昨日は子分、今日は親分ですね。
KDDIが2015年3月期決算を発表しました。昨日は子会社の沖縄セルラー電話が決算発表でしたね(なぜか今日は下げてしまいましたが)。
決算内容は各自ご確認ください。ちなみに営業利益は+12%で2ケタ増益でした。
そして一株配当金を、65円にすると発表しました。
4月1日付で、1:3に株式分割を行っているので、分割調整後で見た場合、
53.34円 ⇒ 65円 と+21.9%の増配となりました。
(従前の株主は、一株年換算すると160円になるという計算をしていたはず。160÷3=53.3円)
配当性向は、33.2%です(会社予想EPS 65円÷195.6円)。
12日終値現在の株価2856円に対しての予想配当利回りは2.27%です。
以下、コメント
+21.9%の増配はVery Goodだと思います。
13期と記載してありますが、数えると、16年3期で15期連続増配(予想)になるのですが、なんでだろう?
配当性向33%というのは、他の通信事業者との比較では低率だと思います。
ベライゾンコミュニケーションズ 57%
NTTドコモ 60%
つまり、配当性向の引き上げ余地があることを示唆しています。
但し、KDDIは業績が堅調に推移しており、配当で株主を釣る?必要性が現状はありません。
したがって、業績が高原状態または踊り場に達する段階で、自社株買いや増配で株主を引き留める策に出ると思います。
業績は現時点では、スマートバリュー(スマホとインターネットプロバイダー等合わせ技で契約すると、割引するサービス)でドコモやNTT光から契約者を奪っていますが(それと買収によるJ-COMの連結化も大きい)、NTTもついに、このバンドルサービス開始の「お墨付き」を総務省から得たので、次の成長ドライバーが求められます。NTTグループはシェアを取りに行くような価格体系ではなく、契約者を引き留めるための専守防衛型の料金設定と言われています。
KDDIは今後、携帯通信を使ったショッピングや金融決済機能を集約させることでいわゆる客単価の向上を狙っているようです(ドコモがすでにやっていますね)。
ドコモのように、わけのわからないM&A(野菜の宅配会社やTVショッピング会社の買収など)を行わないところは、さすがに稲盛家&豊田家の血が流れている会社だと思います。
(KDDIの筆頭株主は京セラ/旧第二電電・12.7%、2位株主はトヨタ自動車/旧日本高速通信11.1%です)
また、白い電話会社のように、やみくもに投資に走るわけでもなく(どう考えても株主の方を向いて投資しているというよりも、創業者の「趣味」で投資しているように感じる。当然配当政策に影響が出る)、赤い個性と白い個性のバランスが取れた会社だと思います(だからコーポレートカラーがオレンジなのでしょうか???)。
NTTは総務省から、「独占事業者」にならないように厳しく目をつけられ、その合間をKDDIがうまく立ち回っていて、過去の既成概念をソフトバンクが一気にぶち破る、というイメージです。
通信に関しては、インターネット通信の領域は今後も確実に拡大が見込まれています(IoT:Internet of Things モノのインターネット他)。
通信インフラはまだまだ拡大余地があります。一方ではスカイプ的なサービスもあります。
また、ソフトバンクが仕掛けた通信世界拡大戦略(実際には英ボーダフォンが仕掛けたんですが、面の拡大に走りすぎて、技術をおざなりにしてしまったツケを払わされた)にAT&Tも加わって、クロスボーダー化の可能性もあります。
個人的には慎重な楽観主義で今後もKDDIグループは通信銘柄のコアとしてホールド予定です。
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