その心は?
どちらもコングロマリットである。
しかし、総合商社の株価って、いつもディスカウントされています。
現在は商社も投資会社的な存在となっているが、かつては卸の親分的な存在だったので、その商社と究極の投資家?ともいえるバークシャーと比較することは、ややアンフェアかもしれない。
(バークシャーもかつては、しがない繊維会社だったのですが)
事業ポートフォリオの比較~シクリカル事業の多い商社~
バークシャーのポートフォリオの半分は、保険(損保)、鉄道、公益・エネルギーで占められる(Economic MoatがWideな事業が多い)。
一方、総合商社のポートフォリオは資源・エネルギー、金属・機械関連の事業が三井物産では実に9割近く、三菱商事でも50%近く占める。
商社ではないが、現在持ち株のHSBCは事業ポートフォリオの大リストラを行っている。HSBCは銀行なので、バーゼル規制という自己資本比率規制があり、その規制に則って、リスクに見合ったリターンが出ない事業からガンガンEXITしている(中国の儲かっていた保険会社の株(中国平安保険)もタイの会社に「戦略だから」といってあっさり売却してしまった)。
最適資源配分の巧拙
最適資源配分の巧拙
日本の商社にHSBCのように機械的なリストラは難しいと思うが、いかにもシクリカルと思われる資産が多くを占めるポートフォリオと、各事業まんべんなく投資していくというスタンスは、投資資金の非効率化という誤解を招きやすいのではないか?
これはウォーレン・バフェットがいつも口酸っぱくいっていることで、優れた演奏者が優れた指揮者になれるわけではない。CEOはオーケストラの指揮者のように資金を効率的に配分していかなければならない、といった趣旨を言っている。
企業のおいたちを考えると、商社ではそんな簡単にもうからない(投資効率の悪い)事業を切ることは難しいかもしれないが、外国人投資家に評価されにくい日本のトレーディングカンパニーのバックグラウンドを知っておくことは必要だと思います。
もちろん、上記の事は頭のいい商社の経営幹部は、理解していると思います。ただ市場が期待するスピードで改革ができないのだと思います。
こういったことを考えると、自分の投資方針を考えてみて、減配をしなさそうな(そして伝統的(瀬島龍三)に中国人脈が強い)、伊藤忠商事辺りは、ウオッチしてみる価値がありそうに思いました(配当利回りも3%台)。
三井物産は、ブラジルのヴァ―レとかペトロブラスあたりに投資ウエイトが重そうなので、ちょっと敬遠。三菱商事は減配するので論外。丸紅は投資の対象になるほど財務はよくない。伊藤忠ももう一回精査してみるつもり。
伊藤忠:米シェール事業から撤退、保有株を1ドルで売却 (ブルームバーグ)
伊藤忠:米シェール事業から撤退、保有株を1ドルで売却 (ブルームバーグ)
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はじめまして
返信削除去年から株を始めた初心者です。
他サイトではあまり見られない、非常に明解な分析とそれを伝える文章力を毎日楽しみに閲覧させていただいています。
今記事の内容は前々から非常に気になっていた分野でもあり、非常に面白かったです。
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T.H.21さま
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