、2008年のリーマンショックの頃は現預金をいっぱい持っていて、コスト削減も78割がた終わっていました。

したがって、2009年ごろには、固定費を大幅に削り、新車開発準備も整いつつあり、「あとは売るだけ」の体制が出来ていたのです。

ニュースを慎重に読めば、フォードは破たんしないだろう、コスト削減が予想以上に進んでいる、あとは消費者がお金を持っているか、車を買うか、それだけという感じでした。

それで、ピーター・リンチの10倍は無理でも5倍を目指そう、と思い、$5~$7の間で、当時としてはかなりの額を費やして買いました。

そのころの心境を旧ブログで結構語っております。







さて、株価は2011年初頭ごろまではかなり頑張っていたのですが、それ以降は行ったり来たりで、ドラ息子化してしまいました。

それは、フォードがグローバル化していて、欧州経済の悪化の影響を受けて、欧州事業が赤字から抜けられなかったのです。アメリカの自動車産業さえ回復すれば、株価は数倍ものだ、と考えていた私には誤算でした。

またアメリカ国債がAAAから転落した、とか、コモディティ価格が急騰して原価が圧迫された、とかいろいろありました。

更に、アメリカの投資家は、前回のGMやクライスラーで自動車産業への投資はコリゴリ、と考えているようでした。

また、テスラのような電気自動車やロボット技術で車を動かすなどの話題もあり、従来型自動車会社への投資家の興味は薄れているようです。

それでも25ドルぐらいまで粘りたい、と考えていましたが、熟慮の上、どうしてももっと増やした方がいい他の銘柄を買う資金をねん出するために売りました。

フィリップモリスは最初から売る予定はありませんが、フォードはいつ売るべきかを、考えながら保有している銘柄です。最初から売る予定がない銘柄を買った方が、これから長い目で見て、投資リターン全体にとってポジティブになります。

そう考えて、半分売りました。もう半分は今年か来年に売ると思います。

フォード株がもうひと暴れする可能性は十分ありますが(PE8倍と無視されて様なバリュエーションです)、連続増配株投資路線を一層強化するため、断腸の思いで売りました。

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2 件のコメント:

  1. お気持ち、お察しします。私も2011/末よりBuffettに触発され、数ヵ月BACを買い増して、今に至るまで保有しておりましたが、株価成長の鈍化を感じ、先週一気に売りさばきました。一抹の寂しさを感じますが、この子達の頑張りを糧にDividend Growth Next 10thで、私も普通のサラリーマン年金並の配当所得を目指します。

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    1. Matさん、コメントありがとうございます。
      確かバフェット氏は有利な価格でBACの優先株を買っていたような記憶があります。
      それにしても、底値で買うのは容易ではありませんね。
      お互い得意分野に特化して頑張りましょう。

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