Baxter International（BAX）に新規参戦 スピンオフ銘柄

BAXを新規で買いました。

BAXは大きく病院内器具（輸液器具、人工透析器具、院内調合剤器具）と血友病や自己免疫疾患による炎症薬などの難病向け治療薬を開発製造する医薬品事業に分かれているコングロマリットです。

今回、病院内器具を中心とするBaxter（BAX）と難病治療薬（簡単に言えば、オーファンドラッグと言います）を中心とするBaxalta（BXLT）に分社化します。

BAXの既存株主は、BXLTの新株を割り当てられます。スピンオフ前とスピンオフ後の株主価値は変わらないように設計されています。

両社ともニューヨーク証券取引所に上場が維持されます。株主は株を割り当てられるだけで、そのまま保有する限りにおいては課税されません。

以上が、本当にざっくりとしたスピンオフの内容です。端株が出るので、端株分は現金処理されるそうです。

コングロマリット・ディスカウントを解消するためのスピンオフ

アメリカでは、コングロマリット・ディスカウントを起こしている企業が、ディスカウントを解消するための手法として、スピンオフは比較的有効に活用されています。

（日本では、税制が対応できていないので、できないと思う。商法が会社法に代わる際、三角合併が話題となっただけでスピンオフは経団連に消されてしまったと思う）

また、アメリカでは、スピンオフで出ていく会社（本件ではBXLT）に対して、比較的良い状態で分社化する傾向にあるといわれています。分社した途端に破たんする、なんて羽目になると株主から訴えられかねませんからね。

さらに、コングロマリット・ディスカウントにより、虻蜂取らずのような会社だと投資家にみなされていたので、その要因が解消されるので、株価が上がりやすい、とも言われています。

よくアメリカ人が、“Unlocked Value”と言っていますね。Unlockedが実現されるのです。

自分の経験でもスピンオフは良かった

私は、これまで、モトローラ/モトローラ・モビリティとアボットラボラトリーズ/アッビイの2回スピンオフを経験しています。両方とも結構おいしかったです。

前者、モトローラは確か分社後早々にグーグルに買収されました。モトローラ・モビリティはIBMを買ったときにタネ銭として売却しました。

後者は、スピンオフすると、アボットの株価が上がるのかな、と思いきや、バイオテックブームに乗って、アッビイの株価が上がるという意外な結果になりましたが、それでもおいしかったです。

こんな感じですね。

チャートの緑がABBV、青がABT、赤はS&P500です。

2013年1月1日にスピンオフしました。

ABTの株価　32.3ドル

ABBVも　　32.3ドル

S&P500は　1426.19

でした。

記憶ベースですが、ABTとABBVは全く同じ株価で別れたと思います。

2015年6月12日現在では

ABT　　48.67ドル

ABBV　 67.05ドル

S&P500  2,094.11

でした。

ざっくりですが、ABBVは94％のリターン、ABTは56％、S&P500は48％となっています。

ちなみに両社ともS&P500を上回っています。

6月17日が配当期日で7月1日がスピンオフの発効する日だったと思います。

下馬評ではBXLTの評価がやや優勢か？

どうなるのかわかりませんが、下馬評では、BXLTの方が投資家の期待が高いと思います。

BXLTは血友病治療で圧倒的なシェアを誇り、自己免疫欠乏症治療においても開発が進んでおり、さらに、腫瘍薬（抗がん剤ですね）分野でも、ニッチで有効性の高い薬の開発が進んでいるようです。

BXLTは売上高が年率平均8%で成長する、と投資家にロードショウで予想しています。

一方のBAXは同4%の成長が可能と言っています。

（注：売上高の成長率は為替中立ベースです）

配当に関しては、BAXは配当性向35%、BXLTは15%となっています。

現BAXは8年連続増配中です。ただし、スピンオフに際しMorningStar社はEconomic MoatをWideからNarrowに引き下げてしまいました。

同社では1年前から、BAX全体を買い推奨していました。私は同社のビデオニュースでこれを知って、ずっと追いかけていて、スピンオフ直前で買った、という感じですね。

私もそんなに深く知っているわけではないですし、決して当社株を推奨しているわけでもありませんので、投資判断はご自身でしてくださいね。

応援お願いします。