2015年6月26日金曜日

後発医薬品数量目標を2020年度までに80%にする方針






後発医薬品、ジェネリック薬の数量目標を80%しよう、と政府の行政改革推進会議のナントカワーキンググループが中間報告として、とりまとめた、という話。




20183月までに60%20213月までに80%へと

2020年度末より前のできるだけ早期に」80%以上と提唱したようです(つまり20213月まで)。

さらに、新発売されるジェネリック薬の薬価をもっと引き下げるよう要求しました(今は、ジェネリックと同じ先発薬の60%の価格かそれ以下と決まっている)。

ちなみに現在は20183月末までに同比率を60%にする、ということで動いています。今は2015年ですが、すでに50%台半ばぐらいまで浸透しているようです。大病院が一斉にジェネリックの採用に走っているというのがポイントのようです。

何が何でもジェネリックに、という感じになってきました。政治家のセンセイたちは、財政の引き締めのツールとして医薬品抑制を打ち出しています。

本来の目的は、薬代の抑制

薬代を抑制したい、というのが本当の目的で、ジェネリックを増やすことが目的ではないと思うのですが。

目標はあくまでも数量目標なので、金額ベースだと、確か未だ20%台だったような気がします。

算出式は ざっくりと

ジェネリック医薬品の数量 ÷GEのある先発薬の数量)+GEの数量)

です。


したがって、安い薬をGEにガンガン置き換えれば、当面の目標は達成されることになります。

一錠100円の薬を60円のGEに置き換えればいいのです。60円のGEをさらに値下げしろ、と言っています。

一方、バイオ薬でたとえばレミケードというリウマチ治療薬は、成人男子1回あたり7万円から8万円かかるようです(後続品が発売されましたが、普及はまだまだ)。1回ですよ。リウマチ治療なんて、始めると何年もずっとすると思います(個人負担はここから医療保険で7割負担してもらい、さらに、高額療養費制度の適用も可能なのでぐっと少ないはず)。

政府感覚としては、とりあえず掲げた目標の達成にまっしぐら、という感じでしょうか。

株式投資では、業績はよさそうだがCFは期待しない方が・・・






株式投資的には、GE業界はまだまだ恩恵を受けそうですが、設備投資金額がまだ当面かかりそうである、という点は痛しかゆしのような感じがします。

あとは、GEの単価(薬価)がどんどん引き下げられると、利ザヤも心配ですね(一方では、東南アジアやインドといった海外への生産設備の移転などもあるかもしれませんね)。

インドのGEメーカーにOEMで出しても、日本の薬の規格はガラパゴス的に飛びぬけて厳しいらしく、あんまり採算良くないそうです。


したがって、一から日本向け専用ラインを立ち上げて、作って輸出する、という感じがよいそうです。そんなことをやっているとインドの人は採算が合わないらしい。

しかし、個人的には薬価の極端な引き下げはないと思っています。「ガンガン作れ」と言っておきながら、インセンティブがなければ、誰もそんな方針に従いませんよね?会社でも「働け」と言って、働いても働かなくても給与が同じか、引き下げられるとなると「ブラック企業」じゃないですか。

したがって、今より利ザヤが大きいと社会的批判が出てしまいますが、まじめにやっていると、それなりに利益が上がるような決着がつくと思っています。厚労省の最大の目的は、現在の社会保険制度の維持ですから。

売上高の増加率ほど営業利益の増益が見込めそうにない、その程度だと信じています。


この分野は引き続き、沢井製薬をホールドし、ウオッチ銘柄として、ダイト(4577)という富山の原薬メーカー(製造受託)を考えています。

いずれも、FCFベースでは、そんなによくないですが、需要拡大はカタイ分野という点では大丈夫かなと。あと、ダイトは原薬という強みもあるし。

引き続き注目ウオッチしていく業界です。


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